2019年7月発売
主人公は新時代の女性ヒーローを自認する18歳のジュール。ゴージャスな服の下に鍛え抜かれた筋肉を隠し、悪い男を成敗することに命をかけている。しかし、数日前、数週間前、数か月前……と、ジュールの過去をさかのぼっていくと、生い立ちから始まって現在の生活に至るまで、次々と〈嘘〉が見えてくる。 根っからの頭の良さに加えて、得意のマーシャルアーツと変幻自在な言葉の訛りを武器に、殺人もいとわず身元を偽り続ける彼女は、いったい何者かーー? どこまでが真実で、どこまでが嘘か。巧みな構成で、最後の最後まで明かされない謎、そして誰も予想しえない結末のどんでん返し。 アイデンティティ・セフト(身元詐欺)という犯罪を通じて、主人公は、"本物の偽物"になるーー
アランの101歳の誕生日パーティ祝いに、親友ユーリウスが熱気球を用意した。乗り込んだはいいが、あることをやらかして、ふたりは一路インド洋上空へ。大海原を漂流するふたりを助けたのはなんと北朝鮮の船だった。またたく間にブリーフケースいっぱいの密輸ウランをめぐる地球規模のトップシークレットに巻き込まれ、怒涛の冒険が始まった! トランプにメルケル、プーチン、金正恩、世界のリーダーが続々登場。紙ナプキンに書かれた機密文書、ナチとの遭遇、大量の違法アスパラガス……。笑撃のドタバタ歴史改変小説!書評家・杉江松恋氏 解説!冒険小説史上、最高齢の主人公の物語。 煮ても焼いても食えないじじいが百年分の貫禄を見せつけて若造どもを圧倒する。 ●前作『窓から逃げた100歳老人』 は、45カ国で刊行され、1000万部を突破する大ベストセラーに。 2014年11月映画公開(邦題「100歳の華麗なる冒険」)、2015年 本屋大賞翻訳小説部門 第3位。
勇者パーティーをクビにされたビーストテイマーのレインは、 最強種・猫霊族の少女カナデと出会い、新たな人生を歩み始めた。 同じく最強種である竜族のタニアや精霊族のソラとルナも仲間に加わり、さらに賑やかさをます一行。 そんな折、レインたちは、ホライズンの街を治める領主父子が騎士団と癒着し、住民たちを苦しめていることを知る。 悪事の証拠を手に入れるため、領主の館へと潜入したレインたちだったがーーそこには新たな最強種との出会いが待っていた! 一方、レインへの復讐に燃える勇者アリオスは、禁断の力に手を染めて……!? 「どう、して……優しく、してくれるの?」 「言っただろう。味方だ、って」 大切な仲間と出会い成長していく冒険ファンタジー、風雲急を告げる第2幕!
強くなりすぎた魔導士は、人生に飽き千年後の時代に転生する。 しかし、少年クルトとして転生した彼が目にしたのは、 魔法文明が衰退した世界と、千年前よりはるかに弱い魔法使いたちであった。 そしてクルトが持つ黄金色の魔力は、 現世では欠陥魔力と呼ばれ、下に見られているらしい。 この時代の魔法衰退の謎に迫るべく、 王都の魔法学園に入学したクルトは、 破格の才能を示し、二周目の人生でも無双してゆくーー!? 最強魔導士の転生無双ファンタジー、 書き下ろしエピソードを加えて、待望の書籍化!
かつて地球と呼ばれる世界で実験中の事故で亡くなった三十代半ばの男性の研究者は、異世界で孤児の少女レンとして二度目の生を受けた。過酷な異世界でひとり、前世の知識と魔法の才能を頼りに生き延びてきた彼女も11歳。オーガロード退治やら何やらですっかり 生計が安定して、次なる目標は前世の食の再現。新たな料理や食材を求めて王都へと旅立つことに。同行するのはノルンとベルのフェンリル母子に、宿屋の食堂で働いていたリリーとその同僚のアリサ。実は二人は王都に実家がある冒険者なのだとか。ともあれ、餌付 け済みの美少女二人との旅に元おっさんのレンの心は浮き立つのであった。 異世界で生きる等身大の主人公像を描く、「小説家になろう」1800万PV突破のハイファンタジー佳編第2巻!
ドイツ推理作家協会賞受賞『謝罪代行社』の鬼才が贈る衝撃の罠 冬。ベルリン。闇に消えた子どもたち。ただ一人生還した少女… 「時制」と「人称」の迷宮の果てに待ち受ける驚天動地の真相とは! このラスト、予測不能。 雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟 が何者かに誘拐された。2週間後保護され た彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守り つづけることになるーー。一方、教師のミ カはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲 間として加わることに成功する。それはず っと温めてきた計画の第一歩ーーミカを衝 き動かすのは、父親としての妄執にも似た 狂おしい想いだけだった。予想を超える展 開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる 傑作ミステリー登場!(解説・酒井貞道) Zoran Drvenkar ゾラン・ドヴェンカー 1967年、クロアチアに生まれる。3歳でドイツのベルリンに移住。1989年に作家デビュー。詩集や児童書など多彩なジャンルを手がけながら、2009年に発表したミステリー『謝罪代行社』でドイツ推理作家協会賞(グラウザー賞)を受賞。日本でも本作は複雑な構成と叙述的仕掛けの面白さで大きな評判を得た。その他のミステリー作品に『Du bist zu schnell』『Du』がある。
「内向の世代」を代表する小説家・後藤明生の代表作にして「日本現代文学の傑作」とも評される小説『挾み撃ち』。しかし、「面白い!」と魅了される人々の一方で、「まったく理解できない!」と困惑する読者も少なくない。小説『挾み撃ち』の面白さの根源は何か?--。本書では、本作とともに、蓮實重彦、平岡篤頼、奥泉光&いとうせいこう、多岐祐介といった文芸評論の重鎮が、それぞれの視点で『挾み撃ち』を解説。解説だけで約80ページも! 多様な角度からの読解で、この「日本現代文学の傑作」の魅力に迫る。 ●挟み撃ち ●解説 【1】多岐祐介:方法の解説 【2】奥泉光・いとうせいこう:文芸漫談『挟み撃ち』を読む 【3】平岡篤頼:行き場のない土着 【4】蓮實重彦:『挟み撃ち』または模倣の創意
工学博士・五十嵐東三の大いなる夢は、東京・ニューヨーク間を五時間で飛ぶ超高速機の試作であった。 軍の援助で長野県上田市の温泉の裏山にある某貴族の別荘に、五十嵐博士を首班とする秘密設計班が立てこもった。 老博士の長男新一と助手の南博士の妹京子のふたりが山の見晴らし台で見た怪しい影…、煙突の中からはい出した怪人物はスパイか!? 老博士は何者かに刺され重体…、新一は行方不明…、底知れぬナゾは深まってゆく…! 他に昭和二十五年発表の「断崖」、二十九年発表の「凶器」の名作二編も同時収録! 推理界の大御所・江戸川乱歩が、終戦間近い昭和十八年より十九年にかけて連載執筆した異色作。 戦時下の世相をしのばせるファン必見の傑作編!
妖美幻想の世界を描く巨匠・江戸川乱歩の代表的名作! 名古屋市のある資産家の次男、青木愛之助は猟奇の徒であった。 招魂祭でにぎわう九段で、愛之助は大学以来の友人・品川四郎に瓜二つのスリに出会い、怪奇な事件の幕が上がる。 銀座裏の陰気なカフェーでポン引き紳士にさそわれ、愛之助は「秘密の家」に案内された。そして、そこで見たものとは? 品川そのままの幽霊男が出没するところ怪奇な事件は続き、物語はいよいよ佳境へ……。
ふとした事がきっかけで三百年前と現代を自由に行き来できる能力を身につけた俺は、これを利用して金儲けを実践、そこそこ財産を蓄える事に成功した。ある日、過去の世界で河原に集められ、泣いている五人の少女たちを見かけた。彼女らを率いている男に事情を尋ねると、全員これから「身売り」される女の子だと言うではないか。俺は思わず叫んだ。「この娘たち、俺がまとめて面倒見ますっ!」第2回『MAGNET!』小説コンテスト優秀賞。
1919年、英国領インド。赴任したばかりのウィンダム警部は、英国人高官が殺害された事件の捜査の指揮をとる。優秀なインド人警察官であるバネルジー部長刑事を相棒に、ウィンダムは現地の事情に分け入っていくが……。書評紙誌に絶賛された歴史ミステリ登場!
ローランドレ偵察隊のうち、クリフトン・キャラモンとレオ・デュルクのペアは、クモ生物のガルウォ種族とコンタクトしたさい、重要な情報を手に入れていた。“ヒールンクスのプラネタリウム”というキイワードだ。それがなんであれ、そこに行けばローランドレについてなにかわかるはず。そう考えたキャラモンとデュルクは、ガルウォの指揮官アルネマル・レンクスとその部下とともに、プラネタリウムをめざして出発した!
島原産の黒糖を燃料にしたキャンディロケットの打ち上げに成功した駆たちは、もっと遠く、宇宙のかなたまで届くロケットを打ち上げたいと思うようになる。そんな駆たちの思惑は島に波乱を呼びながらも、里親や日本宇宙機関職員など、頑なだった周りの大人たちの心を動かしていき…。はたして、島のみんなの想いを乗せたロケットは飛び立つのか?絆と情熱に満ちた青春宇宙小説、いよいよリフトオフ!
父を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波は、惑星〈三体〉の異星人に届き、地球を揺るがす大災厄を招くことに……! 中国で社会現象となったアジア最大級のSF小説、ついに登場!
郊外の名もなき町々についての作品を執筆中の「ぼく」。とある町に滞在し、誰も乗らないバスの運転手をはじめとする町の住人に取材をする。あるとき、街区に大きな穴が空き、町は消失し始める……。〈ガーディアン〉誌で「力強く、かつ不穏」と評された物語。
エキセントリックな少女小説家の母と、父親の違う三人の娘。性格がまったく異なる4人に共通しているのは、「母親のようになりたくない」。大人と少女の狭間で揺れる女たちの葛藤と躍動を「マリー・アントワネットの日記」シリーズの著者が描く現代版「若草物語」。 ◆吉川トリコ 1977年静岡県生まれ、名古屋在住。2004年、「ねむりひめ」で女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞を受賞。著書に、映画化された『グッ モーエビアン!』ほか、『しゃぼん』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『光の庭』「マリー・アントワネットの日記」シリーズなどがある。