2020年6月発売
百万の人々が暮らす江戸でも随一の盛り場、両国。その地回りの親分山越に息子がいたと発覚し、にわかに跡目争いが持ち上がった。娘のお夏も、頭の座を狙う陰謀に巻き込まれ…。お夏を守るよう命じられたヘタレの芸人月草が、“まこと”を見通す姫様人形お華と、西へ東へ駆け回る!
悪役令嬢として追放され、下町で宿屋兼食堂『妖精の宿木亭』の女将を始めた公爵令嬢ラナ。「女神の力」で皆を癒やしながら過ごしていたところ、ついにチャンス到来!自分が追放されるきっかけとなった聖女サンドラへ近づく機会ができた。サンドラに取り憑いている闇の妖精を浄化するために、ラナは侍女として神殿へ潜入することに。しかし、神殿ではサンドラが行方不明になっており…!?ラナは名誉挽回して華麗に返り咲けるのか、それともー!?
グレースとティッピは16歳ー腰から下がつながった結合双生児だ。普通とはちがう幸せな日常、初めての学校生活、友情、恋、そして別れが詩のかたちで綴られた、みずみずしく切ない青春小説。カーネギー賞受賞作!!
苦戦しながらもメンダシウム国との闘いに勝利。束の間の平和を味わおうとしている最中、強大な魔導帝国からの使者、一等書記官エゼクティボ・フンセロイアがやってきた。突然の来訪に戸惑いながらも真意を探ろうとするミリモス。そこへ突如、山から全身甲冑の侵入者がー。巨大国家に挟まれた弱小国の生き残る道はあるのか?
Sランク冒険者レイとそのファミリーに救われたテオ。王国騎士団とのいざこざは片付いたが、王国周辺の魔物の活動が激化。同時期、王国では勇者と魔王の伝説にちなんだ勇者祭が開催される。そうしたなか、騎士団の元上司との一騎打ちで折れた腕を治すのと引き換えに、勇者祭に訪れる隣国の王女の接待を依頼される。社畜騎士だからこその心からのおもてなし、すべての人々にひかりあれ!
ある日、喫茶ふるるに異世界からS級冒険者がやってきて、コーヒーの代金代わりにベーゴマを4つ置いていったことから、常連のお客さんたちの様子がおかしくなる。「地球は魔王に狙われているから救わないといけない」異世界からの出戻り賢者の留さん、前世勇者の記憶もちの社長、逃亡悪役令嬢のエリカママと、転生聖女のエリカ。お客さんたちが異世界ごっこを始めたので、私も付き合うことになりました。役割は錬金術師ということらしいです。え?ごっこじゃない?いや、でも私、ごくごく普通のカフェオレしか提供してないですよ?…あ、モーニングはお付けしますか?喫茶店から始まる、ほのぼの異世界ファンタジー、いま開幕!
雪降るアーレンスバッハ城。その執務室で、次期領主の婚約者フェルディナンドはローゼマインの手紙に眉を寄せていた。彼女は王族に呼び出されたばかりか、貴族院の図書館に秘められた地下書庫へ近付こうとしていたのだ。周囲を悩ます「頭の痛い報告書」の数々は貴族院三年生になっても変わらなかった!不思議な現象を起こした上に、学生達の共同研究に王を巻き込む始末。王の御前だろうと取り繕いゼロ、聖女と持ち上げられるお茶会にはイライラ。我が道を全力で突っ走るローゼマインにレスティラウトから驚愕の提案が!ライデンシャフトの槍を振りかざし、いざディッター勝負、再び開幕!(自身の将来を賭けた嫁取りディッター!?)書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!
南国アスタルニアでの冒険者ライフを楽しむリゼルたち。パーティ対抗の団結力試し大会に三人で参加したり、様々なものが逆転してしまう迷宮に潜ったり、本だらけの迷宮で謎を解いたり、本の世界で『成りきり』に挑戦したりと、相変わらずな毎日を過ごしていた。その折突然、リゼルが誘拐されてしまう!犯人は、かつてリゼルたちが退けた異形の支配者の狂信者。閉じ込められた牢獄で、リゼルは監視役の一人の青年に出会う。彼の名は奴隷。彼はうまく話せないながらも、リゼルに興味を持ち心を開いていく。しかし狂信者の無情な“命令”が彼に告げられるー!緊迫の『休暇』シリーズ第9弾!
孫娘ベルと、未来改変の一歩を踏み出した元わがまま姫のミーア。帰国した彼女を待ち受けていたのは、忠臣の無茶振りー偏屈頑固な超変人賢者の説得だった!理由を聞けば、ある公爵令嬢の妨害工作で、開校目前だった聖ミーア学園の学園長候補が全員逃走。唯一の頼みの綱はその師匠らしく…?目指すは、来たる大飢饉に備えた「未来の天才児たちによる新種小麦の開発」。優秀な長を手に入れ、帝国に学問の門戸を開くべく、叡智・ミーアが動き出す!「こうなったら、わたくしが教鞭を取って差し上げますわ!…あらアンヌ、なぜ止めますの?」保身上等!自己中最強!小心者の自称敏腕教師が、孫娘と共に運命に徹底抗戦する、歴史改変ファンタジー第4巻!書き下ろし中編&巻末おまけ「ミーアの日記帳」&描き下ろし四コマ他、豪華収録!
ある日突然、何者かによって人間の大陸へ強制転移させられてしまったメグ。メグだけでなく強い魔力を持つ子どもたちが次々に攫われているのだった。同じように強制転移させられたリヒトとロニーとともに、メグは特級ギルド「オルトゥス」へ帰るため旅立つ。リヒトの保護者である冒険者ラビィも加わり、一行の旅は順調に思えた。だが途中立ち寄ったある街で、ラビィが三人の子どもの誘拐犯として指名手配されていることが判明する。そこには思いもよらない陰謀が隠されていてー!?
アゼリア帝国の精霊王×4人との共存が進み2年。普通の結婚を望む私はもう6歳。現実が押し寄せ、とうとう中央の茶会に出向く羽目に…。皇太子に出迎えられやっぱり目立ってしまうなか、ようやく普通の男の子にも出会えて平穏最高!と浮かれたそんなとき。皇族の政権争いが、帝国全体に及ぶ内戦に発展寸前だと知ってしまう。関わるのは危険すぎるけど、大切な家族や精霊たちに被害が出るかもしれない。みんなを守る力はもっている。なら、私がやるしかない!精霊王の威を借りて、皇帝の闇を暴きます!(あれ?やっぱ私、普通の結婚できなくない?)全力の令嬢が帝国のお家騒動解決に乗り出す恋愛ファンタジー第2弾!
魔術士が忌避される時代。フルグンド王国を旅する女魔術剣士アルフィリースは、自らの生い立ちから「誰かを救える人になりたい」と志していた。だが魔術を操る者は、傭兵ギルドですら敬遠されてしまう。もし旅仲間を得られても、腕の「呪印」を見られてしまったらーある日、そんな彼女を“友達”とみなす腐れ縁の酔いどれシスター・アノルンと再会し、仲間を集い、復活した魔王の討伐に向かうことになりー圧倒的絶望が彼女たちを襲うときアルフィリースの右腕は燃え盛り、別の人格が姿を現す!後に「魔王アルフィリース」として歴史の編纂で審議を問われる女剣士。それぞれの孤独を生きてきた仲間たちとの出会いで紡がれる絆の物語が、幕を開ける!
昭和20年、すでに夫を喪い、家も戦火に焼かれてしまった母子が、遠縁を頼って東北の寒村に身を寄せる。だが、そこは安住の地ではなかった。頼るべき知己もおらず、終戦後は都会に戻るという希望も断ち切られ、迫りくる厳しい冬を前に、母は自ら死を選ぶ…。ノンフィクション作品のような感情を抑えた筆致が、かえって読む人の想像を掻き立てる。第54回芥川賞に輝いた表題作のほか、やはり身近な人の死をテーマにした「夏の日の影」「霧の湧く谷」、大学の二部に通う学生たちの葛藤を描いた「浅い眠りの夜」の三篇を収録。
豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするがー。第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。
明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。それでも、振り返れば全てが美しい。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。
小説家の織部妙は順調にキャリアを積む一方、どこか退屈さも感じていた。そんなある日、“美人作家”として話題の新人、橋本さなぎの処女作に衝撃を受ける。しかし、文学賞のパーティで対面した橋本の完璧すぎる受け答えに、なぜか幻滅してしまう。織部の興味を惹いたのは、橋本の秘書である初芝祐という女性だった。初芝への気持ちを持て余す織部は、やがて「橋本さなぎ」の存在に違和感を抱くようになる。その小さな疑惑は開けてはならない、女同士の満たされぬ欲望の渦への入り口だった…。「第13回エキナカ書店大賞」受賞作家の最新作。