小説むすび | 2021年4月14日発売

2021年4月14日発売

白鯨 MOBY-DICK白鯨 MOBY-DICK

著者

夢枕獏

出版社

KADOKAWA

発売日

2021年4月14日 発売

その姿を見た者は、生涯魂を囚われるーー。 海と鯨に心を奪われ、人生を狂わされた男たちが、神の生き物に挑む! 土佐の中浜村で漁師の次男として生まれ育った万次郎は、鯨漁に魅せられる。やがて仲間たちと漁に出た際、足摺岬の沖合で遭難してしまう。漂流した五人は無人島にたどり着くものの万次郎は銛打ちの師匠・半九郎の形見の銛を追って、さらに漂流してしまった。単身、大海原に投げ出された万次郎を救出したのは、米国の捕鯨船ピークオッド号だった。その船長・エイハブは、自分の片足を喰いちぎった巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐に異常な執念を燃やし、乗り組員となった万次郎を巻き込んでゆく……。 ジョン万次郎と、ハーマン・メルヴィルによるアメリカ文学の金字塔『Moby-Dick』が、夢枕獏の奔放な想像力によって融合する! 序章 徳富蘇峰京橋に万次郎を訪ね、奇っ怪なる話を聴くこと 一章 鯨組のこと 二章 神の鯨のこと 三章 万次郎海の大蛇に呑まれて鳥島に至ること 四章 万次郎片足の船長にして海の魔王エイハブと出会うこと 五章 万次郎ピークオッド号の乗り組員となること 六章 ピークオッド号、アルバトロス号とギャムすること 七章 人類の箱舟ピークオッド号のこと 八章 嵐に不思議なる火出現すること 九章 クイークェグの神ヨージョ運命を予言すること 十章  万次郎生まれて初めて鯨に銛を打つこと 十一章 ジェロボーム号から来た男のこと 十二章 エイハブ、その脚を白鯨の贄とすること 十三章 クイークェグ、自分の棺桶を作ること 十四章 万次郎海の森を発見すること 十五章 エイハブ、フェダラーと銛試しすること 十六章 白鯨その顎により神を裂くこと 十七章 スターバックのかくれんぼうのこと 十八章 万次郎マスケット銃にて試されること 十九章 最後の闘い、カモメを掴んだ手のこと 終章 万次郎の病床から見つかった二冊の本のこと  『白鯨のこと』 -あとがきとしてー

ジュリーの世界ジュリーの世界

著者

増山実

出版社

ポプラ社

発売日

2021年4月14日 発売

「あいつはな、誰よりも悠然と歩くんや」時代の大きな曲がり角となった70年代の京都に「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスがいた。無数の視線に晒されてもいつも目抜き通りの真ん中を歩き、商店街の一等地で眠る男。ガラス玉のような目で空を見上げる彼は、いったい何者なのか。なぜこの街にやってきたのか。交番に赴任したばかりの新人巡査・木戸が最初にその名を聞いたのは、ひったくりにあったと交番に駆け込んできた女性からだった。彼女は自分のネックレスを「河原町のジュリー」がひったくっていったと言うのだがーー。京都国体の開催を機に、街から「異物」が排除されようとしていく中で、彼の伝説は生きていた。かつてこの街で彼と人生を交錯させた人々は、やがてその「真相」を知る。人間の自由と尊厳を昭和の時代と令和の現代に浮かび上がらせ、人が「物語る」ことの意味を問うた感動作。 目 次 プロローグ 第一話 花の首飾り 第二話 坂の向こう 第三話 夜の猫たち 第四話 鳥の名前 第五話 熱い胸さわぎ 第六話 ジュリーと百恵 第七話 黒と白の季節 第八話 四十年後 第九話 真珠貝 第十話 再会 エピローグ あとがき

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