2020年4月2日発売
夫を事故で亡くして以来、不眠に苛まれているイーデンは、星空の保護区として有名なダークスカイ・パークを結婚記念日直前に訪れる。生前の夫が予約していたのだ。だがゲストハウスで別のグループと同宿を余儀なくされることに。彼らはマロイという魅力的な男性を中心とした同窓の面々だった。その夜、何者かに彼が殺され、疑心暗鬼に陥る宿泊者たち。そしてイーデンは思いがけないことを指摘される…ジェフリー・ディーヴァー絶賛の、誰一人として信じられないフーダニット。アンソニー賞受賞作
工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。一冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史の如き孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集。
これは、乙女ゲーのストーリーという過酷な運命にラブラブしながら抗い、ゲームの強制力とイチャイチャしながら戦う、十歳から始まる王子と悪役令嬢の物語。
「位子 雀部朝臣道奥 銭五百文」。701年、大宝律令を基軸にした律令国家が誕生した。この時から、人が人を「評価」する制度が出来上がった。この物語は藤原京から平城京の時代に、「従五位下」という貴族まで上った下級役人の悲哀に満ちた著者渾身の歴史小説である。
公爵令嬢イリーナは、器量よしではなかった。けれども異界の銀を身につけると、神秘的な美しさを放つ。父親の思惑どおり皇帝のもとに嫁いだものの、その皇帝には魔物が取り憑いていた。スターリクの王国に連れ去られたミリエムと、恐ろしい魔物と暮らさなければならないイリーナ。さらには、大酒飲みの父親を殺した弟と逃亡生活を続ける、農家の娘ワンダ。苦境に立つ娘たちは、知恵を絞り、手を結び、心を通わせ、難局に立ち向かっていく。