2019年発売
北町奉行所臨時廻り同心・白縫半兵衛は、吟味方与力の大久保忠左衛門から、旧友・村上左兵衛を探るよう頼まれる。左兵衛の倅の懸念どおり、六十二歳の左兵衛が年甲斐もなく女子に懸想していたら、やめさせねばならぬと。半兵衛らが後を追うと、左兵衛は茶之湯の師匠をしている後家と連れ立って遠方の薬種問屋に行き、毒薬(石見銀山)について訊いた。二人は何をしようとしているのかー。酸いも甘いも噛み分けた半兵衛の人情裁きが冴える、人気書き下ろしシリーズ第七弾!
お君を狙う旗本の嫡男の企てを阻むなかで北辰一刀流玄武館の千葉周作と栄次郎父子と知己を得た生馬。玄武館では客分として遇され、間野道場の道場主でありながら北辰一刀流を学ぶことが許されるなど、剣士として充実の日々を過ごしていた。一方、無事普請が終わり、道場から長屋に住まいを移した面々に、思わぬ危難が降りかかるー。心優しき巨躯の剣士「迷い熊」が悪を討つ!痛快人情活劇シリーズ、絶好調第三弾!!
春を彩る初午、吉原の稲荷も商売繁昌を願う遊女や客で大賑わい。なかでも紅白梅の打掛で現れた篝火花魁の艶姿は見物人を蕩けさせる。だがその正体は、廓に匿われし尾張の御落胤、徳川竜之進!隠し隧道から市中に抜けた竜之進は謎の医者駕籠、さらには美女の神隠しの噂に胸騒ぎを覚える。そんなさなか、喧嘩友達である読売屋の楓が怪しい男に襲われる。忍び寄る敵は何者なのかー。“見返り柳剣”が浮き世の悪をしなやかに斬る!!大好評シリーズ第三弾。
公方様の御犬「仁王丸」も年頃になり、嫁とり話が持ち上がった。花嫁はやはり雌のマスチフで、名は「弁天」。体重13貫(約50kg)の堂々たる女丈夫である。が、初日に仁王丸が鼻息荒く強引に迫ったせいですっかり嫌われてしまう。わざわざ田沼老中まで動かし長崎から連れてきただけに、「気が合わなかった」ではすまされない。官兵衛は二匹の恋を実らせようと、御犬番の誇りを懸けて奮闘する。一方、小笠原家の三女・武の大奥奉公への面接試験「お吟味」も佳境を迎えていたー。笑いあり涙ありの御犬時代小説、感涙の完結編。
東京生まれの名古屋大医学生、鏡味龍が名古屋に暮らして一年半が経った。ある日学食で龍は、ウェブ編集者の平野里央から、「こんなに美味しそうにきしめんを食べるひと、見たことがない」と、「名古屋めし再発見」という連載のモデルに勧誘される。ひつまぶし、おこしもん、生せんべい、インディアンスパゲッティ……名古屋めしと名古屋の魅力が満載の大人気作、待望の第二弾!
居酒屋「ぜんや」の女将・お妙は、亡き夫・善助の過去について新たな疑念にとらわれ、眠れない夜が続いていた。そんななか、店の常連客である菱屋のご隠居の炉開きで、懐石料理を頼まれる。幼い頃に茶の湯を習っていたお妙は、苦い思い出を蘇らせながらも、客をおもてなししたいというご隠居の想いを汲んで料理に腕をふるう。湯葉の擂りながし、かますの昆布締め、牡蠣の松前焼き……つらい時こそ、美味しいものを食べて笑って。「ぜんや」がつなぐ優しい絆に心あたたまる、傑作人情小説第六巻。
三剣豪を打ち破るべく、一年余りの廻国修行で強さを増して江戸に戻った若侍・慎十郎。ある日、慎十郎に絶大なる信頼を寄せる老中・脇坂安董から呼び出され、家斉公逝去の報とともに思わぬ密命を言い渡された。水野越前守を亡き者にせよというのだ。安董のために命を賭けても事に臨みたい慎十郎だったが…。金にも権力にも無欲の男が、世のため人のために正義の鉄槌を下す!大人気シリーズ、感涙必至の堂々完結。
栄華絶頂の蘇我氏が討たれた乙巳の変から数年。緑あふれる野中の里で国史編纂に力を注ぐ父のもと、ヤマドリとコダマの兄妹はすくすくと育っていた。盲目の妹コダマは一度聞いたことはけっして忘れない聡耳の持ち主で、物語を愛する美しい少女へと成長する。だが日本の黎明に揺れる政争が、彼女を数奇な運命へと導いて──。時を越えて愛される日本神話の数々と、激動の世を生きたひとりの女性を鮮やかに描く長篇小説。続々重版した話題作が、待望の文庫化。(解説・三浦佑之)
大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
第二次世界大戦時、日伊共同の任にあたっていたイタリア海軍の特務艦が神戸沖にいた。乗組員の料理を担当していた兵士、ジルベルト・アリオッタはイタリア政府の突然の降伏で祖国に帰る道を断たれる。戦後間もない宝塚で日本人と結婚し、イタリア料理店を始めるジルベルトと家族たち。見慣れぬ料理は宝塚の人々を魅了していく。戦争に翻弄されながら、激動の昭和を生き抜いてきた親子三代の軌跡。彼らと交錯する、様々な人生。史実をモチーフに異郷に生きる人々の絆を描く感動のストーリー。(解説・野村雅夫)
騎士ラミ・シーカヴィルタと神子エイネ・カタイスト。幼馴染みの二人は、滅びゆく世界を救うための旅に出た。 歴代の神子にのみ完遂することが出来ると言われる救星のための試練ーー「十の天命」。数百年かけて未だ六つしか達成されていないそれを、残り全て二人で成し遂げると息巻いて。 しかし、神子の旅は、「命を犠牲にして天命を一つ達成する」という二人にとって最悪の結末だと遥か昔から決まっている。 それでも、二人は、二人ならば運命にあらがえると信じていた。 ーーこれは、最愛の少女を喪い、彼女の命と引き替えに生きながらえてしまった少年の、愛と希望の物語。
救世の騎士、ラミ・シーカヴィルタ。最愛の女性を目の前で喪い、彼女の命と引き替えに生き延びて「しまった」男。 かつて共に世界を救った少女・エイネと同じ「神子」の資格を持つキトリー・シリーと出会った彼は、神子でありながらその力を発揮出来ないキトリーの師匠として、再び彼女と旅に出る。 常に明るく、世界を救うことを信じて疑わないキトリーを、時に優しく、時に厳しく、先輩として導くラミ。 しかし、ラミは知っている。真に世界を救うにはーーキトリーの為す「救星」をこの手で阻止せねばならないことを。 これは、一人の死に損ないが、真に英雄となるための物語。
普請場、人足寄場と江戸の底辺を渡り歩く無宿人・仁平。町医者が遥かに及ばぬ医術とめっぽう強い喧嘩技を持つ仁平は、誰にも言えぬ過去を持つ。大店の預かり医師として始めた無料医療所も相次ぐ嫌がらせを受ける。同心・牧兵衛と共に江戸の難事件に立ち向かう、謎の医師・仁平。これぞ医師もの時代小説の決定版!
俺はね、夢を見たことがないんです。新選組一番隊組長・沖田総司。江戸の一道場の塾頭だった若者は、時代の急流の中で京に上り、幕末随一の剣士となっていく。仲間と語らい、笑い、涙し、人を斬る。なぜ俺は人斬りなのか。自らに問いながら、沖田は最強の男ー鬼の正体を探す。著者渾身の、沖田一代記。
存続ぎりぎり、財政難の市民病院に、巨大ブリザードが吹き荒れる。新任非常勤”外科部長・今中良夫は、この病院を生き抜けるのか!?このままでは財政が破綻すると言われている極北市民病院に、極北大から派遣されてきた今中良夫。慣れない病院でローカル・ルールに翻弄される日々の中、存続ぎりぎりの病院に「医療事故疑惑」という痛烈な一撃が。地方医療の過酷さ、医師たちの格闘を描く傑作! 存続ぎりぎり、財政難の市民病院に、巨大ブリザードが吹き荒れる。 新任“非常勤”外科部長・今中良夫は、この病院を生き抜けるのか? このままでは財政が破綻すると囁かれている極北市の市民病院に、極北大から派遣されてきた医師、今中良夫。 慣れない病院で数々のローカル・ルールに翻弄される日々が始まった。 しかし、存続ぎりぎりの病院に、「医療事故疑惑」という痛烈な一撃が……。 過酷な地方医療の現場と医師たちの格闘を描いた傑作長編!
自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。足元には植木鉢の森、周囲には目撃者の窓、頭上には朽ち果てた電飾看板。そしてどんなトリックもない。死んだ盆栽作家と悲劇の大女優の祟りか?霊界への入口に名探偵・御手洗潔は向かう。人智を超えた謎には「読者への挑戦状」が仕掛けられている!
二万人の犠牲者を出した明治三陸地震。魚問屋の社長と女郎屋の女将の子、菅原甚兵衛は、正妻の子である兄とそりが合わず、鬱屈を粗暴な振る舞いで晴らしていた。事故で船を失ったことを機に、遥か北洋のラッコ・オットセイ猟に大勝負を賭けた!東北の明治男の覚悟と勇気。「仙河海サーガ」、最初の物語。
一人旅の途中ですみれが消息を絶ったあの震災から三年。今もなお親友の不在を受け入れられない真奈は、すみれのかつての恋人、遠野敦が切り出す「形見分けをしたい」という申し出に反感を覚える。親友を亡き人として扱う彼を許せず、どれだけ時が経っても自分だけは彼女と繋がっていたいと悼み続けるがー。
解は示された。大人気シリーズ、ついに終幕!天才数学者が館に隠した時と距離を超える最後の謎。すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了! 解は示された。大人気シリーズ、ついに終幕! 天才数学者が館に隠した時と距離を超える最後の謎。 すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。 大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了!