2022年1月6日発売
他人の強い思いをビジョンとして視ることのできる少女クララは、ある日を境に若い女たちが傷つけられる不吉なビジョンを頻繁に視るようになる。カジノのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとするが……。エドガー賞受賞のサスペンス。
人生のレールを外れても、夢みることを忘れてしまっても、彼女には音楽があった。五線譜の奏でに導かれるように精神科医を志した亜紀は、家庭環境の影響もあって高校を中退してしまう。深い苦しみには、癒やしの旋律をー。誰かが悲しんでいるのなら、ピアノを弾こう。“音楽”には全てある。出逢い、離別、享楽、悲哀、辛苦、苦悩、屈辱、絶望、孤独、沈黙。そして、再生ー。愛と人生を奏でる中編小説、ついに文庫化。
平凡な司祭だったジャネイだが、長い礼拝を終えて聖堂を出てみると、世界は一変していた。聖職者であるはずのシスターたちまでが、異性との行為に積極的になっている。どうやら教義と共に常識も変わっているようで、聖者として子作り教義を実践することに!?
目羅博士でも真相は見抜けまい。 大乱歩が読んだら、どれだけ喜んだことだろう。 ーー春日武彦(精神科医)推薦! 心理学を専攻する大学院生の夷戸と彼の先輩の根津、ふたりの行きつけの喫茶店のマスターの美菜は三人で壱岐に旅行にやってきた。 根津の提案でボートを借り、かつて隠れキリシタンの島民が大量死したという曰くある島「弔月島(ちょうげつとう)」の見物に出かける三人。島にはキリシタンの末裔である富豪が築いた奇妙な館・淆亂館(ばべるかん)が残っていた。 上陸した三人は、「館の使用人」を名乗る獰猛な男たちに拉致され、館に軟禁される。そこにいたのは、有名な劇団のメンバーたちとゴシップ記者。淆亂館の主は、彼ら全員と因縁のある、十年前に失踪した「伝説の俳優」なのだと言うが…… 謎の黒衣の男が跋扈し、次々と起こる謎めいた殺人。作者渾身のシリーズ第三作は、異常なロジックと奇矯なトリックが炸裂する傑作変格ミステリ! プロロオグ 渚にて 一 暗鬱なる島へ 二 淆亂館の主人 三 消失と出現と 四 因辺留濃への道行 五 宴の精神病理学的考察 六 悪夢と悪魔 七 会議は踊る、されど進まず 八 了解操作が始まる、すべてが終わる 九 宗教的な、余りに宗教的な エピロオグ 弔い月の下にて