2021年11月1日発売
研修医であるタワンは、ある日、恋人である先輩のポーに会いに行くためにバイクタクシーを拾う。その運転手が年下のモークだった。イケメン運転手と話題になるぐらいのモークは、実は一年以上も前に恋人に振られて以来、新しい恋に踏み出せないでいた。しかしながら、タワンの可愛らしさや誠実さに触れ、いつしか気になる存在に。戸惑いながらも、一歩ずつ進んでいくこの恋の行方は…。
人魚の死体が打ち寄せられた町の人々の熱狂と奇妙な憧れを描く「マーメイド・フィーバー」。夜中に階下の物音を聞きつけた妻が、隣で眠る夫を起こさずに泥棒を撃退しようとあれこれ煩悶する「妻と泥棒」。夜中に自分の名前を呼ぶ声を聞いた旧約聖書の少年の物語を軸に、声を待ちわびる者たちの心のうちをたどる傑作「夜の声」など、唯一無二の世界を生み出す名人が緻密な筆致、驚異の想像力で紡ぐ8篇の声。
コマンド部隊結成からクレタ島攻防戦へ。ガイ・クラウチバックが戦地アフリカから戻ると、ロンドンはドイツ軍の空襲下にあった。新たに編成されたコマンド部隊に配属されて訓練地の島へ向かったガイは、元妻の二番目の夫トミー・ブラックハウス、王立矛槍兵団を追放された優さ男トリマーら旧知の面々と出会い、同僚アイヴァ・クレア大尉の紳士らしい超然とした態度に感銘をおぼえ親しくなる。やがて命令違反の処分もうやむやのまま旅団長に復帰したリッチー=フック准将の下、部隊はイギリスを出発し、ケープタウン経由でエジプトに到着するが、現地で合流するはずの旅団長は行方不明で、待機中の部隊の士気は下がるばかり。そしてついにガイの所属する隊にクレタ島攻防戦への出動命令が下った…。戦争の愚かしさ、恐ろしさとともに英国階級社会の変貌を描くイーヴリン・ウォー畢生の大作“誉れの剣”三部作第二巻。
戦国乱世。北辺に生を受けた男の名は平蔵。十八歳にして、南部氏への反逆、津軽の独立という途方もない企ての先鋒に立つ。津軽為信となった平蔵は、羅刹となって修羅の道を突き進み、ついに津軽の独立と権力を勝ち取る。