2019年7月12日発売
ボッシュはロス市警時代の旧知の知人が本部長を務めるロス北郊のサンフェルナンドの市警察に誘われ、無給の嘱託刑事として勤務するようになっていた。一方で取り直した免許により、私立探偵として個人的な仕事を受けていた。ある日、85歳の大富豪ホイットニー・ヴァンスから呼び出され、人捜しを依頼される。
老い先短いことを悟った富豪には学生の頃知り合い妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人がいた。その子どもが生きていれば捜してほしいと頼まれたボッシュは調査を引き受ける。一方、同僚刑事と連続婦女暴行事件捜査を進めるなか、同一犯によると思しき暴行未遂事件が起こり、事態が急展開する。
ホイットフィールド船長夫妻の教育を受けて勉学に励んだ万次郎は、見事バートレット・アカデミーに合格した。船長の長期出航を機に、万次郎は樽造り職人の店に住み込みで働きながら通学することに。想像を超えるつらさをしのげたのは、バディーとの友情のおかげだった。著者が渾身の筆をふるう歴史大河小説。
佐東理は東大卒で空自パイロットとなるが凄腕の名人達を目の当たりにし退職。いずれ戦闘機から人間を引きずり下ろすため、人工知能AiCO搭載無敵の無人機を開発した。だが、テストパイロットとして指名した名人郷谷良平が再び立ちはだかる!緊迫する尖閣諸島上空、無人機と名人の凄絶な空中戦が始まる。
夏の盛りの溝猫長屋。祠にお参りするようになって幽霊を「見る」「聞く」「嗅ぐ」ようになった忠次たち。おてんばなお紺とは違って、丸亀屋のお千加は本物の箱入り娘。だが縁談話のあった相手の男が次々に死ぬという噂が立つ。丸亀屋の元の店に忍び込み、かくれんぼを始めた忠次たち。そこで「見た」ものとは…!?
15歳の少女に淫行をしたとして21歳の家庭教師が逮捕された。示談条件の接近禁止を拒否する大学生の起訴は免れない。困惑する新米弁護士の前に現れた、被害者であるはずの少女は、警察を批判し予想もできない行動にでる。法と対峙して生き抜く人間たちを、現役女性弁護士が感動的に猫く連作リーガル・ミステリ!
経済誌編集者・大原史郎。創業社長五十嵐岳人が亡くなり、夫人が会長に、息子の隼人が社長に就いた。一匹狼の大原は窓際に追いやられる。囲碁仲間のとりなしで、扱ってきた経済事件を掘り下げることを決意する。重電メーカー元会長失脚事件。病床の元会長から本音を引き出し真相に迫れるか!?
十年来の愛人しか今の薄井の楽しみはない。それなのに逢い引きに急ぐところ、会長が社長の怪しいセクハラ問題を耳打ちする。家には謎の占い師が居座り、女のマンションで機嫌をとっていれば、妹が電話で母の死を知らせてくる。「なぜみんな俺を辛い立場に立たせる?」欲深い59歳の男を徹底的に描く過激な定年小説!
「戦国七雄」がひしめく中国戦国時代。趙正(始皇帝)は質子として趙の都・邯鄲で生まれた。父・子楚が大商人・呂不韋の工作により秦王となるが急死したため、趙正が十三歳で即位する。呂不韋から権力を奪った趙正は韓を攻略。天下一統までの苦難と闘いに満ちた始皇帝の生涯をダイナミックに描く歴史巨編!
東京都内各地で同時多発的に発生した放火殺人。被害者は全員十六歳で、同じ高校の一年生だった。犯人の狙いは、東京の結界を守護しているという五色不動の破壊なのか。辻曲彩音が現場を訪ねると、見え隠れする江戸の大火と遊女の影。明暦の大火を経た復興都市「江戸」の深い闇と鎮魂の歴史を明らかにする。
職人が寄席看板の名手となるまでを、愛用する“筆”が語る「ぞっこん」。湯屋の仕事が好きでたまらない少女の明け暮れを描いた「晴れ湯」。並外れた大食漢ゆえに離縁された女が、大喰い大会で大活躍する「福袋」。ほか、傑作ぞろいの短編集。どれを読んでも、泣ける、笑える、人が好きになる!舟橋聖一文学賞受賞作。
何をするにも妻を優先する浪人の孫次郎。ある日、窮地に陥った武士を助けたことから剣術指南役として召し抱えられることになるが…。孫次郎の告白と夫婦の真実を、哀切深く綴った表題作「おもかげ抄」ほか、本当の優しさとは何か?その問いに向き合う「かあちゃん」など、さまざまな家族、愛の姿を描く七篇。
宮下夏子は三十九歳の女性弁護士。子供ができない夫婦の離婚調停に携わっているうちに「卵子凍結」のことを知り、心が大きく揺さぶられる。結婚も出産もそのうちにするものだとぼんやり思っていたら、年齢制限があるというのだ…。妊娠と出産をめぐる七つの物語。いろんな選択といろんな正解がきっと見つかる。
歌人、仏教研究家でもあり、晩年は小説で大いに注目を集めた女性作家・岡本かの子。だがその創作過程は尋常ではなかった。人気漫画家・岡本一平の妻でありながら、二人の美男子に惚れこみ同居させていた。奇矯なこの共同生活から豊潤な芸術が生み出された。天衣無縫にして稀有なその生涯を描いた、評伝小説の傑作!
自身のアリバイ作りのために、誰かに“記憶”してもらう必要があった鯨井は、オープンカフェにいた総白髪の若い女性に声をかける。だが、その女性は一晩で記憶がリセットされる忘却探偵・掟上今日子だった。鯨井の目的は果たされるのか!?今日子さんが3つの謎を解く「忘却探偵シリーズ」第3巻、ついに刊行!
横丁の女児が次々と攫われた。花街の女衒が監禁しているらしい。口入れ屋で居候する剣の達人・彦十郎は、住人たちから助けを求められ、仲間とともに戦いを挑むことに。だが敵が雇った牢人の平松は、刀身を垂直に立てる独自の剣法で、裂帛の気合を発して彦十郎に斬り込む!大人気剣豪ミステリ。