2020年11月18日発売
風致の島風致の島
東南アジアでの巨大リゾート開発推進のため日本のスーパーゼネコンから現地役員として「島」に乗り込んでいた青木は、計画が頓挫した後も会社を離れて島に残り、日本で手に入れた莫大な裏金を持って隠遁生活を送っていた。現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むため動き出す。一方で青木は、島の男の二番目の妻になっていた日本人の女ミチコを「飼って」いた…。
京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋
頃は幕末、清水寺にほど近い京都四条。「小鍋茶屋」は、近江草津出身の月岡サヨがひとりで切り盛りする料理屋。縁あって訪れる客とサヨが料理をとおして心を通わせる。サムライの江戸時代からハイカラな近代へと移ろう時代、つかの間の安らぎを得た志士たちはサヨに何を語るのか?風情漂う京の街で、今夜も美味しい料理を求めて幕末人が集う。ほな、サヨの温かい鍋料理とほっこり話。ゆっくりとおたのしみやす。
冬の狩人冬の狩人
3年前にH県で発生した未解決殺人事件、「冬湖楼事件」。行方不明だった重要参考人・阿部佳奈からH県警にメールが届く。警視庁新宿警察署の刑事・佐江が護衛してくれるなら出頭するというのだ。だがH県警の調べでは、佐江は新宿の極道にとことん嫌われ、暴力団員との撃ち合いが原因で休職中。そんな所轄違いで無頼の中年刑事を、若い女性であるはずの“重参”がなぜ指名したのか?H県警捜査一課の新米刑事・川村に、佐江の行動確認が命じられるー。筋金入りのマル暴・佐江×愚直な新米デカ・川村。シリーズ屈指の異色タッグが炙りだす巨大地方企業の底知れぬ闇。
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