2022年1月19日発売
ステートメント・ピアス、脱毛、タンニング、12センチのハイヒール、ハイビスカス色のビキニ…。U野は筋トレに励む会社員。Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められる。筋トレと食事管理によって体は引き締まっていくが、大会で結果を残すには筋肉のみならず「女らしさ」も鍛えなければならなかった。世の常識に疑問を投げかける圧巻のデビュー作。第166回芥川賞候補作。第45回すばる文学賞佳作。
ダイナゼノン、グリッドナイト、ゴルドバーン、全員の力を合わせた超合体竜王・カイゼルグリッドナイトは、その圧倒的な力で強敵怪獣・ギブゾーグを撃破。束の間の平和が訪れる。だが、その裏では不穏な何かが胎動を始めていたー。ある日の朝、麻中蓬がガウマと出会うと、彼は何故か蓬の名前を覚えておらず、まるで初対面かのような素振りを見せる。そして、南夢芽もまた蓬と初めて会話した時と同じ言葉を繰り返した。蓬は自分がタイムスリップでもしてしまったのではないかと混乱する。その直後、全く未知の怪獣が街に出現。戸惑いながらも再びダイナゼノンに搭乗し、戦いを繰り広げる蓬だったが、その時彼は、見たことのない色をした謎のダイナソルジャーを手にしていることに気付く。それは、不可思議な日常とさらなる死闘の幕開けだった。
“ジャパニーズアイ”は右目が黒くなるだけのクズスキル。荷運者のリオは、自分のスキルをそう思い込んでいた。しかしある日、勝手に能力が発動してしまい、誰も見向きもしないハズレアイテムに不思議な文字が浮かぶ。「“味噌”…って、なに?」試しにそれを使ってみると、野菜の煮汁が美味しい味噌汁に!更に、この味噌汁がきっかけでS級冒険者のパーティーに誘われ、人類の危機にも大活躍!?カレー、ちゃんこ、豚汁。これは、どこかで見たことのある料理で奮闘する、頑張り屋な少女の物語。
横須賀基地近くで殺人事件が発生、米海軍犯罪捜査局が捜査に加わる異例事態に。一方、竜崎の同期でトップ入庁の警察官僚・八島が神奈川県警に赴任してくることになるが、彼には不穏な噂がつきまとっていた。さらに、息子の邦彦が留学先で逮捕されたという報が…。波乱含みの人気シリーズ第九弾!
高知から終点宿毛へ走る特急「あしずり」で、新任大臣が毒殺された。これを発端に、各地で不気味な事件が続発する。ところが、第一容疑者には常に確実なアリバイが。世直しを訴える奇妙な手紙との関係は?十津川警部は、姿なき犯人と闇で蠢く難事件に、いかに立ち向かうのか。
この美しい毒は、なぜこの世に存在するのか。昭和13年、北海道東部の山奥で自然水銀の湧く巨大鉱山が発見された。水銀と共に生きる一族の青年・榊アシヤ。鉱業所所長の息子・那須野源一。戦争の混乱、失踪と殺人、水俣の公害問題…赤い岩を巡り、二人の青年の運命は翻弄されていく。
東京都北区に住む彫刻家の自宅から「妖精」が誘拐された!?ブロンズの少女像が忽然と消えてしまったというのだ。同じ頃、荒川河川敷で絞殺死体が見つかる。浅見光彦は、一見何の繋がりもない二つの事件に、同じ四桁の数字が関係していることを発見する。事件解決の鍵と思われたが、ある一族の「呪い」や少女像のモデル探しが絡み事態はさらに錯綜するー。地元・北区で起きた難事件に名探偵が挑む!
中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは、主戦場を尖閣諸島魚釣島へと移し、激戦が繰り広げられた。土門康平率いる“サイレント・コア”部隊は台湾軍と共同作戦を取りながら、米軍の協力を得て、中国軍を島から撤退させることに成功する。その頃、成田空港に降り立った人民解放軍の秘密部隊が、ベトナム人技能実習生グループを装って、「超限戦」の作戦を開始。日本をブラックアウトさせた。中国の狙いは、日本同様ブラックアウトした台湾への侵攻。人民解放軍の大艦隊がついに台湾へと迫る。待望の“第二部”いよいよ開幕!
東京の宝石店外商員・北野敬の死体が城崎温泉を通る円山川で発見された。しかし宝石店社長は北野という社員は会社にはいないという。さらに、一年前には鳥取の三朝と島根の玉造で、北野から愛人のために宝石を買おうとしていた地元の名士が、代金支払いの直前に相次いで不審死していた事が分かる…。北野という男は一体何者だったのか?山陰の温泉町で起こる連続殺人に、十津川警部の推理は!?
人間のテレポート能力をインフラとする“テレポータリゼーション”社会が到来した未来。事故でテレポート能力を奪われ失意の生活を送る赤川勇虎は、違法テレポートを駆使する麻薬密売組織から逃げ出した少女ナクサを救い、組織の刺客に追われる身となったー。超越的なテレポート能力に目覚めた勇虎は、ナクサとの逃亡の果てにこの世界の根幹に関わる秘密を知る…緊迫のロードノベルが宇宙規模にまで膨張していく、ハイパーインフレ瞬間移動SF。第9回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。
人の手を一切介さない“完全自動運転車”が急速に普及した2029年の日本。自動運転アルゴリズムを開発する企業、サイモン・テクノロジーズ社の代表・坂本義晴は、ある日仕事場の自動運転車内で襲われ拘束された。「ムカッラフ」を名乗る謎の襲撃犯は、「坂本は殺人犯である」と宣言し尋問を始める。その様子が動画配信サイトを通じて全世界へ中継されるなか、ムカッラフは車が走っている首都高速中央環状線の封鎖を要求、封鎖しなければ車内に仕掛けられた爆弾が爆発すると告げる…。ムカッラフの狙いは一体何かー?テクノロジーの未来と陥穽を描く迫真の近未来サスペンス長篇。第9回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。
爺さん犬のシェップがとうもろこし倉に近づかないのは、あそこで幽霊を見たことがあるからだよーアメリカの片田舎にある農村でまことしやかに語られる幽霊譚を少年ふたりがたしかめようとする表題作、川窪に住む謎の存在“せっかちのっそり”が田舎町の高校のフットボール・チームに入ったことから起こる凄惨な事件の顛末を描いた「チョスキー・ボトム騒動」、“奇妙な魚”と呼ばれる亜人類の母子の旅路を寓話的に描ききる著者渾身の中篇「さあ、恐れなく炎の中へ歩み入ろう」など、奇妙で不思議な全9篇を収録。全篇初邦訳、奇想の王たるラファティが贈るとっておきの伝奇集。
私たちは、この一週間で大人になる覚悟を決めた。「ドミナン事件」から5年。森奈緒、片山希莉、市原琴音たちは自立し新生活を始めていた。ある日、希莉の書いた小説が、若手人気女優・真瀬環菜名義で発表されることになる。不服ながらも抗えない希莉。さらに小説が発表されるや、作中の事件をなぞるように「事件」が発生してしまう。偶然とは思えないが、誰が何のために模倣したのかは見当もつかない。真相に近づこうとしたとき、ふたたび逃れられない悲劇が彼女たちに忍び寄る…。
あの野郎、想像を絶する凶悪犯かもしれないぞー 伊予ヶ岳の山頂付近で発見された若い女性の死体。事故死あるいは自殺と思われたが、彼女が最近までストーカー被害に遭っていたことがわかる。千葉県警生活安全隊の山下正司は、彼女の死への関与を疑うが、ストーカー加害者は名家の御曹司で、事情聴取にも妨害が入る始末。さらに、その家族が銃撃されたという通報が入り、混迷は極まる。次に狙われるのは、そして、事件の中心にいるのは、誰なのか?
真面目な女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこには、明良と華南子という兄弟が、深刻な事情を抱えた子どもたちの里親となって、高齢の母、類子と暮らしていた。貧困、未婚、虐待、難しい背景をもつ里子たちを慈しんで育てる彼らにも、運命に翻弄され絶望を乗り越えた苦しい過去があった。話題作『展望塔のラプンツェル』に続く、家族の在り方に迫る物語。
七年前に新潟市内で起きた誘拐事件。凛(中一)と翔(小六)の姉弟が連れ去られるも、二人は無事生還。しかし、過激発言が売りのコメンテーターが二人の母・尚子を批判したことから猛烈な「母親バッシング」が起こり、尚子は廃ビルで転落死してしまう。事件の真相が解明されぬまま月日は流れ、件のコメンテーターが他殺体で発見される。同じ頃、姉弟は引き取られた施設を退所し、置き手紙を残して姿を消していた…。
イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。短篇は一つ一つが小さな絵のよう。言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。