2020年2月6日発売
白い悪魔白い悪魔
とある理由で故郷アメリカを逃げるように去り、年の離れた作家の夫とローマで暮らしている若く美しい女性ヴィッキー。野心を抱く兄ジョニーに導かれてローマの上流階級に出入りするようになった彼女は、人気政治家オルシーニと不倫の恋に落ちる。しかし、しばらくしてオルシーニの妻である国民的女優イザベラがアメリカの宿泊先で謎めいた死をとげ、ヴィッキーたちには世間から疑いの目が向けられたー。死と憎悪、猜疑と野望に満ちた不穏な世界をエドガー賞受賞作家が巧みに描いたサスペンス。ハメット賞受賞作。
夕陽の道を北へゆけ夕陽の道を北へゆけ
メキシコ・アカプルコ。書店を経営し、夫と息子と幸せに暮らすリディアの平仮な日々は、カルテルに親族16人を殺されて一変した。彼女はたったひとり生き残った息子のルカを連れて、カルテルの力の及ばないアメリカへ行くことを決意。ふたりは“野獣”と呼ばれる貨物列車の屋根に飛び乗り、出会う人々の誰が敵で誰が味方かも分からないまま、死と隣り合わせで北へと向かうー悲しみの底に突き落とされた者、明日も生きのびることを信じて逃げる者、そして理不尽な暴力に人間愛で立ち向かおうとする者たちの希望を描いたロード・ノヴェル。
ねこだまりねこだまり
お店の守り神である木彫りの猫がなくなり、その行方を捜す「猫神さま」(西條奈加)、長屋で一番偉い猫の“サバ”が、夫婦の揉め事を解決する「包丁騒動」(田牧大和)、臆病な火消しの男へ按摩が与えた猫頭巾に込められた恐るべき謎「だるま猫」(宮部みゆき)など、愛らしくも摩訶不思議な存在である江戸の猫にまつわる短編六作を収録。令和を代表する女性時代作家の共演による珠玉のアンソロジー。
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