2021年12月17日発売
謎のスキル“ログインボーナス”の力で、底辺冒険者から一躍、国の英雄になったブライ。彼が暮らす北方のエイレーン村は現在、魔族の襲来で疲弊し、食料難に直面していた。ブライはダンジョン攻略を通じて、食料増産に成功。余った分を近くの温泉街に売って一儲け…と意気込んだものの、一筋縄ではいかない。伝統ある観光地のはずのそこも苦境に喘いでおり、買い取りを断られてしまったのだ。そんな中、仲間のエストが提案したのはー『スパリゾート開発計画』!巨大な温浴施設を建設して、村も温泉街も復興させようというのだが…そこへ予想外の“敵”が現れ、辺境改革は思わぬ方向へ走り出す!?
自らの命を犠牲にして他者を生き返らせるスキル「生命譲渡」を使い、死んでしまった青年ユーリ。しかし神様のご厚意で、毎月倍々の経験値をもらえる特典付きで生き返らせてもらったのだった。邪悪なセクエストロ枢機卿の罠によって放浪の旅に出た彼は、道中でとある山賊のアジトを壊滅させたことにより、周囲の人々から魔王と呼ばれるようになってしまう。だがユーリはこの噂を利用して、近隣の国で国民に圧政を敷く悪い王様を成敗することを思いついた。一国という大戦力を相手に戦うためにユーリが召喚したのは…なんと、超巨大な巨神「メタトロン」だった!?
女神様の懇願に負けて彼女がお気に入りのゲームを再現した世界に転生し、美少年リアンを名乗ることになった就活生の俺。途中退場する悪役令息キャラのリアンとして、未来の英雄アルフレドを英雄様として育てるためにゲームのシナリオに沿って導くハズが、どこを間違ったのか彼に迫られることに!気づけば転生生活も5年経ち、学校を卒業した俺たちはそれぞれの道を歩む…つもりが、カッコよく成長したアルフレドは相変わらず俺のそばにいて…。ゲーム通り進むとやがて訪れる村の悲劇の日を回避すべく奔走する俺と、そんなことは知らずに情熱的に好きだ…と告白してくるアルフレドの未来はどうなるー!?
だって、ここは、僕の本当の居場所じゃないような気がするから。どうしてかはわからないけど、ただ、そんな気がするんだ。アインソフは100人目に出会った老人・ケセドからこの世界の秘密・宇宙の真理を学び、やがて自分の居場所を見つける。自分とは何か?本当の自分の姿を知り、真実の「愛」に気づく物語。
数も形も明らかにされていない無数の蛇口からしたたる滴たちの轟音、鳥たちは蛇口の旋律を奏で、犬たちは満月の夜に蛇口の歌を吠える…チベットの奥地にある秘境を旅した思い出を、幻想かつ詩情あふれる文体で描く「蛇口」、ブチ切れるたびに自らの肉体を噛みちぎる猟奇的な自傷行為をくりかえし、自ら命を落としてしまう女の悲劇をユーモラスに語る「マルバ」、迷信深い女と結婚した語り手の男性が、見知らぬ女へと変貌していく妻を前に困惑する「砂糖の家」、ボルヘス風の幻想譚「見えない本の断章」など、1937年のデビュー作『忘れられた旅』から1970年の『夜の日々』までに書かれた5つの短篇小説集をもとにして編んだ日本独自の短篇選集。36篇収録。