2019年7月発売
優れた探索力と圧巻の剣技で数々の難事件を解決に導く、北町奉行所与力・水川秋之進。最近つとに名を上げ、南町の風烈廻り与力・青柳剣一郎と並び称されるほど。剣一郎は後進が育つことを喜んでいた。そんな折、南町が自殺とした事件を水川が掘り起こし、殺しと断定。すると、剣一郎を貶める蜚語が飛び交い始め…。剣一郎は、脚光を浴びる英雄の怪しい動きを追う!長編時代小説、書下ろし。
義賊となるー薬料も満足に払えず、若くして逝った配下を看取り、明屋敷番伊賀者望月十郎太は心を決めた。困窮する伊賀者の生計を助けるため罪を重ねるも、次第に大胆になりゆく己を止められず、仲間をも手にかけてしまう。臨時廻り同心鷲津軍兵衛は、長い針状の得物“伊賀の縫い針”で屠られた亡骸を目にし、背景を探るが、黒装束に身を包む忍びの襲撃を受ける!
表向きは評判の髪結い。その裏稼業は、巧みな化粧で人を他人そっくりに仕立て上げ、機知と騙りで悪を退治する「替え玉屋」-お武家嫌いの町人慎三は、ある小藩の窮状を聞き、渋々腰を上げる。筆頭家老一派による米横流しの絡繰りを暴いて糾弾すべく、死んだはずの男の替え玉を国許に向かわせ…。慎三の仕掛ける二重三重の罠が悪を追いつめる、痛快時代小説!書下ろし。
生活のために必死で働く23歳のアビーは愛も恋も知らない。空想でつくりあげた“完璧な婚約者”との恋愛話を憧れのまま周りに話していると、思いがけず慈善舞踏会へ招かれることに。婚約者の同伴は必須…困ったわ、どうすればいいの?ふとアビーの脳裏に、親友の兄で富豪のルークの姿が浮かんだ。慈善の目的だと彼に頼みこみ、練習のためキスを試してみると、アビーの体に熱い震えが走った。いったいこれはなに?陶然とする彼女をよそにルークは涼しい顔で念を押した。「今夜一夜かぎり、2時間が過ぎたら終わりだぞ、シンデレラ」
“愛は毒だ”とはねつけられても、 わたしは彼の愛がほしい。 ダンテがはるばるロンドンからわたしに会いに来たというの? アリシャは胸にざわめきが広がるのを感じた。 今や富豪となった彼は幼いころ、彼女の父のお気に入りだった。 父は実の娘よりダンテをかわいがり、亡きあとは会社を託した。 彼への嫉妬と恋心を封印して、遠い地へ逃れてきたのに……。 「破綻寸前の君の慈善事業を守りたければ、僕と結婚するんだ」 ダンテの真の狙いは、彼女が持つ亡父の遺産の株だと知りつつ、 アリシャの心は揺れた。母の遺志である事業を潰したくはない。 でも、愛されない花嫁になるのはあまりに哀しすぎる……。 人気急上昇中の作家タラ・パミーが描く、愛を信じない富豪ヒーローと孤独なヒロインとのせつない結婚の物語をお贈りします。亡父の会社を継いだヒーローとの結婚はただの取り引き──どんなにそう自分に言い聞かせても、ヒロインの心は晴れることなく……。
仕事中毒の富豪の2週間の休暇先は、 貧乏を苦とも思わぬ、心優しき乙女の家。 巨大複合企業CEOアルトゥーロは、ローズを見て面食らった。 古びた服を着た、この地味な女性が弁護士? 身分を隠してここを訪ねたのは、手こずる再開発事業に 業を煮やしたからだがーー。彼は内心ほくそえんだ。面白い。 デート相手には不向きでも、ぼくに落とせない女などいない。 ローズは、冷酷な開発業者へのデモに参加したいと現れた アルトと名乗る男性に目を奪われた。端整な顔に、見事な体格。 優雅な様子は活動家らしくないけれど、ローズは快く受け入れ、 部屋数だけはあるぼろぼろの家に、アルトを泊めることにした。 実は富豪の彼から誘惑の魔手が伸びるとは、つゆほども疑わず。 まさか彼こそが当の非情な開発会社のCEOと知らぬまま、ひとつ屋根の下で過ごすことになったローズ。しかも彼は、女性なら誰もが夢中になるような魅惑のプレイボーイ億万長者で……。
迷子の天使がくれた、初めての恋。 孤独だった彼女は喜びと涙を知った。 手元の食料はしわしわのじゃがいもだけ。赤ん坊のミルクもあと少し。 クレアは妹の遺児を引き取って育てていたが、限界が近づいていた。 仕事も辞めている今、もう赤ん坊の父親にすがるしかない。 しかし、最後の頼みの綱だった富豪パトリックは、妹との関係を否定した。 クレアはタクシー代を渡され、けんもほろろに追い払われてしまう。 万策尽きて途方にくれていると、今度はパトリックが彼女を訪ねてきた。 「赤ん坊は亡き兄の子だと思うから、いっしょに育てたい」と言って。 ほほえむ彼を、クレアは出会った中でいちばんすてきな男性だと思った。 でも子どもを育てるなら、パトリックに恋をして関係を複雑にはできない。 裕福な彼は貧しいわたしを哀れんでいるだけ。誤解してはだめよ……。 穏やかでやさしい時間が流れる、C・アンダーソンの物語の世界へ読者のみなさまをご案内します。ぜひ今作では、ヒーローとヒロインが飼っている犬にもご注目ください。自分に素直な動物は、実は飼い主が胸に秘めた恋心をかわりに伝えているのかもしれません。
まるで道端に捨てられた青い果実。 そんな私が、拾ってもらえるの……? 伯爵領の使用人の娘ホリーは、女として未熟だと恋人に捨てられた。 心沈む彼女のもとに、ある日、亡き伯爵からの遺言状が届く。 〈ふたりのうち先に結婚し、婚姻関係を1年続けたほうに地所を譲る〉 うまくいけば、父が大切に守ってきた土地を、父に贈ることができる。 問題は、もうひとりの相続人候補、大富豪のステファンーー8年前、 国を追われて英国へ渡り、世界的な不動産王になった人物だ。 いざ対面したとき、ホリーはステファンの凛々しさに息をのんだ。 ほだされちゃだめ、男手一つで育ててくれた父に恩返しするのだから。 一方、母国復帰の思惑を胸に秘めたステファンは、 思いがけない台詞で彼女を翻弄した! 「僕と結婚してくれ」 幼くして母親に見捨てられ、不実な恋人からも理不尽に捨てられたホリー。そんな彼女を拾うかのごとく求婚したのは、なんと真剣な恋や純真な愛を拒む大富豪で……。切ないシンデレラ・ストーリー。『さよならを言わせて』『妃になれないシンデレラ』の関連作です。
わたしにとっては初めての宝物でも、 彼にとっては、すぐに消える戯れのキス。 裕福なジェナー家の家政婦の娘ソフィアは、御曹司エリックを慕っていた。 彼が全寮制の名門高校へ入るためにニューヨークへ旅立ったとき、 ソフィアはまだ13歳で、心にぽっかり穴があいたようだった。 それ以来会うこともなく15年が過ぎた今、ソフィアは職を求めて、 不動産帝国の王者となったエリックのもとへ足を運んだ。 1年前に病を得て、前の仕事を続けられなくなってしまったが、 女手一つで1歳の双子を育てるには、どうしても働く必要があるのだ。 面接の結果、みごと雇われることになって喜んだソフィアの脳裏に、 かつてエリックにされた初めてのキスが甦り、彼女は自らを戒めたーー 忘れなさい。あれは彼が覚えてさえいない、ほんの戯れだったのだから。 ロマンス界の頂点とも言うべきRITA賞に輝いた経歴を持つサラ・M・アンダーソンによる、情熱と瑞々しさを併せ持ったシンデレラ・ストーリーをお贈りします。少女時代の恋心が疼くソフィアですが、エリックは“社員は決して口説かない”と心に決めていて……。
情熱と戸惑いの口づけは、 もどかしい愛の萌芽……。 サブリナが働く巨大企業の新社長フリンは、彼女とは旧知の仲。 彼が結婚してしまってからは疎遠になっていたが、 昔は一緒に街を歩いたり、身の回りの世話を焼いたりしたものだった。 それが恋心だと、サブリナは自分でも気づいていなかったけれど。 今、トップに君臨する重圧で、かつては屈託がなかったフリンが 非情な仕事人間に変わっていくのを、彼女は見ていられなかった。 そんな折、重役の提案でフリンが休暇をとることになり、 彼が仕事をしないよう、サブリナが見張り役を命じられる。 迎えた休暇初日、青天の霹靂ともいうべき事態が起こるーー ふだん黒縁眼鏡に隠れている彼女の美しさに気づいたフリンが、 初めて見る熱っぽい表情で、唇に迫ってきて……。 フリンが悪妻との離婚を経て、学生時代に親友と交わした“独身の誓い”を最近復活させたばかりだと知るサブリナ。たとえ彼と過ごす時間がめくるめくものになろうと、それは休暇が明ければ消えるうたかたの恋……。ニューヨーク編集部絶賛の新進作家が魅せます。
名家で働く使用人の娘レベッカは、御曹司ジェイにかわいがられて育った。 16歳の夏、ジェイへの憧れは愛となってついに身も心も捧げたが、 小さな命を宿したとわかったとき、親たちの反応は厳しかった。 ジェイの父は、息子は認知しないと言っていると主張し、こう告げた。 「金をやるから、今すぐここから出ていって、処分しろ! ぐずぐずしていたら、おまえの母親を首にしてやる」 レベッカは信じられない言葉の数々に傷つき、打ちのめされ、 母を残したまま、身重の体で故郷をあとにしたのだった……。 あのとき授かった子を、独りで育てるレベッカのもとに、 10年後、悲痛な知らせが届く。“母危篤、連絡乞う。ジェイ” 大スター作家リン・グレアムと同じ時期にロマンス小説家となり、ともにトップを走ってきたミシェル・リードの、日本デビュー作をリバイバル。十代の頃のつらい仕打ちを、忘れたくても忘れられぬまま時を重ね、いま再び……。珠玉のシークレットベビー物語!
冷たい親に育てられた18歳のヘイリーにとって、恋人マックが心の支え。だがドライブ中に不幸な事故が起き、マックだけが重傷を負ってしまう。彼の家族から面会すら拒絶され、失意のヘイリーは彼に別れを告げることなく故郷を去った。それから10年後ー(『初恋を取り戻して』)。18歳のシルヴィは、外国から帰国中の伯爵クリスチャンと出会って恋に落ち、身も心も捧げた。遠方へ戻っていった彼からの連絡を待ったが、手紙1通届かない。気づけば、お腹の中で彼の子が育っていた…。月日は流れ、いま再び、目の前にクリスチャンが現れる(『伯爵との消えない初恋』)。女手一つで育ててくれた母を病で亡くしたセイディ。数カ月前に引っ越してきた彼女は、隣に住む魅力的な独身貴族のバックに想いを寄せているが、彼にパーティへ誘われても、内気なためにいつも断っていた。だがあるとき、とうとうバックと二人きりになり…(『セクシーな隣人』)。天涯孤独のベアトリスは手紙で弁護士事務所に呼びだされた。そこにいたのは、さる国の次期君主タリク。弟と別れてほしいと多額の手切れ金を提示され、寝耳に水の話に驚く。人違いよ、彼の弟なんて知らないもの。ベアトリスは小切手を拒んだが…(『シークと乙女』)。
早くに両親を亡くし、叔母に引き取られた看護師見習いのアラベラは、叔母の娘で看護師のヒラリーと一緒に育った。美人でわがままな従姉とはちがい、平凡な顔立ちで控えめなアラベラ。そんな彼女がある日、気の進まないヒラリーに代わって、小児患者につき添い、オランダへの旅行に出た。だが楽しい旅は一転、運転手が心臓発作を起こし、バスが横転してしまう。幸い彼女にけがはなく、助けに来たハンサムなオランダ人医師ギデオンが怖がる子供たちをなだめる様子に心動かされ、胸がときめいた。その瞬間、ずっと比べられてきた美しい従姉の顔が脳裏をよぎったー私なんて恋をするだけ無駄よ。たとえ彼に運命を感じているとしても。実らぬ恋とわかっているのに、募る想い。しかも運悪く、ロンドンまで送ってくれた彼が美人の従姉とでくわしてしまい…。野の花のように可憐なヒロインと、年上のドクターとのピュアな恋。
厳格な学校から、半年ぶりに帰郷したキャスリンは、年の離れた義兄ブレイクの姿が見当たらないことにほっとした。早くに両親を失い養女となった彼女を、ずっと見守ってくれた義兄。でも、最近のブレイクはかたくなに男女交際を禁じ、キャスリンの行動を制限しようとするのだ。わたしはもう二十歳なのに。だがパーティの日、ちょうど出張から戻ったブレイクに、ドレスがセクシーすぎると厳しく叱責されてしまう。思わず反発したキャスリンはそのとき想像すらしなかったーわずか数時間後、ブレイクに荒々しく唇を重ねられ、衝撃と興奮に身をこわばらせることになろうとは。極上義兄妹ロマンス!愛情深い兄だったはずの男性との間に、突如燃え上がる情熱の炎。一途で無垢な愛。
ロンドン郊外の不動産会社で働くリジーには、親友にさえ打ち明けられない秘密がある。4年前、片想いしていた不動産王フィリップ・カプリスと、一夜をともにした結果、リジーの人生は180度変わった。彼はリジーのもとから去り、二度と姿を見せなかったが、実はその夜授かった子を、ずっと大切に育てているのだ。けれどその日突然、フィリップは彼女の会社に現れた。「君ともう一度ベッドをともにしたい」いったいどういうこと?なぜ今になって現れたの?まさか…息子の存在を知って、私から奪うつもりなの?スター作家が描く、秘密の命の物語。ヒーローは幼子を見た瞬間、我が子と確信。けれど、ヒロインに想いを寄せられていたとはつゆ知らず、彼女を誰とでも寝る軽薄な女と思い込んでしまい…。
新しい相棒は、大きらいなプレイボーイ? 相性最悪の彼には 思いがけない素顔があって……。人気作家の最新作! 大富豪である雇い主の指示で、オハイオの小さな町にやってきたマリー。よう やく目的地にたどり着いた瞬間、彼女はわが目を疑った。真夏の太陽の下にた くましい上半身をさらし、においたつような危険なフェロモンを発散している 男性ーー彼が、これから24時間をともに過ごす仕事相手なの? お堅い見かけ で女性らしさをひた隠し、慎み深く生きてきたマリーにとって、心をざわつか せる不埒な男は脅威でしかない。あくまで淡々と接するマリーだったが、彼は その本心を見抜いているかのように、挑発的なふるまいで翻弄してきて……。
あんな嘘をついた報いだー伯爵令嬢カミラは馬車の中でため息をついた。病に伏せる祖父を安心させるため、婚約者がいるなどとつい口にしてしまったのは先日のこと。そのせいでこうして祖父の屋敷へ“いもしない婚約者”を紹介しに行くはめになり、あげく考え事に耽っていたせいで道に迷ってしまった。途方に暮れたカミラは通りすがりの見知らぬ男に道を尋ねた。男の名はベネディクト。端整な顔つきながら大柄で無骨で傲慢そのものの男だが、ひょんなことからカミラはベネディクトに、偽りの婚約者を演じてもらうことになり…。
テキサスに暮らすケイトは、隣に住む牧場主ジェイソンに憧れていた。ジェイソンはケイトより10歳も年上で、気性の荒さから誰もに恐れられる男。そのうえ根っからの女嫌いだが、なぜかケイトにだけは兄のように親しく接してくれるのだった。そんなある嵐の日、二人はふとしたきっかけでキスを交わしてしまう。もしかしたら彼も、妹以上に見てくれているのだろうか…ほのかな期待に夢見心地のケイトだったが、やがて突きつけられたジェイソンの冷たい言葉に打ちのめされたー君と真剣な関係を結ぶつもりはない、この先ずっと。
レイチェルは18歳のとき、父の借金の形として、 マルコムという親子ほど年の離れた腹黒い男に泣く泣く嫁いだ。 牢獄のような暮らしが始まって3年がたったある日のこと、 マルティネス侯爵と名乗る魅力的な男性が突然訪ねてくる。 彼の母と旧知の仲であるマルコムに侯爵邸で静養してもらうため、 わざわざポルトガルから迎えにやってきたという。 だが、レイチェルが妻だと知った侯爵は、なぜか顔色を変えた。 どうしてそんな軽蔑のまなざしで私を見るの? 底知れぬ不安を抱え、彼女は病弱の夫につき添って旅立った。