2020年11月24日発売
ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして……。楽しいときもあった。助けられたことも。だけどもう、いらない。めまぐるしく動く日常と関係性のなかで、葵が選んだものと選ばなかったものーー。直木賞受賞後長篇第一作。
ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」のカク景芳が描く〈中国×1984年〉。 一九八四年、春。天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一子の誕生を控えていた。ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていることにふと気がつき愕然とするーー 二〇〇六年、春。軽雲は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。大学卒業を控え、十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。父は優しく娘の背を押すが、結局、軽雲は覚悟を固められない。友人たちが目標に向かって邁進していくなか、軽雲は留学申請に失敗、祖父のコネで地元の統計局に職を得る。ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症してしまう…… 時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。現代中国で自分の生き方を見失う娘・軽雲。選択しなかったもう一つの人生への憧憬。二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘が描く円環の軌跡の先に、物語は衝撃の結末を迎える!
ジルの秘密が明らかに⁉ 緋雪、現る! 久しぶりに【闇の森】へ戻ってきたジル。長い間、ほったらかしにしていた庵には、なんとレジーナの姿が! いきなりレジーナに無茶振りされて、ジルとコッペリアは新しい庵を建てて引っ越しをするが、その新築祝いにやってきたのは……。 なんと、聖女スノウーー緋雪と真紅帝国の面々。 緋雪から蘇生と記憶に関する謎を明かされたジルは、旧神崇拝者の残党にまつわる情報を得るために、不可思議な閉鎖空間に入り込むことになるがーー⁉