2020年7月13日発売
お母さん、聞こえる?私は、生きていくよ。幼くして命を落とした弟。心ない世間の声に抗い、それでも母は、自由に生きたー。ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く渾身のデビュー小説。
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第3巻には「スポンサーからひとこと」など著者を代表する傑作16編を収録。
○第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門受賞 ○第21回本格ミステリ大賞受賞小説部門受賞 ブラウン神父、亜愛一郎に続く、“とぼけた切れ者”名探偵である、昆虫好きの青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた──。 16年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか? エリ沢が意外な真相を語る「蝉(せみ)かえる」。交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件のつながりを解き明かす、第73回日本推理作家協会賞候補作「コマチグモ」など5編を収録。 注目の若手実力派・ミステリーズ!新人賞作家が贈る、絶賛を浴びた『サーチライトと誘蛾灯』に続く連作集第2弾。 著者あとがき=櫻田智也 ■目次 「蝉かえる」 「コマチグモ」 「彼方の甲虫」 「ホタル計画」 「サブサハラの蠅」
一篇一篇から宇宙全体が飛び出してくる スティーヴン・ミルハウザーの最新短篇集Voices in the Nightは、2冊に分けて刊行する。まず1冊目が、それぞれ多彩な奇想に満ちた八つの宇宙が詰まった本書『ホーム・ラン』だ。(2冊目は『夜の声』[仮題]として刊行予定。) ミルハウザーの短篇の多くに共通する、「ここではないどこかへの希求、その恍惚と挫折」ともいうべきテーマは、本書でも健在だ。むしろそうした流れのなかで、またしても意外な新手を繰り出してくる想像力と、技巧を凝らした一途な名人芸が、読者を圧倒するだろう。 魔法の鏡磨きが男と恋人の心にもたらす光と影を描く「ミラクル・ポリッシュ」、町に謎の自殺願望が流行した半年を記録する「私たちの町で生じた最近の混乱に関する報告」、1本の決定的本塁打がたどる驚異の軌跡を追う表題作など、緻密な筆致で、壮大かつ深遠な宇宙を描く8篇を収録。 日本版のみに特別収録した、ミルハウザー自身のエッセイ「短篇小説の野心」から引用する。「短篇は一粒の砂に集中する、そこにーすぐそこに、己の手のひらにー宇宙があると烈しく信じて」。
自分にも劇的な未来が待っている。 そう信じられなくなったのは、いつからだろうーー。 16歳にして小説すばる新人賞史上最年少受賞を果たした鮮烈なデビュー作、『星に願いを、そして手を。』から三年。 現役京大生となった若き才能が、“青春の難題″に立ち向かう! 読了後、静かな感動と勇気が押し寄せる、「救い」の物語。 【あらすじ】 仕事も恋愛も惰性の日々を過ごしているOLの遥。ある日遥は、無名のアーティストの曲がYouTube上で「バズって」いるのを見つける。その曲にとてつもない引力を感じた遥だったが、数日後、そのアーティストの公式サイトで、「2018年10月23日、Vo霧野十太逝去。27歳」の文字を目にする。なぜ1年も前に亡くなった無名のアーティストの曲が、今更注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのかーー。 一人の天才音楽青年と、彼が作った「ある曲」を軸に、夢と理想、そして現実とのはざまで藻掻く6人の人生を描き切った、著者渾身の青春小説。
暗号解読で山本五十六のブーゲンビル島視察計画を察知した米太平洋艦隊司令長官ニミッツ大将は、ハルゼーに暗殺作戦を託す。宇垣参謀長以下多数が犠牲となるが、山本長官は危機を免れる。そして、ハルゼーは伊号潜水艦の雷撃により海に消えた…。大統領選挙を控えるルーズベルトはラバウル占領をもくろみ、ニミッツが指揮する太平洋軍とマッカーサーが指揮する南西太平洋軍の設置を決める。1943年12月、ラバウルの完全占領を企図した「タルサ作戦」が発動。迎え撃つ連合艦隊の決死の奮戦が続く!シリーズ完結!書下ろし長編仮想戦史。