2021年10月28日発売
各紙誌絶賛、即重版! 「本の雑誌」2021時代小説ベスト10選出! 「とにかく楽しめた。まさに手に汗握る、幕府を舞台とする大活劇である」本郷和人(東京大学史料編纂室教授) 「読むと驚く。本当に「真」だ。あっと驚く新解釈まで、一気読みである」北上次郎(評論家) 「破格の面白さ。よく知られた題材が真保によってまったく違った物語として生まれ変わった」杉江松恋(書評家) 「凄まじい謀略戦を活写。最後までスリリングな展開が楽しめる」末国善巳(書評家) 「本書は「作家活動30年」を記念するとともに、その新たなスタートを切る力作といえよう」縄田一男(書評家) 徳川の治世。戦世は遠くなり、政は将軍の意をくむ老中たちの掌中。度重なる改易によって主家を失い、幕府に恨みを抱く牢人があふれる江戸市中に一人の兵法者が現れる。名は由比正雪。その恐るべき企みとは。 夥しい血を流して平らげられた世を、命がけで守り抜こうとした男たち、女たち。 由比正雪の乱として知られる「慶安の変」の裏で、何があったのか。綿密な取材と大胆な仮説を元に歴史の脈動をあますところなく描ききった大河歴史小説。作家生活30年記念書き下ろし。 「慶安太平記」 慶安の変(由比正雪の乱)の実録本。のちに講談、歌舞伎の演目に脚色された。圧倒的な存在感を放つ乱の首魁・由比正雪が幕府へのクーデターを企て、天才的な人心掌握術を用いて人集めと金集めを着々と進め、計画を実行に移していく様を描く。異能の登場人物たちの躍動、壮絶なラストシーンが名高い。 〈目次〉 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記 序章 第一章 将軍と弟/大御所の病/保科家相続/暗闘の果て 幕間 第二章 我が世の春/天地の違い/徳川の末 幕間の二 第三章 将軍の死/疑わしき男/変の真実 終章 後記
小説家とアーティストが出会い、新たな「物語」が生まれるーー 小説家の「歌詞」から生まれた5つの小説と楽曲。 収録作品 <小説> 「みちくさ」彩瀬まる 「南極に咲く花へ」宮内悠介 「透明稼業」最果タヒ 「星野先生の宿題」重松清 「Lunar rainbow」皆川博子 <楽曲> 「光る野原」彩瀬まる×伊藤沙莉×横山裕章 「南極に咲く花へ」宮内悠介×坂本真綾×江口亮 「透明稼業」最果タヒ×崎山蒼志×長谷川白紙 「ステラ2021」重松清×柄本祐×トオミヨウ 「哀歌」皆川博子×吉澤嘉代子×世武裕子 作曲・Project Produce 水野良樹
「やっぱり、小説を書きたいよ。自分の本が書店に並んでいるところを見たい。私、器用じゃないから、全部をやるのは無理。…子供を産んで、作家になれなくて、『子供がいなかったら作家になれたのにな』なんて言うような大人にはなりたくないの」-本文より。小説家と会社員。二人の幸せを探す物語。
業績至上主義、腐敗する組織、喰らいつく悪徳ベンチャー。いったい誰がこの銀行を助けるのか。強欲な上司に追い立てられ、利益だけを追う行員。焦る行員に取りつく悪徳企業。コンプライアンスも崩壊しきった銀行を救うために立ち上がったのは…。
(あらすじ) 目下、とある出版社に持ち込まれた小説がミリオン達成かと話題をさらっている。美人で富豪の娘という設定が受けたからとか、医者が書いた小説だからというわけではない。彗星のごとく登場し、不可解な投身自殺を遂げたスター氷室絵馬の死の謎を解明した物語と言われているからだ。 小説世界で室生絵馬という名で登場するヒロインは、愛媛県今治市に本拠地を構える日本屈指の造船会社社長を父に持つ華やかな美貌の一人娘。絵馬は父儀一が一代で築いた造船会社を受け継ぎ、いずれは複合企業体としてその頂点に立ちたいと願っている。母が早死にしたこともあって、小学校から乳母長谷部と共に上京し、名門・高輪女学院初等部に通う。すくすく育つ過程で絵馬は中一の時に夾竹桃の樹液に人を殺すだけの毒があると知る。たまたま、絞っているところを長谷部に見咎められた絵馬は彼女に樹液を飲まして死に至らしめる。 大学生になった絵馬はスカウトされて芸能界に入り、一気呵成にスターの座を得る。順風満帆のはずが、親友夢子の恋人に手を出したことが原因で、父から「しばらく愛媛に足を向けるな」と足止めを喰らう。それを義母のせいと思い込んだ絵馬は氷塊を使って義母を殺害しようとするも、齟齬が生じて絵馬が負傷し入院することとなる。 絵馬を見舞った医師国分は内情を読み取った上で、耳元である言葉を囁き、その場を離れる。その日の夜、絵馬は『母に』というメモ書きを残して病院屋上から投身自殺してしまう。 小説世界と現実世界で同名なのは氷室絵馬という名前だけである。