2019年9月20日発売
アリスターと幼馴染の少女マガリは楽な生活を送る野望を持ちつつ、寒村で足を引っ張り合いながら日々を過ごしていた。「何とか上手く始末できないか…」互いに悩んでいた二人であったが、突然の王都からの来客により状況は一変する。マガリが聖女に選ばれたのだ!?その上、聖女に相応しくなければ即座に処刑されてしまうらしい。なんとか逃げ出す彼女をとっ捕まえて王都へ売り払う事には成功したのだが、何故か今度は自身がモンスターに襲われてしまう。しかも、逃げ込んだ森で出会った一振りの光り輝く剣により彼の運命も大きく揺れ動かされる。人生最大の不幸の訪れとも知らず…。真の聖剣物語が開幕!書下ろしストーリーも収録!!
子供9人大人3人を乗せた船が、スコットランドのヒルタ島から、無人島へと出帆した。孤島で海鳥を獲る旅が、少年たちにとっては大人への通過儀礼なのだ。だが約束の3週間が経っても、迎えの船は姿を現さない。この島から出られないのではないかと不安が募り、皆の心を蝕み始める。そんななか年長の少年クイリアムは、希望を捨てることなく仲間を励まし、生きのびるために闘う。そして…。実際の事件をもとに描いた勇気と成長の物語。カーネギー賞を受賞した、感動の冒険物語。
神田神保町ー江戸時代より旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年が経ち復興を遂げつつあった。活気をとり戻した街の一隅で、ある日ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰されており、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが、間もなく事故現場では不可解な点が見付かる。行方を眩ました被害者の妻、注文帳に残された謎の名前ーさらには彼の周囲でも奇怪な事件が起こるなか、古書店主の死をめぐる探偵行は、やがて戦後日本の闇に潜む陰謀を炙りだしていく。直木賞作家の真骨頂と言うべき長編ミステリ。
ガーナ出身でベルリンに住むコージョは不法残留者だ。ねぐらにしている空きビルの窓から、向かいのアパートで男が売春婦を殺す瞬間を目撃してしまった。強制送還を恐れているため通報はできない。おまけにふとした行動が原因で、容疑者として警察から追われることに。町を疾走し、逃げ続けながら友人たちと真犯人を捜す彼を、さらなる危機が襲う。緊迫感に満ちた追跡サスペンス!
医療はあの高い塀を越えて、鉄扉を通り抜けなければいけないんだ。はからずも医療刑務所へ期間限定の配属となった精神科医の工藤。矯正医官となった彼が見たのは、罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿。自身の過去から受刑者たちに複雑な感情を抱く工藤。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との鉄格子を挟んだ邂逅だった…。
フリーライターの麻美は、いわくつきのボロアパートに住み、昼はバイト、夜は執筆作業で忙しい日々を送っている。お腹が減る夜の仕事中、外せないのはお手軽お夜食。今宵もサクッと小腹を満たして仕事に打ち込んでいたのだが…。そんな麻美のもとに、いきなり自称『神様のたまご』とやらが部屋に現れて、彼女の夜食をつまみぐい!麻美と神様たち、ときどきお隣さんの、簡単ちょこっとお夜食ライフ!
都内の市役所で窓口業務をしている笛木翠は、中学生のころから趣味で小説を書き続けている。平日の昼間は公務員として働き、夜と休日は小説書きに没頭している。いつものように夜中に執筆をしていると、原稿から登場人物が現れて、翠の書いている小説に文句を言い始めるー。