2019年5月14日発売
イザベラがニューヨークを訪れたのには理由があった。それは、少女の頃からずっと好きだったセロンのそばにいるため。セロンはイザベラより10歳も年上の、ギリシア富豪一族次男。旧友だった互いの父親がともに亡きいま、イザベラにとってはいわば後見人の立場にある。もう昔みたいに子供扱いはされたくない…久しぶりの再会を前に、イザベラはわざと大人っぽい服を選び、成長した自分の姿にセロンがうろたえるのを見て満足した。だがその矢先、ある悲しい話を耳にするーセロンがもうすぐ、どこかの令嬢と婚約するという話を。
天涯孤独のクリスティは亡き養父母の思い出をたどるため、二人がハネムーンを過ごしたパリの高級ホテルを訪れた。自分が他の客に比べて見劣りする服装をしているのは確かだが、それにしても従業員たちが彼女を見てうろたえる様子は不可解だ。見回すと、貴族のような品と男らしさが漂う男性に目が留まる。気づけば、まるで彼を知っているかのように強烈に惹きつけられ、そばの女性に嫉妬すら覚える不思議な感覚にとらわれていた。すると突然、彼が振り返って怒りも露わにクリスティを凝視した。初めて会う人なのに、いったいなぜ私をそんな目で見るの?
「ラビはどこだと聞いている!」ダグラス不在のおり、ラビが攫われてしまう!!犯人はかつての仲間だった勇者パーティの賢者?「もう以前の俺ではない。娘のためなら、どんなことだってできる」怒り心頭のダグラス、ついに本気で戦う時が!?そして賢者の思惑は?その他にも、ラビが魔法能力に覚醒したり、かわら版へ抗議に行ったり、獣人の女性大工と家を建てたり、エルフの里に買い付けに行ったり、ラビが林間学校に参加したり、ダグラスが騎士団長に任命されたりと、仲良し父娘の日常は、騒がしくも楽しいイベントが盛りだくさん!!