2021年1月22日発売
来る。“三人目の女”が私を殺しに。作家の私のもとに、死んだ担当編集者から不思議なメールが届いた。意識不明の時に三人の女が“お迎え”に来たというもので、一人目と二人目は亡くなった親族、三人目は誰だか分からないという。その後、「とんでもない正体が分かった」「三人目の女が、先生のところに現れませんように」という言葉を残して連絡は途切れ…。三人目の女とは誰なのか?連続する不審死は、その女が関わっているのか?精緻にして大胆な長編ミステリ!
紅の鞘に納められた細身の刃。ゼンは師から譲り受けたその剣だけを友に山を下り、旅に出る。師であるカシュウは死んだ。ゼンに旅立つよう言い残して。親も知らず、山奥で育てられた理由もわからない。だが山での生活は、ゼンを強く、賢くした。道を極めるためのあてどない修行の旅路。剣を構え、しのぎを削り、出会いと別れを重ねながら、多くに気づき学び取るゼン。動的でありつつも内省的な侍の成長を描く、傑作剣豪小説!
第2回「日本おいしい小説大賞」受賞作! 「お前の売りは何だ?」「私にはカレーしかありません!」----。 古びた喫茶店の装いながら、本格的なスパイスカレーを出す「麝香猫」。そこで働く山崎成美は調理師学校に通う19歳。成美は幼い頃に両親が離婚、育ててくれた祖母も失踪してしまい、天涯孤独の身であった。 そんな彼女の運命を変えたのは、小学校の先生が作ってくれた一杯のカレーライス。成美はその味を自分でも作りたい一心で調理を始め、カレーの奥深さに戸惑いながらも、ようやくきっかけを掴みはじめていた。しかし突然、ある事情から「麝香猫」が店を閉めることになってしまい……。 理想のカレーを追い求める少女と人々の人情が織りなす、おいしい×青春×お仕事小説! 【編集担当からのおすすめ情報】 カレーの街、神田・神保町発の受賞作! 巻末にはスパイス料理研究家・印度カリー子氏による特製カレーレシピも収録。 読んで楽しい、作っておいしい1冊です!
「世界中に火種はあるが、一番ヤバいのは日本だ」! 月刊誌「言論構想」で経済分野を担当することになった元営業マン・池内貴弘は、地方銀行に勤める元・恋人が東京に営業に来ている事情を調べるうち、地方銀行の苦境、さらにこの国が、もはや「ノー・イグジット(出口なし)」とされる未曾有の危機にあることを知る。 金融業界の裏と表を知りつくした金融コンサルタント、古賀遼。バブル崩壊後、不良債権を抱える企業や金融機関の延命に暗躍した男は、今なお、政権の中枢から頼られる存在だった。そして池内の元・恋人もまた、特殊な事情を抱えて古賀の元を訪ねていた。 やがて出会う古賀と池内。日本経済が抱える闇について、池内に明かす古賀。一方で、古賀が伝説のフィクサーだと知った池内は、古賀の取材に動く。そんな中、日銀内の不倫スキャンダルが報道される。その報道はやがて、金融業界はもとより政界をも巻き込んでいく。 テレビ・新聞を見ているだけでは分からない、あまりにも深刻な日本の財政危機。エンタテインメントでありながら、日本の危機がリアルに伝わる、まさに金融業界を取材した著者の本領が存分に発揮された小説。 日経ビジネス連載時から話題となった作品、待望の書籍化。 果たして日本の財政に出口(イグジット)はあるのか! 編集者からのおすすめ:著者の代表作の一つである『不発弾』に登場したダークヒーロー、古賀遼が再び登場。過酷な運命を背負った男の生きざまに、ぜひ、触れてください。
小説家になる夢を捨てきれず、勤めの傍ら小説を書き続ける主人公の男の家に、小中学校の同級生・湯川秀樹が風呂敷包いっぱいの原稿を抱え、「作家になりたいんや」と押しかける。鼠のような目をした湯川は、うすのろぶりを皆に馬鹿にされ続けてきた奴だ。しかし、その可笑しな感性を生かし、常人には作り得ない作品世界を作り出せるのではないか…。蔑んできた男が、自分が心から欲している才能を隠し持っているかもしれないという期待と嫉妬。湯川のことが頭から離れなくなった男は、いつしか湯川を題材に小説を書き始めるー表題作「となりの男」ほか、3篇の人間の本質に迫る短篇を収録。
[商品について] ー宇宙にも、人の心にもあるホライズンー 広大な宇宙の中で、ひときわ輝く星、地球。そこでは、多様な生物による限りのないドラマが繰り返されている。そして無限の宇宙ではもっと大きなスケールのドラマが長い時間の中で永遠へと回帰しながら、繰り返し行われている。ブラックホールを中心とした世界の中でーー。 男と女、異星人、デザイナーズ・ベイビー・・・、ブラックホールを中心に展開する、世界と宇宙の謎と幻想の物語。 [目次] ブラックホールVI プロローグ 回顧(かいこ) 宇宙時代 広大な宇宙 進の仲間 再びオリオンへ 女性達のブラックホール 永遠の宇宙 地球へ レイラとソフィ 渡の旅 レポート ブラックホール A子 はるか遠く エピローグ ブラックホールVII プロローグ 美しい女 出会い 逃飛行 ビーボーイ B子 深遠なる宇宙 遠い幻影 ミミちゃん はるかなるブラックホール B子とともに。 惑星パル ソフィーとレイニー エントロピーの法則 明日に向かって エピローグ [出版社からのコメント] ブラックホールは広い宇宙の中でもとりわけ興味深い存在として、多くの研究者を惹きつけてきました。ブラックホールの事象の地平の先にあるものを観測することができないことからくる大きな謎が、その魅力の一因であることは間違いないでしょう。宇宙にも人の心の中にもある、ブラックホールのような巨大な重力を持つ謎の世界を、ぜひ味わっていただければ嬉しく思います。 [著者プロフィール] 織部浩道(おりべ・ひろみち) 1960年生まれ 明治大学大学院博士前期課程修了 税理士会退会 現在、新世紀会、ロイヤルフロンティア 魚座 O型 著書に 『ブラックホール』22世紀アート 『誘惑の星』文芸社 等がある 参考図書 『ホーキング、最後に語る』早川書房 『ホーキング、ブラックホールを語る』早川書房
新型コロナウイルスの騒ぎから数十年後、中国の欧米諸国への劣等感という現実から生まれた超軍事兵器であるユダウイルス(人種別に効果が異なる新型インフルエンザ、自然発生のウイルスには考えられないほどの早さで遺伝子が変化する軍事用人工ウイルス)が政府系武漢研究所から盗まれた。自然発生ではない最先端テクノロジーが開発した人工ウイルスは容赦なく世界に壊滅的被害を与える。絶望した中国から飛んでくる核兵器、街を徘徊する感染ゾンビ達、混乱する世界、日本に船で押し寄せる数万人の中国・南北朝鮮の感染難民。この最先端テクノロジーが生み出した悪魔に日本政府はすべての力を振り絞って戦う。日本はどう生き残るのか?