2019年発売
死神執事と顔だけ探偵の謎ときファンタジー 役者くずれの猪目空我は、かつてスタイリッシュな探偵役で人気を博した美形男子。とくに探偵としての能力があるわけではないが、とある事情で俳優業を廃業した今、ほかにやれることもないので、見た目重視の雰囲気探偵事務所を開業することにした。そこで格安賃料で借りたのは、とある古い屋敷の一角。ちなみにこの屋敷の住人は謎めいた年若いお嬢様と、彼女のお世話をする美しい執事のみ。ここに怪しさ爆発の大家と店子が誕生した。 一方、お屋敷のお嬢様に仕える執事にも秘密があった。それは彼の正体が死神だということ。その特殊能力としては、まずはひとの寿命が見え、さらに幽霊の姿を見ることもでき、たとえば死にゆく人に願われた場合、三回だけ「カーテンコール」と呼ばれる延命に応じることができる。彼は仕事だけが生きがいの自称エリート死神なのだが、過去の仕事での唯一の汚点を払拭するため、執事姿で人間界に留まっているらしい。 三者三様、それぞれの利害が一致して、なし崩し的に空我と死神は心霊がらみの依頼を解決することになるのだが……。 エリート死神執事×スタイルのみのハリボテ探偵が贈る、人生最後の謎ときやりなおしファンタジー!
鬼神と白虎が作る京の和菓子のお味は? 幼い頃から「あやかし」が見える芹沢天音。そのせいでずっと「おかしな人」「嘘つき」と言われていた天音は職場でもうまくやれず、仕事を辞めて、生前祖父が和菓子店を営んでいた京都の家で暮らそうと上賀茂を訪れる。だが、無人のまま放置されていたはずの家に見知らぬ青年が。しかも一階の店舗は開いていて、雲龍庵と書かれた祖父お気に入りの看板も入り口の上に掲げられている。一体どういうこと? おどろく天音に、店主だという青年・北条成清は、祖父に頼まれて味を受け継ぎ、小太郎・小菊という幼い双子と三人で雲龍庵を続けているのだと語る。祖父から「いつか天音が訪ねてくるだろう」と聞かされていたという成清の言葉に、天音は少々怪しく思いながらも菓子作りを手伝うことを決める。ところが、かわいい双子のきょうだいは、眠くなるとなぜか小さな虎に変身!? しかも成清の頭には小さな角が見えて……。 あやかしが営む和菓子店で、あやかしとともに始めた不思議で優しい同居生活。やがて天音は、祖父の和菓子を作り続けることが、あやかしと人間を繋ぐことになると知るーー。京都和菓子×あやかしストーリー。
繰り返す死から君を救うために 東京で自分の店をオープンさせるという大きな夢を抱き、アパレル業界でがんばってきたあずみ。だが、SNS上での出来事が原因で仕事を失い、実家がある田舎町へ帰ることに。 数年ぶりの地元に到着早々、あずみは幼馴染の太一とばったり再会する。幼い頃からどんな時もあずみの味方をしてくれた太一だが、高校生の時、太一に好意を寄せる女子生徒に嫌がらせをされてから疎遠になっていた。離れていた時間を感じさせない態度で接してくる太一に、夢を捨てた自分が情けなくて素直になれないあずみ。だが、やがて友人たちの後押しもあり、太一との距離は縮まっていく。 そんなあずみが最近気になっているのは、帰省した日から毎晩見ている夢。流星の降る夜、海辺で横たわる『誰か』の隣で泣き続けているーーそんな奇妙な夢を繰り返し見ているのだ。そしてあずみは、太一の様子がどこかおかしいと気づくように。 流星群極大の夜、天体観測をするという友人の誘いで夜の海に向かったあずみと太一。星空の下で、あずみは夢の真実を知るーー。 繰り返される死と嘆きの夢。流れる星はあずみと太一のどこへ導くのか。沖田円が描く再生と希望の物語! 【編集担当からのおすすめ情報】 カバーイラスト・烏羽雨
一日百円で何でも預かります。東京の下町でひっそりと営業する「あずかりや」。13年前に封筒を預けた老女の真実、鳴かず飛ばずの中年作家はなぜか渾身の一作を預けようとし、 半年分の料金を払って手紙を預けた少女と店主が交わした約束とは……。ベストセラー待 望の第三弾。
「ジョディ・ピコーの最高傑作だ。読者は問いを突きつけられ……人種と偏見をめぐる文化的認識の幅を広げられるだろう」(ワシントン・ポスト紙) 「ある冤罪」を着せられて生活が一変した看護師のルースは、若手弁護士のケネディと立ち向かうが、彼女は大きな「嘘」を隠していたーー。 <刊行までの編集者の裏側話はこちらで公開中> https://note.mu/poplar_bungei/n/n72f2d454ab58 <著者プロフィール> ジョディ・ピコー Jodi Picoult 1992年「Songs of the Humpback Whale」で作家デビュー。2004年刊行の『私の中のあなた』は大きな反響を呼び、ベストセラーとなった。03年にはニューイングランド地方を舞台に活躍する作家に贈られる、ニューイングランド・ブックセラー・アワードを受賞。 川副智子 Kawazoe Tomoko 早稲田大学文学部卒。主な訳書に『マジック・キングダムで落ちぶれて』『サーカス象に水を』『19分間』『私の中のあなた』『晩夏の墜落』『ジェーン・スティールの告白』『ビール・ストリートの恋人たち』など多数。
ぶつかりながらも無罪に向けて二人は準備を整えてきたはずだった。しかし、隠された「ある嘘」が、誰も予期せぬ展開と、感動の結末へと導いていくーー。 私達が目をそむけてきて、私達が向き合わなければいけない「世界の現実」に挑んだ衝撃作、待望の日本上陸! <刊行までの編集者の裏側話はこちらで公開中> https://note.mu/poplar_bungei/n/n72f2d454ab58 <著者プロフィール> ジョディ・ピコー Jodi Picoult 1992年「Songs of the Humpback Whale」で作家デビュー。2004年刊行の『私の中のあなた』は大きな反響を呼び、ベストセラーとなった。03年にはニューイングランド地方を舞台に活躍する作家に贈られる、ニューイングランド・ブックセラー・アワードを受賞。 川副智子 Kawazoe Tomoko 早稲田大学文学部卒。主な訳書に『マジック・キングダムで落ちぶれて』『サーカス象に水を』『19分間』『私の中のあなた』『晩夏の墜落』『ジェーン・スティールの告白』『ビール・ストリートの恋人たち』など多数。
ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐の正体は、華麗に人を騙すコンフィデンスマン(信用詐欺師)。香港マフィアの女帝が持つ伝説のパープルダイヤを狙うが、事態は予測不能な展開にーー? 大注目の脚本家・古沢良太による脚本を、人気作家・山本幸久が豪華小説化! <プロフィール> 古沢良太 脚本家。1973年神奈川県生まれ。東海大学文学部卒業。2002年、『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞しデビュー。 代表作に『キサラギ』、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『相棒』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『エイプリルフールズ』『ミックス。』など多数。 山本幸久 作家。1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、2003年「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『ある日、アヒルバス』『幸福トラベラー』『店長がいっぱい』『誰がために鐘を鳴らす』など多数。
壊滅された城で生き残ったチョンカ。まだ幼い彼女の前に現れたのが「西京先生」と自称したエスパー。世の中の人々から忌み嫌われるエスパーだが、西京の弟子となったチョンカは、そんな世の中の誤解(?)を解きたくて、西京や、友達のラブ公と共に旅に出る。襲い掛かってくる変態度マックスのエスパー達に、チョンカはどう立ち向かう!?笑いあり涙ありのエスパー冒険譚、今、開幕!第2回「MAGNET!」小説コンテスト金賞。
『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。住職の変死事件に挑む初登場作「後光殺人事件」から、礼拝堂内で起きた殺人の驚愕の動機が解き明かされる傑作「聖アレキセイ寺院の惨劇」、最終篇「国なき人々」まで、法水の活躍する奇想天外でペダンチックな探偵小説全短篇。
地元のラジオ局で番組をもつ、高校3年生の華菜と智香。智香の声が好きでラジオに誘った華菜は、東京に行く日をひたすら夢見て、退屈な学校生活をやり過ごしている。リスナーを増やしたいとがんばる華菜だったが、ある日、収録中に突然、智香から番組を休みたいと告げられて…未来への夢がすれ違い始めた二人の友情を描く、せつなさ120%の青春小説。
天球教会から追われる身となったワンたち一行は、兎人の少女ユーリアを連れてアルゼキア王国の脱出を図る。目指すのは遥か西、山脈の向こう側にあるユーリアの生まれ故郷、オーテルロー公国。 道中、法外な関税によって足止めを食った一行は路銀を稼ぐために冒険者ギルドへと登録する。魔界を人界へと作り変える事業に参加した一行を待ち受けていたのは、冒険者ギルドでも予測していなかった強大な魔物の存在だった。 命を賭けた戦いはひとりの少女を戦士へと目覚めさせる。ワンに全権を預けたことによって、ステータスを望みのままに成長させられるようになったメイドの少女シャーリエが望んだ力とは……。 様々なトラブルを乗り越え、兎人の国であるオーテルロー公国で彼らを待ち受けていたのは、さらに過酷なトラブルだった。 最強のスキルセットを求めてレベル1から始まった異世界冒険譚。待望の第2巻がここに登場!
病気の妹を救うため、青春も自由な時間も捨てて身を粉にして働いている小鳥遊夕人は、妹の完治のためには高額な費用がかかる手術が必要であると知り、絶望する。しかし、賞金2700億円というあまりにも破格な金額で世界に衝撃を与えたVRMMO『Abyss』の存在を知り、手術代を稼ぐために挑むことを決意する。開始当初は、敗北したプレイヤーを「隷属」させることもできるシビアなゲームシステムに戸惑う夕人だったが、妹のために手段を選ばず勝利を目指す!
異世界アースフィアに召喚され、聖剣を託された勇者・明彦。一見、平和で清浄に見えるこの世界は、途方もない悪意も内包したうえで、絶妙なバランスで成り立っている世界であった。人の不幸を見て見ぬふりのできない性格の明彦は、この世界の住人にとって余計なお世話と知りつつも、恒久的な平和を築くためアクションを起こす。まずは政情不安定なカドニア王国からと思い立つも、それは想像を遙かに超える困難な道のりであることを悟る。彼と超科学技術は、窮状に陥ったカドニアの民を救えるかー!?
迷宮から得られるアイテムを求めて多くの探索者たちが迷宮に潜り、そのうち3割から4割は潜ったまま帰ってこなくなる。主人公のケンはそんな世界に流れついて早5年。安全マージンを十分とって慎重に慎重を重ねる彼なりの探索スタイルを確立し、堅実な探索者生活を送っていた。 だがやはり現在よりも収入は増やしたい。迷宮内での移動に費やす時間を短くすれば、狩れる獲物も多くなり必然的に年収も上がる。<転移>門を使えばワープで大幅な時間短縮ができるのだが、ケンにとって門番のロック・ゴーレムの存在がネックとなっていた。 そんなある日、幸運にも貴重なアイテムが入った宝箱を発見する。ケンは考える。 「宝箱の中から出てきた物をどう利用してやろうかーー」。 迷宮産の貴重なアイテムを前にして、彼がとった選択は、たしかに筋は通っているものの、ちょっと驚くようなものだった。 その選択をきっかけとして、長い間ずっと代わり映えのしなかったケンの周囲を取り巻く状況がゆるやかに、だが確実に変化を始める。 本書では プロローグ 第一章 迷宮都市 第二章 マイホーム 第三章 こんにちは、世界 第四章 将来設計 第五章 探索者パーティ”秩序の剣” 第六章 条件交渉 第七章 食い違い 第八章 パーティ参加 第九章 迷宮探索 第十章 非日常 第十一章 異常事態 第十二章 日常への回帰 エピローグ を収録。 身の丈に合った能力で最大限のリターンを確保する探索者ケンの生きざまは、きっと貴方の心に響くはず!
「白く塗りたる墓」は、1960年代の高度成長期における公害汚染や原子力発電所の安全などの社会問題をベースに、報道機関の公器性や良心を問うた意欲作。TVカメラが持つ同時性から一躍報道の花形産業となったTV報道の視座をフィルターにして、目の前の現実と報道との溝に苦悩するテレビマンの狂気と孤独もドラマティックに描いている。もう一作は、ニヒリストの医者の堕落と病院に関わる人間の業を描いた「もう一つの絆」。共に第一部までの未完作であるが、著者の新境地ともいえる作品で、現代に連なる荒廃を予見している秀作である。
鬼気迫る“自殺者と自殺幇助者”の心理葛藤 噴煙吹き上げる春まだ浅い三原山に、女子大生がふたり登っていった。だが、その後、夜更けに下山してきたのは、ひとりだけーー。 遡ること1ヶ月前、同様の光景があり、ひとり下山した女子大生は同人物だった。自殺願望の若い女性ふたりに、三原山まで同行して、底知れぬ火口に向かって投身させた自殺幇助者の京大生・鳥居哲代。 生きていることに倦んだ高学歴の女学生たちの心理を精緻に描き、自殺者と自殺幇助者の軌跡をミステリー風に仕立てた悽絶な魂のドラマ。高橋たか子の初期長編代表作で第4回泉鏡花賞を受賞。