2021年6月7日発売
片田舎での暮らしを厭う高校生の奈緒は、東京から越して来た亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなる。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。書き下ろしミステリー。
85歳超えの退役海女たちは、後進の若者のために潜った海の海図作成に余念がない。カジメやアワビ、海底に突き刺ささる戦時の沈没船、水産大学校出の孫や嫁からきく天皇海山列と春の七草海山……円熟した作家による老女と潜水艦の異色冒険小説。
オーストリア・シュタイアーマルク州北部に、ヘリアナウという全寮制の学校がある。インディゴ症候群を患う子供たちのための学園だ。この子供たちに接近するものはみな、吐き気、めまい、ひどい頭痛に襲われることになる。新米の数学教師クレメンス・ゼッツはこの学園で教鞭をとるうちに、奇妙な事象に気づく。独特の仮装をした子供たちが次々と、車でどこかに連れ去られていくのだ。ゼッツはこの謎を探りはじめるが、進展のないまますぐに解雇されてしまう。その15年後、新聞はセンセーショナルな刑事裁判を報じる。動物虐待者を残虐な方法で殺害した容疑で逮捕されていた元数学教師が、釈放されたというのだ。その新聞記事を目にした画家のロベルト・テッツェルはかつての教え子として、ゼッツが手を染めたかもしれない犯罪の真相を追いかけていくー軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。
法律事務所が建ち並ぶロンドンの古い通りで起きる難事件にリチャードとリヴァーズエッジ刑事が挑む!アメリカ大統領ウィルソンも愛読したミステリ作家、J・S・フレッチャーの長編です。 ベッドフォード・ロウの怪事件 訳者あとがき
「神殿を建てよ」「大自然を元に戻せ」「争いをやめよ」人類が和することを合図として神は発動するときを待たれている。人類は神と出会い争いをやめることができるのか。『ムーとアトランティス』に続く待望の第二作!