2023年12月8日発売
『愛すれど君は遠く』生死の境を彷徨い、意識朦朧としたサラが目を開けると、大きな人影がー孤高の男、マッケンジー・ホーク。行方不明になった兄を救えるのは彼しかいないと、サラは命がけで厳寒の雪道をひた走ってきたのだ。「わたしの名前はサラ。助けて…お願い」彼女は低体温症で瀕死のところを救ってくれたホークを、美しい天使のように感じて安堵しながら、また眠りに落ちた。だが、元CIA局員の彼はあり余る財産はあれど、人を信じる心は持ち合わせていなかった。彼女が目覚めたら、こう告げるしかないー帰ってくれ、と。『もう一つのクリスマス』魅力的な同僚医師ダンとの将来をかつて密かに考えていたセイラは今、彼の子を妊娠していた。でもそれは切ないことに、不妊症の妹の代理母としてにすぎなかった。セイラの知らぬ間に妹がダンを誘惑して、結婚してしまったのだ。ダンとはもう結ばれることはないと頭ではわかっていても、いまだに彼への想いを断ち切ることができずにいた。そんなある日、セイラは車にはねられそうになり、重傷を負う。ダンが私の身を案じてくれるのは、おなかの赤ちゃんが大切だから。それ以外の気持ちがあるなんて、望むべくもない…。
エマは里親を転々とし、誰にも愛されずに苦労しながら成長した。だからイタリア富豪ニコとも、いつかは別れると覚悟して結婚した。しかし、彼との別れは意外なものだった。結婚後1週間で、彼は飛行機事故により帰らぬ人となってしまったのだ。エマは涙にくれたが、たちまち生活に困窮するようになって、やむにやまれず親切な男性とのプラトニックな結婚を決意する。ところが結婚式当日、亡くなったはずの夫ニコが教会に現れて叫んだ。「異議あり!」怒りの形相とともに彼は花嫁のエマに詰め寄ってきた。実は、彼女にはどうしても結婚しなければならない理由があった。おなかに宿った命ーニコの子供を産んで育てるために。
パーティでシャンパンを飲みすぎて前後不覚に陥った21歳のリリー。翌朝目覚めると、なんと見知らぬベッドの上にいた!バスルームでシャワーを浴びているのは、昨夜知り合った、精悍な顔だちをした年上男性パトリックだ。ああ、なんてことを!リリーは恥ずかしさから別れも告げず、あわてて自宅に逃げ帰った。そこで、はからずもパトリックの素性を知ることになる。彼は、リリーの父が経営する会社の取引銀行の頭取だった。あいにく父の会社は今、財政問題を抱えていて、彼に弱みを握られていた。その夜、彼女の家にパトリックが現れ、脅しまがいの驚くべき提案をした。「僕と結婚するんだ。さもないと、お父さんの会社は…」
信じた男に傷つけられて男性不信になったステファニーは、女手一つで4歳の娘を育てながら、身を粉にして働いていた。そんなある日、彼女はブルーグレーの美しい瞳の顧客、ラウルと出逢う。莫大な富を築いたその若き大富豪はしかし、恐ろしく尊大だった。最愛の娘と過ごす時間がなくなるほど遅くまで彼女を働かせたうえ、夜はパーティに同伴するよう要求してきたのだ。まるで愛人のように。一瞬でも彼をハンサムですてきな人と思った自分が信じられない!反発心が芽生えたステファニーは、自戒の念を込めて、彼といると胸の鼓動が速くなるのは怒りのせいだと思おうとした。なのに、ラウルは彼女の娘も、さらには母さえも魅了してしまい…。
亡き母に代わり、重い心臓病を患う父の世話をしてきたステイシアは、幼い頃から隣の大牧場の長男タナーを慕ってきたが相手にされなかった。ところが彼女が19歳のとき、片想いの恋に転機が訪れる。父の遺言を機に、タナーとステイシアは結婚することになったのだ。さもないとタナーのビジネスに悪影響が及ぶからという理由だったが。しぶしぶ形だけの結婚を選んだ彼はしかし、欲望に負けて妻を抱いた。そしてそんな自分を嫌悪し、新妻を置いてギリシアへ旅立ってしまった。独り取り残されたステイシアは、やがておなかに命が宿ったことを知る。タナーが帰ってきてこのことを知っても、きっと喜ばないでしょうね。だが、妊娠を歓迎されないより不幸な運命が、彼女を待ち受けていたー
父の遺言が明かされ、看護師のユーフィーミアは衝撃を受けた。父はこの住み慣れた愛する家を担保に借金をしていたのだ。悩んだ末、ユーフィーミアは家を人に貸すことにした。家賃収入を借金の返済に充てれば、大切な家を手放さずにすむから。だがようやく見つかった借り手は思いもよらない人物だったー父の治療を巡って激しく対立したドクター・ファン・ディードレイク!一分の隙もない身なりをした、冷淡、傲慢、無礼、尊大なオランダ人だ。とはいえ、契約さえ交わしてしまえば顔を合わせることもないはず。ユーフィーミアのそんな期待は、ほどなく裏切られるのだった…。
恋人から暴力を受けたスカイは、幼い弟たちを連れ、着の身着のままで逃げ出した。けれど、車が故障してどこにも行けなくなってしまうーどうすればいいの?車を修理するお金もなければ、連絡できる人もいない。困りきったところを助けてくれたのが、ハンサムなイタリア富豪エンツォだった。琥珀色の瞳をした黒髪で長身の彼は、スタッフに怪我を診させ、スカイにハウスキーパーの仕事を提案。エンツォの屋敷に住みこみで働くことになったスカイは、彼に「偽の恋人役を演じてくれないか?」と頼まれて…!?
高級なアートギャラリーで働くニコラには秘密があった。夜はふしだらな姿でナイトクラブのウェイトレスをしているのだ。もちろんそれには理由がある。じつは彼女は父親の顔を知らず、母親にも見捨てられ、学校に通う余裕すらなく弟を養っていた。ある日、ニコラはクラブでギャラリーの顧客、富豪アレッシオと偶然でくわした。問われるまま困窮している事情を明かすが、思いがけない提案をされる。“僕の母親の誕生日パーティに同伴してくれたら、高額の報酬を支払おう”と。人生最高のご褒美。でも私にできるの?ニコラの心は揺れた。
夫の葬儀の日、クリスティンはアナトールと再会した。夫の甥で、一族が率いる企業帝国のCEO、そして…元恋人。彼は私を、伯父を罠にかけて妻の座にありついた金目当ての女と決めつけ、容赦ない言葉を浴びせてくるだろう。でも5年前、当時、余命僅かだった彼の伯父と結婚したのは、生まれてくる我が子に家と家族を与えるためだった。クリスティンがアナトールに捨てられたあと、妊娠に気づいて途方に暮れていたとき、彼の伯父が現れて、形だけの結婚を提案してくれたのだ。だからこそ、いまアナトールに真実を打ち明けるつもりはない。とくに息子の出生の秘密については。
「妻としてきみを雇いたい」偶然出会った男性の言葉に、ジャニーンは目をまるくした。彼の名はマックスーロンドンから来たハンサムで裕福な実業家だ。復縁を執拗に求める不実な元妻を追い払うため、ジャニーンに新しい妻のふりをしてほしいのだという。報酬として提示されたのは、途方もない大金だ。ジャニーンが経済的に困っていることを知ったマックスは、臨時の妻役として彼女に白羽の矢を立てたらしい。悩んだあげく、ジャニーンはマックスの提案を受け入れた。愛を信じない男性への報われぬ想いに苦しむはめになるとも知らず。
失恋の記憶は、まだ苦くて、でもちょっと甘い。あいつの好きだったレシピ、成仏させます。元カレの好きだったバターチキンカレー、クズデパートの罪深ハンバーグ、爆モテ女の本気のおせち…切なくておいしい物語を召し上がれ!金曜夜、22時、場所は喫茶「雨宿り」。食べると元カレの笑顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。また、作れるようにいたします。
幼い頃からずっと好きだった幼馴染のセブラン。私と彼は互いに両思いで、将来は必ず結婚するものだとばかり思っていた。あの、義理の妹が現れるまでは…。母が亡くなってからわずか二か月というのに、父は、愛人とその娘を我が家に迎え入れた。義理の妹となったその娘フィオナは、すぐにセブランに目をつけ、やがて、彼とフィオナが互いに惹かれ合っていく。けれど、私がいる限り二人が結ばれることはない。だから、私は静かにここから消え去ることにした。二人の幸せのために…。
なんでも私のものを欲しがる義妹に婚約者まで奪われた。しかも、その婚約者も義妹のほうがいいと言うではないか。じゃあ、私は自由にさせてもらいます!しかし、さあ結婚もなくなり、大好きな魔道具を作りながら、自由気ままに過ごそうと思った翌日、元凶である義妹の様子がなんだかおかしい。ラノベとかスマホとオシとか、なにを言ってるのはわからない。あんなに敵意剥き出しで、思い通りにならないと駄々をこねる傍若無人な性格だったのに、どうしたのかしら?もしかして、義妹は誰かと入れ替わったの!?第11回ネット小説大賞早期受賞作品!
『黄竜メシレジンス』から帰還して数日後。ようやくのんびりできると思ったのも束の間、国境付近で盗賊団が騒ぎになってきた。やだなぁ、怖いなぁ、と思っていながら気球のお披露目を行う。その次は月末のイベント。ラナが去年から準備していたー夏祭り。最近お出かけ気味だったけれど、家にいても相変わらず大忙しなラナをサポートしようとするのだが…?これはちょっと不幸で最高に幸せな俺の話。第4回ツギクル小説大賞 大賞受賞作!