2022年10月11日発売
「いくつになっていたって、私には未来がある」 スーパーのレジで働く立花カオル。五十五歳になった今、瞼はたるんで足は象のようにむくみ、転がるように醜くなった。何を見聞きしても感情の針が動くことはなく、すべてのものが灰色に見えていた。寝るためだけの六畳間の自宅とパート先を往復するだけの、ひたすら「孤独」で味気ない毎日。家に帰るといつも「灰色のハイエナ」に見られているような幻影に悩まされていた。しかし、ある偶然の再会によって、カオルは新たな生きる希望を抱きはじめ……。 灰色の世界 十四歳 予感 奇跡 色 半月の夜 道
スウェーデン人の父と日本人の母の間に産まれたさやは、弟の孝一が医学部に入学したため、訳あって帰国した父に代わり、孝一の学費や仕送りのため、昼はデパートで夜は銀座のバーでホステスとして昼夜働いていた。一方の孝一はそんな母と姉の苦労を知り、学業優先の生活を送っていた。そんな時、同じ大学のゆきと出会う。彼女に好意を抱いたが先の事情もあり、学業とバイトの空き時間にしか付き合うことができなかった。そんな一家をコロナが襲った。度重なる自粛要請により昼夜の仕事も苦境に立たされていた。美しいさやに言い寄る男達の中でも年の離れた榊原に魅かれたのは、会えぬ父への憧憬からか?不倫関係であることに恐れを抱きながらも逢瀬を重ねるうちに榊原の娘が孝一の交際相手であることを知り、衝撃を受ける……。懸命に生きようとするさやを阻むように立ちふさがる壁、彼女は新たな人生を掴みとることができるのか。 第一章 ラブゲーム/第二章 プラトニックラブ/第三章 コロナ/第四章 虚飾の愛/第五章 未知への歩み
あなたのことは、最初から疑っていましたーー 罪を犯した者たちの前に、 死神めいた風貌の警部が立ちはだかる! 〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ、大人気倒叙ミステリシリーズ あなたのことは、最初から疑っていましたーー漫画家を殺してしまった週刊漫画誌の編集者、悪徳芸能プロモーターを手にかけた歌謡界の元・スター、部下の裏切りに報復する人気タレント文化人、過去を掘り返そうとする同僚の口を封じた美大予備校の講師……彼らは果たして、いつ、何を間違えてしまったのか。罪を犯した者たちの前に、死神めいた風貌の警部が立ちはだかる。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ、大人気倒叙ミステリシリーズ! ■目次 「第一話:愚者の選択」 「第二話:一等星かく輝けり」 「第三話:正義のための闘争」 「第四話:世界の望む静謐」
【受賞作決定!】 第32回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩 第19回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信 【第19回ミステリーズ!新人賞受賞作】 ルナティック・レトリーバー 真門浩平 ●名門大学学生寮で、日食の最中に巻き起こった事件を描く。第19回ミステリーズ!新人賞受賞作 【新連載】 明治殺人法廷 第1回 芦辺 拓 1(ONE) 前編 加納朋子 【小説】 ねじれ位置の殺人 犯罪相談員〈3〉 石持浅海 きみのかたち 第4回 坂木 司 特撮なんて見ない 第4回 澤村伊智 記憶の対位法 第2回 高田大介 ファインダー越しの、 秋永真琴 『昭和ふしぎ探訪』 愛蔵版に寄せて 榊林 銘 黒いレプリカ 櫻田智也 二十七番目の男 ネイサン・イングランダー 小竹由美子 訳 【特別企画】 新訳版『長い別れ』刊行記念対談! 田口俊樹×杉江松恋 鮎川哲也賞受賞者特別対談 青崎有吾×今村昌弘 【ESSAY】 装幀の森 第3回 アルビレオ ぼくたちが選んだ 第5回 有栖川有栖・宮部みゆき・北村 薫 翻訳のはなし 第5回 短歌と小説、どちらがこわい 金原瑞人 乱視読者の読んだり見たり 第4回 死人に口あり 若島 正 ホームズ書録 これはホームズ翻案なのか?「探偵小説 二重棺の秘密」 北原尚彦 【COLUMN】 ひみつのおやつ*季節限定パフェ 敷島シキ 私の必需品*パーソナル密室 北山猛邦 【INTERVIEW 期待の新人】 荒木あかね 【INTERVIEW 注目の新刊】 『仕掛島』 東川篤哉 『録音された誘拐』 阿津川辰海 【訃報】 追悼 松田道弘氏、三田皓司氏、島崎 博氏、光原百合氏 戸川安宣 追悼 Noribou(唐仁原教久)氏 編集部 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
発売即重版の大人気シリーズ、第二弾! ゆるゆると自由気ままな異世界生活を満喫! もふもふした幼児が大活躍の異世界転生ファンタジー! 自分の正体が聖獣であることが判明したケータは、それでもゆるゆると異世界生活を満喫。 アールスハインと共に魔法の能力を急速に高めていくが、その活用方法は異世界の常識を覆していく。 そんなケータたちの前に、謎のもふもふが現れてーー ゆるゆると自由気ままな生活を満喫する幼児の異世界ファンタジー、第二弾!
WEB版3万字弱の人気短編を長編作品へと大幅改稿!! 推しを守るためなら、騎士にだってなります! コミカライズ企画進行中! 『推し』、それは乙女にとって最も尊く、憧れの存在。 「私の推し……クライヴ様は本日もなんて素敵なのでしょう」 クランベル王国の大貴族ーーモルガー公爵家の末娘アリスは、ふたつ年上の近衛騎士候補を眺めて静かに呟いた。クライヴはアリスの幼馴染で、モルガー公爵家の隣に住むレイラン子爵家の次男。彼は、王宮の中でも最難関と言われる近衛騎士の試験合格を目指し、現在はレイラン家の庭で自主練習の身だ。屋敷が隣同士ということもあり、アリスは頻繁にレイラン子爵家に出入りしていた。 そんなある日、クライヴが突然訪問してきて、「魔物討伐のためにしばらく会えない」と告げられる。推しのクライヴが前線で命を落とすかもしれない。そうした事態にいてもたってもいられなくなったアリスが神に祈りを捧げるとーー。
婚約破棄&追放された聖女、隣国で大活躍! ゆるゆると勝ち上がっていく異世界転生ファンタジー コミカライズ企画進行中! グラス森討伐隊で働く聖女シーナは、婚約者である第三王子にお気に入りの侯爵令嬢を虐めたという理由で婚約破棄&追放を言い渡される。 その瞬間、突然、前世で日本人であった記憶を思い出す。 自分が搾取されていたことに気づいたシーナは喜んで婚約破棄を受け入れ、可愛い侍女キリのみを供に、魔物が蔓延るグラス森に一歩踏み出したーー 虐げられていた追放聖女がその気もないのに何となく勝ち上がっていく異世界転生ファンタジー、開幕!
隣国サルバーレ王国での実績を称えられ、対プロメテウスのため創設される騎士団の団長に任命されるエクス。プライベートでも、愛するアリスとの結婚式に向けて、式場探しに、ウェディングドレスの素材探し、招待客を誰にするかの相談と忙しい毎日を送ることに。そんな流れで、エクスは新種の高純度のダイヤモンドがある場所で発見されたことをアクセサリー店の店主から聞きつける。アリスの結婚指輪のために辺境の鉱山を訪れたエクスを待っていたのはー。プロメテウス、新設騎士団団長、アリスとの結婚式の準備とエクスの問題は山積み。はたしてアリスとエクスは最高の結婚式を迎えられるのか。乙女ゲームの攻略対象の一人、騎士団長の息子に転生した主人公が婚約者となった悪役令嬢を溺愛していく甘いだけの物語、第二弾!
大昔に存在したサピエン人はネアンデル人から知識を授かり、様々な困難に立ち向かってゆく。人類の進化の“特異点”をユーモラスに描いたファンタジー小説。
米国の田舎ネブラスカ州出身のオタク青年、トミー・ケントはヤクザに憧れて来日する。だが、わらじを脱いだ新宿・歌舞伎町の組には任侠道のかけらも残っていなかった。シノギといえば、「アワビの密漁」「スイカ泥棒」「AV出演」など、しょぼいビジネスばかり…。落胆したトミーは小指を詰め、昔ながらのヤクザが現存するという“修羅の国”北九州へと向かう。青い目のIT世代ヤクザが世界最強の武闘派集団、「富拳一家」を築き上げた立志伝の始まりである。手に汗握るハードボイルド・アクションと大爆笑コメディが完全融合!「理屈抜きに面白い」エンタメ小説の極北。
虚空の闇に浮かぶ魔法使い養成学校〈スコロマンス〉。入学した生徒たちは絶え間なく襲ってくる怪物たちから身を守りつづけなくてはならず、例年、卒業式まで生きのびる生徒は四分の一にも満たない。そして、最大のサバイバル試練の場となる卒業式では、飢えた怪物たちで満たされた卒業ホールを脱出し、現実世界に戻らなくてはいけない。 最凶の怪物〈目玉さらい〉を倒して怪物駆除装置を仲間たちと修理し先輩たちを卒業させたガラドリエルとオリオンも、いよいよ最終学年。三年生まで孤高のはぐれ者だったエルにも、今やアアディヤとリューという心強い卒業チームの仲間がいる。初めての友情に心を熱くしながら力を合わせて卒業式をサバイブしようと鍛錬の日々を重ねる中で、エルは自分たちさえ生き残ればいいというスコロマンスの常識に疑問を抱くようになる。母に釘を刺されたオリオンとの恋も進展、次第に仲間たちと想像を絶する計画を打ち立てていく…。
製鉄所が閉鎖される。 雇用が失われ地域経済は停滞するかもしれない。 地元の衰退を食い止めるため理想の町づくりに邁進するも思わぬ事件でそれは崩れていく。 国際化がいけなかったのか。 県会議員とは一体何だったのか。 西口にとってその答えは悲しいものだった。 (ニュータウンの憂鬱)
アジア解放の戦いで戦死した皇軍兵士・敬。霊となった敬に与えられた役割は、戦場の様子を高天原に報告することであった。幕末の尊攘派志士の霊たちと交流しながら戦地を駆け巡る二人の男女を描いた小説。
戦国の世が終焉に向かう時代、天下統一を目指した織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康。当時の朝廷や武家の動きなどを丹念に調べ、判明した事実を紡ぎながら、三人の英傑の生きざまを描く三部作。