2019年8月29日発売
夜の住宅街で大学生が撲殺された。目撃証言と凶器に残った指紋、傷害事件の前歴から、すぐに割り出された容疑者・倉田。だが、捜査に乗り出した船橋署の刑事らは、殺人とは縁遠い倉田の愚直で禁欲的な素顔に違和感を抱く。さらに、背後には海水浴場で起きた不審死と連続婦女暴行という、日時も場所も異なる2つの事件が複雑に絡み合っていることが判明する。そんな中、捜査本部に圧力がかかり…。
『三匹の子豚』の朝ドラ化により、再び脚光を浴びることになった脚本家の斉川亜樹。母親がうわごとのように「誰か、あたしの人生を“朝ドラ”にしてくれないかしら」と言っていたことを思い出し、それは母親、ひいては祖母からつながる呪縛だった、と思い至る。そんなある日、彼女のもとに役所から郵便が届く。亜樹の叔母だという赤松三代子の扶養義務についてだった。そんな人物は聞いたこともない…。人生の絶頂にいると思っていた亜樹の目の前に、不吉な黒い点が広がっていく。
アニメーションにしかできない表現を求めてーアニメーターへの憧れを胸に上京し、アニメーション制作の現場へ飛び込んだ奥原なつ。生き別れた家族との再会や人間味あふれる新宿の人々との出会いを経て、個性豊かなアニメ仲間たちと切磋琢磨しながら女性アニメーターとして成長していくー。夢と冒険、愛と感動のドラマ、ここに堂々完結!
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたいー。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
『吸血鬼ドラキュラ』に代表される西洋怪奇小説の紹介と翻訳、洒脱な語り口のエッセーに至るまで、その多才を以て本邦における怪奇翻訳の礎を築いた巨匠・平井呈一。名訳として知られるラヴクラフト「アウトサイダー」ほか、ポリドリ「吸血鬼」、ベリスフォード「のど斬り農場」等この分野のマスターピースたる13篇に、対談やエッセー・書評を付して贈る、怪奇小説読者必携の一冊。
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた!しかも人びとはみな記憶を失い、なぜこうなったのかも、自分自身が何者なのかもわからない。唯一の手がかりである謎の地図を頼りに、フォーラーは世界の縁から飛び出し、見わたすかぎりの青空の中を落下してゆく。この下にもあるはずの別の島々を、そして世界激変の謎を解く鍵を目指して…ヒューゴー賞作家の傑作冒険SF!
フォーラーが落ちていった先にはたしかに別の島々があった。だがそこでの思いがけない人々との出会いで、世界の謎はさらに深まってゆく。一方ピーターの世界は、戦争と生物兵器による疫病で壊滅の淵にあった。それらすべてを解決するピーターの夢の新技術はしかし、途方もない事態を招く…。世界激変、自らの過去、フォーラーたちはすべての答を求め、空中世界を落ちてゆく!