2022年3月21日発売
茨城県の山中にある寂れた神社の宝物庫にあった陶製の大瓶の一つから、膝を抱える体勢をとった古い白骨死体が発見された。その話を友人のフリージャーナリスト、小松崎から聞いた桑原崇は、大瓶と神社の祭神に興味を抱き、棚旗奈々を含めた三人で茨城へ向かうのだった。 警察や郷土史家らが出入りするなか起きる新たな殺人。その死体もまた瓶に入れられていた。QEDシリーズ長編!
ソウルのセヨン高校で給食費の横領事件が発覚。 動揺する学生たち、加熱するマスコミ、事態を抑え込もうとする教師たち、迫る大学入試……。 追及の先頭に立つ級友とともにビラまきをおこなった3年生のジェムンは、学校に対する怒りと、大学入試に影響が出ることを心配する母親との間で揺れていた。 不正義に直面したとき、私たちは立ち向かうことができるのだろうか? 大人の不正義をめぐって若者たちのさまざまな思いが交錯する表題作をはじめ、職場、就職活動、フランチャイズ店舗、ストライキ現場などで“希望”を求めて闘う人々が交差する10編の連作小説。 元新聞記者として現代韓国社会のリアルを鋭く見つめてきた気鋭の作家が贈る、闘いと希望の書。 ーーーー ここに登場する“働く人”は、私であり、あなただ。 私たちはこうやって行き過ぎた競争に極限まで追い詰められてきたと、何度も頷いた。 最低賃金で働き、家賃の安いアパートを借りるにも障壁があり、住んで、食べて、働く、という生きる基本が侵され続けている。 「でも、それ、間違ってる」 読みながら、そう確信させられた。その確信は抗い、変えようとする大切な第一歩だ。 あきらめるな、働く私たち! ーー和田靜香さん 激推し 鳥は飛ぶのが楽しいか 目次 日本の読者へ 第1部 切る バイトをクビに 待機命令 工場の外で 第2部 闘う ヒョンス洞パン屋三国志 人の住む家 カメラテスト 対外活動の神 第3部 耐える みんな、親切だ 音楽の価格 鳥は飛ぶのが楽しいか 作家の言葉 訳者解説