2020年6月27日発売
●収録作品● 「DEADLOCK」番外編 英田サキ(イラスト/高階佑) 「初恋をやりなおすにあたって」番外編 尾上与一(イラスト/木下けい子) 「パブリックスクールシリーズ」番外編 樋口美沙緒(イラスト/yoco) 「FLESH & BLOOD」番外編 松岡なつき(イラスト/彩) 「悪食」番外編 宮緒葵(イラスト/みずかねりょう) 「式神の名は、鬼」番外編 夜光花(イラスト/笠井あゆみ)
本邦における中華SF紹介の第一人者たる立原透耶氏が、数多ある短編作品から十七篇の傑作を厳選。 劉慈欣と並び「中国SF四天王」と称される王晋康、韓松、何夕の三大家をはじめ、台湾SF界の長老・黄海から、ハードSFの江波、詩情に満ちた作風の潘海天、清朝スチームパンクの梁清散ら中堅・ベテラン作家、日本でもおなじみの陸秋槎、さらには糖匪、昼温ら、若手・女性作家の作品までを収録。全編本邦初訳。 表題作「時のきざはし」は、ここ数年次々と大きな賞を獲得している期待の新鋭、滕野の代表作のひとつ。 個性豊かな物語の紡ぎ手十七名による、多彩な現代中華SFを、存分にお楽しみください。 【収録作品】 「太陽に別れを告げる日」 江波 大久保洋子 訳 「異域」 何夕 及川茜 訳 「鯨座を見た人」 糖匪 根岸美聡 訳 「沈黙の音節」 昼温 浅田雅美 訳 「ハインリヒ・バナールの文学的肖像」 陸秋槎 大久保洋子 訳 「勝利のV」 陳楸帆 根岸美聡 訳 「七重のSHELL」 王晋康 上原徳子 訳 「宇宙八景瘋者戯」 黄海 林久之 訳 「済南の大凧」 梁清散 大恵和実 訳 「プラチナの結婚指輪」 凌晨 立原透耶 訳 「超過出産ゲリラ」 双翅目 浅田雅美 訳 「地下鉄の驚くべき変容」 韓松 上原かおり 訳 「人骨笛」 吴霜 大恵和実 訳 「餓塔」 潘海天 梁淑ミン 訳 「ものがたるロボット」 飛氘 立原透耶 訳 「落言」 靚霊 阿井幸作 訳 「時のきざはし」 滕野 林久之 訳
九州の福岡に住む春山俊介は妻帯者でありながら、接待の為に訪れたキャバクラの新人青木彩矢に惚れてしまう。 上司の紹介で見合い結婚をした俊介にとっては、妻よりも恋愛対象として彩矢は好みに近い女性だった。 生活の為にお金が必要な彩矢は、キャバクラで二三度会って、好意を持った俊介と関係が出来る。 だが妻帯者の俊介と独身の彩矢の間には、お互いが好きでも大きな溝がある。 約五年以上付き合い、彩矢も三十歳を迎え結婚に憧れる様になる。 俊介は、彩矢に恋人が出来た事を知り詰めると、彩矢は何も言わずに俊介の元を去って行った。 中年を迎えた俊介が……。 お互いの気持ちが交差する世界を描く作品。 本文「あらすじ」より
貧しい村に生まれ、身売り同然で竜守りのナウザーに嫁いだファミア。貴族出身で元は華やかな竜騎士だった彼は、戦で負傷したのを機に森深くに住み竜を飼い慣らす竜守りになったという。髭面で粗雑なナウザーと、健気に尽くす美しいファミア。人里離れた森で突然始まった、一見、不釣り合いな二人の夫婦生活は、温かくて愉快な竜たちに見守られて、次第に愛情を深め合っていく。しかしある時、ナウザーの元婚約者だという貴族令嬢が現れて……!?