小説むすび | 2022年4月12日発売

2022年4月12日発売

氷の城氷の城

私はこの誓いを絶対に忘れない。 雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。 凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。 【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】 【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】 Is-slottet(1963) *** 【推薦のことば】 大人になっていくことの残酷さとイノセンスからの解放を、こんな風に鮮烈に描いた物語を他に知らない。 ーー山崎まどか(コラムニスト) 誰にも会いたくない日に読んだ。静かな言葉で書かれるからこそ、少女二人の燃えるような気持ちが胸にぎゅっと迫ってくる。 ーー朝吹真理子(作家) なんと平明で、繊細で、力強く、類のない小説なのだろうか。唯一無二の、忘れがたい傑作だ。 ーードリス・レッシング(英・ノーベル文学賞作家) 世界で一番有名でないことが不思議な本をもし選ばねばならないなら、それはタリアイ・ヴェーソスの『氷の城』だろう。 ーーマックス・ポーター(英・作家) 私がこれまで出版した最高の小説 ーーピーター・オーウェン(英・ピーター・オーウェン社社主) 第1部 シスとウン  1 シス  2 ウン  3 たったのひと晩  4 道の脇  5 氷の城 第2部 雪に埋もれた橋  1 消えたウン  2 眠れぬ夜  3 城を発つ  4 熱  5 深い雪のなかで  6 誓い  7 ウンを消し去ることはできない  8 学校  9 贈り物  10 鳥  11 空いた席  12 雪に埋もれた橋の夢  13 雪上の黒い虫  14 三月の幻影  15 試しに 第3部 木管奏者  1 おばさん  2 しずくと小枝のように  3 城が閉じていく  4 溶けゆく氷  5 開いた窓  6 木管奏者  7 城が崩れる  訳者あとがき

黄金虫変奏曲黄金虫変奏曲

たった四つの文字から「畏るべき豊穣」を生む遺伝情報と、バッハのゴルトベルク変奏曲。その二つの構造の不思議なまでの符合を鋳型にして、精巧なロマンスとサスペンスが紡ぎ出される。 1957年、遺伝暗号の解読を目指す若き生化学者スチュアート・レスラーに、一人の女性がゴルトベルク変奏曲のレコードを手渡す。25年後、公立図書館の司書ジャン・オデイは、魅力的な青年フランク・トッドから、奇妙なリサーチの依頼を受ける。夜ごとゴルトベルクを聴きながら凡庸なコンピュータ・アルゴリズムのお守りをしている、恐ろしく知的で孤独な同僚の正体を調べたい、と。長い時を隔てて存在する二組の恋愛が、互いを反復し、変奏しながら二重螺旋のように絡み合う。なぜレスラーは20世紀生物学の最大の発見に肉薄しながら、突如歴史から消えたのか? その謎が解かれていくとともに、芸術、言語、音楽、愛、そして生命の継承の意味までを巻き込んだ語りが縦横に拡がってゆく。 34歳の若きパワーズが持てるすべてを注ぎ込み、小説の四隅を押し広げようとした長編第3作にして、全著作のなかでも屈指のマスターピース。Time誌ブック・オブ・ザ・イヤー(1991)、Publishers Weekly誌ベスト・ブックス(1991)などに選出、全米批評家協会賞(1991)最終候補作。

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