2019年発売
戦国の世、尾張の国に生まれた堀尾吉晴は、秀吉と出会い、頭角を現し、幾多の戦いに参加。信長からも「わが者ぞ」と呼ばれる存在となる。秀吉の軍師・竹中半兵衛、尼子家再興を目指す山中鹿之介らとの出会いを通して「治国平天下」を志す武人となった吉晴は、鳥取城、備中高松城などの戦いで、優れた交渉人としての活躍も見せる。歴史に埋もれた名将を描いた超大作!
信長の死後、覇権は秀吉が握ることとなった。秀吉麾下の堀尾吉晴は、ともに戦ってきた部将や、肉親の死に直面しながらも激動の時代を生きぬく。家康の天下を迎え、出雲・隠岐二十四万石に移封された吉晴は、宍道湖のほとりに松江城を築く。それは長く続いた戦国の世の終焉を意味するものだった…。今こそその人生に学びたい屈指の英傑の物語、ここに完結!
将軍家毒味役の矢背蔵人介は、姿を消した養母志乃の行方を案じていた。ある日、長州萩藩毛利家の重臣が襲われたところを蔵人介が救う。刺客は同じ毛利家の下士で、矢背家をつけ狙う刺客「痩せ男」と同じ技を遣った。再び「痩せ男」の影を追う蔵人介だが──。ついにその正体が明らかになる。そして気になる消えた志乃の行方は……。超人気シリーズ、驚愕の二十六弾。
南青山の雑居ビルに屋号を掲げる「S&S IT探偵事務所」を切り盛りするのは、出原しのぶと“スモモ”こと東條桃花。訳あって防衛省と警視庁を追い出されたふたりは手段を選ばない敏腕ハッカー。そんな彼女たちのもとに集まるのは、一癖も二癖もある曲者と厄介な事件ばかり。今日もまた、防衛省の元同僚が昨今話題のマルウェアの新種“キボウ”の調査依頼にやってきたかと思うと、行きつけの純喫茶「バルミ」のマスター、デラさんのもとには警察が。謎が多いデラさんだったが、実は七年前に愛娘を誘拐された過去があったのだ。サイバー空間を荒らす奴らと、再び動き出した誘拐犯の正体を突き止めるため、ふたりは調査に乗り出す!
人間よりも生類を憐れむ世にあって、藩主が江戸城内で刃傷沙汰を起こした赤穂・浅野家には改易の時が迫っていた。その裁きに注目した現将軍・徳川綱吉の次を狙う甲府宰相・綱豊は、懐刀の新井白石を、浅野家筆頭家老・大石内蔵助に接触させる。綱豊らは、士民を困窮から救う仁の心を持つ武士を求めていたのだ。内蔵助に会い、その人品に惹かれた白石は、紀伊国屋文左衛門らを巻き込み、浅野家再興に尽力する。だが、綱吉とその側近・柳沢吉保に阻まれ、大石たちの運命は討ち入りへと転がり始めるが…。時代劇を知り尽くした著者が、「忠臣蔵」に新たな息吹を与える瞠目の野心作!
IT企業の激務で疲れはてたロイスを救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープ。親しくなった店主がアメリカを去るとき餞別にもらった不思議なパン種(夜中に歌いだしたり、完成したパンに笑顔が浮かんだりする)でパンを焼きはじめた彼女は、思いもよらぬ体験を次々することに!? 不思議なパン種を巡る奇妙な一族の物語、ロボットアームを駆使したパン作り、謎の地下ファーマーズ・マーケット……。『ペナンブラ氏の24時間書店』の著者がサンフランシスコを舞台に描く、奇想天外で爽やかなフード・エンタテインメント!
帝国オロンドリアを二分した、書物と言葉を巡る大乱。その只中を生きた四人の女性たちー戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、反乱軍に囚われた女司祭、政略結婚の駒として翻弄された王家の娘は、正史からは葬られた物語を自らの声で語り始める。響き合う物語からやがて立ち上がるのは、彼女たちにとっての“歴史”-デビュー作にして世界幻想文学大賞など四冠の長編『図書館島』の世界に連なる、壮大にして精緻なる傑作ファンタジイ。
心臓移植を受けている学者は、手術中にどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは。--すべての結末に描かれる鮮烈な「絵」が、わたしたちの心を奪っていく。ブッカー賞候補作家が放つ、驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。絡繰篇は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、五節句の紋を誂えた着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど、17編を収めた。
ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。手妻篇は、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、単行本刊行後に発見され初書籍化となる「酔象秘曲」、マジシャン同士の心の機微を描く「ジャンピング ダイヤ」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションの一室で交霊会を行い、真実を暴く戯曲「交霊会の夜」など13編を収録。
10年の時を経て、再び親友となった太秦萌、小野ミサ、松賀咲の女子高生3人組。かつて3人が住んでいた太秦荘も、再び下宿屋としてスタートすることになった。下宿人第一号となったのが、漫画家見習いの大学生、藤沢翔真。翔真が引越してきて2週間がたったある日、萌、ミサ、咲の3人が太秦荘にやってきた。「実は私たち、『探偵』になろうと思っていまして」事務所は太秦荘の空き部屋。3人組が京都中を駆け回って謎を解く!
函館で松尾象山は天才的なバランス感覚をもつ青年と出会う。一瞬でこの漢・京野京介に魅了された象山は、京野の師である磯村露風とともに、暴力団に拉致された京野のもとに向かった。時を経て、ボクシングのプロテストで京野はアマチュアの金メダリストと闘う。試合後に露風は、京野らと格闘技の「世界征服」を目指すと宣言した。露風はさらに、丹波文七を「ヤマト商店」へ招いた。そこは文七にとって因縁の場所だったー。
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいてーー。280万部超の青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるの三作目が待望の文庫化!!
“どんでん返しの神様”がここにいる。 本格推理もクライムノベルも時代小説もジャンル不問! 全編新作、仰天でのけぞる出来! 都市で漂流を続ける少女たちにとって、衣食住をめぐんでくれる“神様”とは? 自殺の名所で発見された女子高校生の死因を探る「僕」に協力者が現れた。河川敷で死体を発見した若者。だが彼には通報をためらうだけの理由が。事件のショックで記憶を失ってしまった被害者。催眠療法で記憶を戻すと……。儲け命の札差に五両を借りに来た御家人と、辻斬り事件に関係はあるのか。五編のどんでん返しをご賞味あれ。
シロが逃がした鹿を追いかけて、山中を駆け回る芽衣。そこで、大量の釣り針に埋もれた神様、山幸彦と出会う。山幸彦は芽衣の鹿探しを手伝ってくれ、あっという間に捕まえる。そのまま芽衣と鹿を抱えて草の縁まで運んでくれたが、芽衣は山幸彦から「紙のように軽い」と言われる。その後、やおよろずに戻った芽衣だが、天と出会った頃のことをどうしても思い出せずに…。芽衣にいったい何が!? 大人気シリーズ第5弾!
東京の神楽坂は、石畳の路地で有名な花街。まるで迷路のように広がるその路地のひとつに、不思議な学校はあった。教員志望の如月由那は、その学校の求人を知り、二つ返事で飛びついてしまう。だが、そこは、あやかしたちの通う学校だった。不安ながらも、念願だった教師となった由那の前に、妖怪退治の祓い屋・蒼野秋斗が現れる。
夢だった洋食屋を経営不振で閉じることにした佐山。失意のまま実家に帰った佐山は、倉庫で不思議な鏡を見つけ、ふと気づくと異世界に飛ばされていた。そこには、洋食屋をひとりで切り盛りしている少年がいて、佐山を見るなり「救世主様、きつね亭を救ってください!」と懇願してきた。佐山は安くて美味しいハンバーグを提供することで、店の苦境を脱しようとするが…。心もお腹もあたたまるハートフルな異世界グルメストーリー。
寺社奉行・本山相模守が神君家康公より拝領した刀を盗まれた。困った本山は幼馴染みの南町奉行・曲田伊予守を頼り、定廻り同心の樺山富士太郎に密命が下る。折しも謎の墜落死を調べていた富士太郎は探索を中断し、わずか一日で拝領刀の行方を突き止めてみせる。ふたたび墜死事件を追う富士太郎に、大石に上半身を潰された死体発見の一報が届く。摩訶不思議な連続死と拝領刀の盗難は、何の繋がりもないと思われたのだが…。大人気書き下ろしシリーズ第44弾!