小説むすび | 2022年2月4日発売

2022年2月4日発売

ミシンと金魚ミシンと金魚

出版社

集英社

発売日

2022年2月4日 発売

【第45回すばる文学賞受賞作】 選考委員絶賛! 小説の魅力は「かたり」にあると、あらためて感得させられる傑作だ。--奥泉光氏 この物語が世に出る瞬間に立ち会えたことに、心から感謝している。--金原ひとみ氏 ただ素晴らしいものを読ませてもらったとだけ言いたい傑作である。--川上未映子氏 (選評より) 認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。 父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。 そして、ある夜明け。カケイは便所で女の赤ん坊を産み落とす。その子、みっちゃんと過ごす日々は、しあわせそのものだった。それなのにーー。 暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟……絡まりあう記憶の中から語られる、凄絶な「女の一生」。 【著者略歴】 永井みみ ながい・みみ 1965年神奈川生まれ。ケアマネージャーとして働きながら執筆した本作で第45回すばる文学賞を受賞。

落花流水落花流水

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小学館

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2022年2月4日 発売

現役受験生作家がリアルに紡ぐ受験生の青春 舞台は、とある地方都市。高校3年生となり、受験生の水咲。 ある朝、町中の尊敬を集める「先生一家」の門前にパトカーが何台も集まり大ニュースに。そこは昔から憧れの的だった、現在通う高校の生物教師の家でもある。水咲といつも一緒の幼なじみ・聖二と愛海も心配で駆けつけるが、手錠をかけられ警察に連行されて出てきたのはなんと憧れの生物教師だった! その先生は幼い頃から水咲にとって特別な存在。先生をひたすら信じたい一心から水咲はまた別の事件にも巻き込まれてしまい……。 著者が現役受験生として受験勉強と並行して描いた、地方都市在住受験生の青春を描いた初恋小説。読後爽快、リアルな青春を鮮やかに描く。 【編集担当からのおすすめ情報】 「さすがに、受験生の高3は執筆は無理ですよね」と、2,3年前から話をしていました。お互い、すっかりそのつもりでした。でも、著者が実際に高校3年生となったある日、「やっぱり小説を書きたい」との連絡が。「え?本当に?」最初は半信半疑でしたが、それなら、と『現役受験生が描く受験生の青春小説』を書いてほしい、と提案をしました。現役受験生のナマの感情が詰まった小説を読める機会なんて、ないですから。そして秋に上がってきたのが、この小説です。大人の私が読んだ最初の感想は目からウロコ、でした。令和の受験生は新しい! とてもかわいい初恋小説であり、思わず笑顔になる青春小説。そしてご報告ですが、その後、自身の受験では、無事、志望校に合格し、はれて来春からは大学生になります。

百年目の『ユリシーズ』百年目の『ユリシーズ』

20世紀を代表する文学作品『ユリシーズ』。ジェイムズ・ジョイスがこの傑作を世に送り出してからちょうど百年目にあたる2022年、ジョイス研究の枠を越えて気鋭の論者が結集した。多様な視点から、『ユリシーズ』の「百年目にふさわしい読み」を提示する論考群。 前口上(下楠昌哉) 『ユリシーズ』梗概+『オデュッセイア』との対応表(宮原駿) 『ユリシーズ』主要登場人物一覧(宮原駿) ジェイムズ・ジョイス評伝(田村章) 1.横たわり尖がって『ユリシーズ』を読む 横たわる妻を想う──ジェイムズ・ジョイスと〈横臥〉の詩学(小島基洋) 眼を閉じるスティーヴン、横たわるベラックワ──「子宮」イメージの変容とアリストテレスの思考の継承(深谷公宣) 違法無鑑札放浪犬の咆哮──『ユリシーズ』における犬恐怖と狂犬病言説(南谷奉良) 「キュクロプス」挿話のインターポレーション再考(小野瀬宗一郎) ジェイムズ・ジョイス作品における排泄物──古典的スカトロジーから身体の思考へ(宮原駿) 2.『ユリシーズ』を開く──舞踏・演劇・映画・笑い ニンフの布──ニジンスキー『牧神の午後』と「キルケ」挿話の比較考察(桐山恵子) ハムレットを演じる若者たちのダブリン──「スキュレとカリュブディス」挿話におけるスティーヴンの即興演技(岩田美喜) 『ユリシーズ』とヴォルタ座の映画(須川いずみ) 『ユリシーズ』のユグノー表象に見る移民像と共同体(岩下いずみ) 『ボヴァリー夫人』のパロディとしての『ユリシーズ』──笑い・パロディ・輪廻転生(新名桂子) 3.『ユリシーズ』と日本 『ユリシーズ』和読の試み 『太陽を追いかけて』日出処へ──ブッダ・マリガンと京都の芸妓はん(伊東栄志郎) 海の記憶──山本太郎の『ユリシィズ』からジョイスの『ユリシーズ』へ(横内一雄) 4.さらに『ユリシーズ』を読む 恋歌に牙突き立てる吸血鬼──スティーヴンの四行詩とゲーリック・リヴァイヴァルへの抵抗(田多良俊樹) 『ユリシーズ』で再現される夜の街─夢幻劇として読まない「キルケ」挿話(小田井勝彦) 「エウマイオス」挿話をめぐる「ファクト」と「フィクション」(田村章) 限りなく極小の数を求めて──「イタケ」挿話における数字に関わる疑似崇高性について(下楠昌哉) デダラス夫人からモリーへ──スティーヴンの鎮魂(中尾真理) あとがき(須川いずみ)

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