2023年4月18日発売
パリでテロに遭遇し危うく命を失いかけたところをビビアンに救われたベネディクトは、その鮮烈な出逢いに激しく心を揺さぶられる。のちに再会した二人は強く惹かれ合うが、ビビアンには特殊戦闘員としての戦いの使命が待っていた。その頃、同じく特殊戦闘員のイングリット、グレース、ウーテにもそれぞれの宿命が迫っていた。暗闇から光へ。愛と戦いに命を輝かせる女性たちの煌めきと切なさを描いた長編小説。
謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」) 防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を"次の段階"に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」) それは滅びか、救済かーー。 文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集! ◆赤坂真理氏、ラランド・ニシダ氏、推薦! 「退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする」 ニシダ(ラランド) 「するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ」 赤坂真理(作家) ※収録作=「こんとんの居場所」「白い霧」 こんとんの居場所 白い霧
僕の進むべき道はこれでいいのだろうか 昭和38年、農業高校を卒業して大学進学するも、 生き方を模索し静岡から上京した一人の若者がいた。 様々な人との出会いや仕事を経験しながら自問自答を繰り返し、 遂に医師になる決意をする。 晩年になっても夢を追うことを諦めなかった男の生涯を描いた成長記。 "旅立ち 昭和38年6月[21歳] 生い立ち 昭和16年10月〜 沖仲仕になる 宗教の勧誘 小田原の断食道場 昭和39年11月 念願が叶う 昭和40年3月 恋い焦がれと勉学と柔道と 医師になり、そして失恋 昭和44年3月〜 激務の中で結婚 昭和47年 転勤 昭和50年12月 健康管理センターに出向 昭和61年4月 光太郎の両親 アメリカ生活 平成5年12月〜平成6年5月 年中無休24時間体制の病院 平成10年 アフリカ行きを決意 平成18年〜[65歳〜] 全ての国、全ての人の幸福を願う エピローグ 令和2年〜[78歳〜]"
1923年、大正12年の関東大震災から時を経てフランスはパリの都に渡った一人の日本人。ベルエポックと呼ばれた20世紀の麗しの時代は、欧州の戦乱で失われたが、我が主人公はヴァイオリンを片手に、新たなふらんす物語を紡ぎ出す。パリジェンヌとの恋は成就するのか。波瀾万丈の日仏混合のコメディであり、小説のキュービズムがここに誕生する。
『源氏物語』に託された宿望! 幼くして安倍晴明の弟子となり卓抜な能力を身に着けた香子=紫式部。皇后彰子と呼応して親政の回復と荘園整理を目指し、四人の娘を四代の天皇の中宮とし皇子を天皇に据えて権勢を極める藤原道長と繰り広げられる宿縁の確執。 書き下ろし長篇小説。 2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』関連本! 第一章 不可思議な未来が展ける 第二章 源氏の物語を書き始める 第三章 彰子入内と怨霊との対決 第四章 天満宮上空に北辰が輝く 第五章 皇子の誕生と望月の和歌 終章 帝の夢を女院が引き継ぐ