2019年6月発売
奇跡の復活をとげた遊園地ファンタジア・パーク。「夢の国」には“魔女”と呼ばれるスゴ腕の契約社員がいた。園内すべてを知りつくし、トラブルを鮮やかに解決する。その魔女を探る者が現れ、折しも園内の劇場で発火事故が発生。さらには脅迫状まで届く緊急事態に。魔女と仲間は大切な夢の世界を守れるのか?
美人画で名が売れはじめた浮世絵師・歌川広重から「男装姿を描きたい」と、絵姿になることを頼み込まれた沙耶。最初は断るものの、その後奉行所から受けるようにとのお達しが出る。じつは最近「個人写生会」が問題になっていた。もちろん「奢侈」という意味合いもあるが、個人写生会に参加した事実をネタに金持ちを強請る連中がいるらしいのだ。しかも、強請られた側は決して口を割らない。手がかりを掴むために沙耶を美人画の絵姿にしよう、というのが奉行所の狙いであった。沙耶は広重の依頼を受けると同時に、「強請り」の犯人を見つけようとするが……。
ベストセラー作家、倉沢みちるは、二十三歳の秋、高校時代の彼、蓮見優斗と再会、再び心を寄せ合う。しかし、葉山のクラシックホテルの跡取りである優斗との恋には様々な試練が降りかかり、また、分不相応な収入で家族はバラバラに…。愛、仕事、家族の絆。本当の幸福とは何かを問いかける、究極の純愛ストーリー。
いままでにない斬新な謎に挑むのが本格の醍醐味。人は探偵になりたいから、できれば名探偵になりたいから本格に挑む。2017年に発表された本格ミステリの短編からプロが選びぬいたベスト作品集。最先端の本格ミステリが一冊に!優れた論理性と驚きの結末は想像の上を遥かに飛び越えていくこと間違えなし! 「夜半のちぎり」 岡崎琢磨「透明人間は密室に潜む」 阿津川辰海「顔のない死体はなぜ顔がないのか」 大山誠一郎「首無館の殺人」 白井智之「袋小路の猫探偵」 松尾由美
加賀藩邸は無頼の襲撃を甘んじて受けたのか。不祥事を咎める評定所に臨んだ百万石の筆頭宿老・本多政長。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋の登場に、評定所の面々は圧倒され、本多の仇敵、老中大久保忠朝は目を剥いた。黒のものを白にする。留守居役顔負けの舌戦の火ぶたが切られた! そして数馬も義父・政長を援護するため、江戸城を駆け巡る。そして陪臣の身でありながら、政長の将軍綱吉との謁見の日が訪れる。加賀藩と本多の命運のかかった緊迫の謁見の行方は? 大人気シリーズ、第十三巻!
大身旗本同士の婚姻の祝酒を将軍家に献上することになった。武蔵屋をふくむ酒問屋が鎬を削る中、手代卯吉が人気酒に育てた「稲飛」も有力候補に。だが海難事故で貴重な百樽を失い、在庫は払底、選ばれても期日までに献上の百樽を揃えるのは困難至極。店の名誉を守る手立てはあるのか!?
今夏注目の感動大作「アルキメデスの大戦」小説版! 一九三三年。次なる旗艦の建造計画をめぐり、海軍上層部は対立していた。巨大戦艦建造を標榜する戦艦派の計画案に、数字上の虚偽を疑う空母派は、ある数学の天才に不正を見破らせようとする。数学の真理は、巨大戦艦ー大和ーの建造を阻止できるのか? 大日本帝国海軍が歩んだ激動の時代を、美しき若き天才数学者・櫂直の生き様を通して描く感動作。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 映画「アルキメデスの大戦」 主演・菅田将暉 監督・脚本・VFX 山崎貴(「永遠のゼロ」「海賊と呼ばれた男」) 原作・三田紀房 2019年7月26日公開! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
“天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録 作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
旧家に生まれた者の“暗い宿命”を描いた太宰治「私小説集」。明治四十二(1909)年六月、太宰治こと津島修治は青森県北津軽郡に誕生、のちに遠く東京にあって望郷の念を募らせていた。太宰は、津軽での幼・少年期を“遺書”のつもりで書き綴った処女作「思い出」で文壇デビュー。その後、兄との不和から十年ぶりとなった帰郷を描いた「帰去来」、母危篤の報を受けての帰郷を描く「故郷」、そして、時局差し迫る中での津軽旅行をまとめた「津軽」と、旧家に生まれた者の暗い宿命を描いている。前四作品に加え、名作「富嶽百景」を含む太宰の私小説で構成したアンソロジー集。解説を同じ東北出身の作家・佐伯一麦氏が特別寄稿。
池井戸潤最新作! 2019年7月放映、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」(TBS日曜劇場)の原作。経営戦略室から左遷された男が挑むーー。低迷ラグビー部を“経済的に”立て直せ! 第一部 ファースト・ハーフ 第二部 ハーフタイム 第三部 セカンド・ハーフ
盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、部下の女性刑事・秋穂。テレビドラマ化された話題作『確証』で活躍したコンビが帰ってきた! 窃盗事件の報に臨場した萩尾と秋穂は、その手口から常習犯・ダケ松の仕業と見抜く。しかし、逮捕されたダケ松に面会した萩尾は、供述に疑問を持つ。どうやら弟子がいるらしい……。国宝の展示される陶磁器展が絡み、二転三転する捜査。果たして真犯人は? 錬達の警察小説。
女は男を利用する。女は自らの肉体で男を虜にする。女は男の命を搾り取る。世にも怖ろしき六人の女をハードボイルドの名手が描いた戦慄の短篇集。肝臓を手に入れるために男に近づく「あなたがほしい」や、性技を尽くして何人もの男から大金を騙し取る「さがしもの」など、六篇を収録。この話、事実かもしれない……!?
突然、目の前に現れた見知らぬ男は少年に言った。「世の中のためになる人間ー誰かの役に立つ人間になれ。大切なのは何のためにそれが必要か、ということだ」と。そして月日が流れ、少年は政治家になった。在日米軍情報機関の末端に籍を置く、情報分析員の葉山隆は、HUMINT(人的情報収集活動)として、ある調査をすることになる。真実に近づくことは、前途有望な若き政治家の人生を翻弄することになるとも知らず…。
混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。でも、心も身体もすっかり馴染みきったある日、唐突に知ってしまう。彼女が僕に近づいた理由をーー。(表題作「優しい音楽」)ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合いを描いた作品集。
ある事件がきっかけで、職を辞した元刑事の須賀原は、死者が見えるという少年・明生と、ふとした縁で知りあった。互いに人目を避けて生きてきた二人。孤独な魂は惹かれ合い、手を結んだ。須賀原と明生は、様々な事情でこの世に留まる死者たちの未練と謎を解き明かしていく。
大都会の雑踏に立ち、逃亡中の手配犯を見つけ出す見当たり捜査ー。警視庁捜査共助課に着任した水野乃亜は、新たな衆人環視システム導入を目論む警察庁のキャリア官僚・佐山の特命を受け、その現場に立っていた。そんな中、チェチェン人の女テロリストが密かに日本に潜入。都心にある米軍関連施設を襲撃する準備を着々と進めていた。警察内部の覇権争いと水面下で策を巡らすアメリカの思惑ー。現場の刑事達の矜持と己の信念の狭間で揺れ動く乃亜は、テロの脅威にさらされる日本の窮地を救えるのか!?怒涛のノンストップ警察小説、第1弾!!
ママはときに男と出奔する、どうしようもない母親だ。けれどその自由な生き方に魅了され、誰もが彼女を愛してしまう。人を好きになるということは? 勇気を与えるということは? 「幸せになりたいんやったら、誰かのせいにしたらあかん」「どうぞ、グレてください」型破りなママから、わたしは人生でなによりも大切なことを教わっていくーー。著書累計220万部超のビジネス書作家が贈る、最高のエンタメ小説! (※本書はポプラ社より『ママの人生』として単行本刊行された作品を改題・改稿したものです)
神様や妖怪が泊まりにやってくる出雲のお化けホテルに、マスコットキャラクターを作ろうという話が持ち上がる。櫻葉永遠子の発案で、桜の花びらを模した着ぐるみが誕生したが、どうにも評判がよくない。そこで、時町見初の提案で、兎の白玉をモチーフにしたキャラクターを作ることになった。兎をモチーフにした物語を小冊子にして配ったところ、なかなか好評で、ついにはイベントまで開催することに! 笑って泣けるあやかしドラマ、待望の第六弾!
坪内藩の城下町にある青鳴道場。先代の死から一年、沈黙していた跡とりの長男・権平は、妹の千草と弟の勘六に厳かに告げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。亡父の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。権平は、三回に一回しか成功しない奥義“神妙活殺”を引っさげて、道場破りの旅にでる。