2023年6月発売
白隠と並び称される誠拙周樗。不世出の名僧と母との心の葛藤を描いた感動作。禅僧として最高位に上り詰めた誠拙周樗は七歳のとき小僧に出された。最愛の母に捨てられたものと思っていた彼は、母の死後、それが苦渋の選択であったことを知った。母の辛い気持ちを顧みることが無かった吾身を深く恥じて後悔。そして懺悔の旅に出た。
1930年代米国南部。スカウトは弁護士である父のアティカスと暮らしていた。ある日、白人女性への暴行の嫌疑がかけられた黒人男性の弁護に父が就き、周囲の白人たちから反発を受けるがーー。少女の無垢な瞳を通して当時の黒人差別を克明に記した不朽の名作の新訳
蒸気機関が導入され発達した、もうひとつの李氏朝鮮王朝。あるときは謎の旅人として、またあるときは王の側近として、歴史の要所要所で暗躍した蒸気駆動の男=汽機人〈都老〉の500年間にわたる彷徨を描いた、5篇を収録した異色のスチームパンクアンソロジー
「ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた」、「髪の毛がこんがらにもこんがり合う、絡まりボサボサ頭」の晶子ー。カフカの『変身』や与謝野晶子の『みだれ髪』など、お馴染みの名作が「馴染み知らず」に変身。タイトルをヒントに想像力を広げてつむがれる、謎めいた会話、誰も見たことのない情景、あぜんとする結末…。言葉は、発想は、こんなに自由でいい!ウェブ連載時から話題騒然、傑作選に書き下ろし『ザリガニの鳴くところ』を加えた15話を収録。
「ある朝、目が覚めたら自分がベッドになっていた」、「髪の毛がこんがらにもこんがり合う、絡まりボサボサ頭」の晶子ー。カフカの『変身』や与謝野晶子の『みだれ髪』など、お馴染みの名作が「馴染み知らず」に変身。タイトルをヒントに想像力を広げてつむがれる、謎めいた会話、誰も見たことのない情景、あぜんとする結末…。言葉は、発想は、こんなに自由でいい!ウェブ連載時から話題騒然、傑作選に書き下ろし『ザリガニの鳴くところ』を加えた15話を収録。
小六の息子・颯太の授業参観で母校を訪れた新城幹太。学校での颯太は家とは別人のように活発で、幹太は動揺する。三十年前、自分がこのK小学校に転校してきた際に遭遇した奇妙な出来事を思い出したからだー「シェルター」。M小に異動してきた庄内真奈は、給与明細に「危険業務手当」として三十万円の支給が記載されていることに気づく。「危険業務」に思い当たるふしはなく同僚に聞いてみると、三年二組の誰かが「手のかかる」児童だとわかりー「危険業務手当」。保護者、教員、事務職員、PTA、校長ー学校に集う大人たちに起きた、子どもが知らない5つの奇談。
生前も死後も、デンマークの庶民から「トーヴェは私だ」と共感をもって読まれ、愛されつづける詩人・小説家トーヴェ・ディトレウセン(1917-1976)。 コペンハーゲンの貧しい労働者地域、西橋(ヴェスタブロー)地区に、火夫で文学青年崩れの父親、美人できまぐれな母親、美男で内向的な兄の妹として生まれた。「母の女の子」として育てられるなか、真の安らぎを得られるのは、父親が大切にしている本の中にいるときだけだった。トーヴェは決意する、「私も詩人になる」(『子ども時代』)。 高校進学を諦め、メイドやタイピストの仕事を転々とする生活がはじまる。憧れの恋愛と求める愛の間で揺れ動く日々。そんなある日、子どもの頃からノートに書き溜めていた詩の導きで、文芸誌『野生の小麦』の編集者ヴィゴー・Fとの運命的なめぐり会いをはたす(『青春時代』)。 詩集出版の夢が叶い、作家としての道が開かれてゆく。だが、有名になるにつれ、私的な生活は混乱をましてゆく。四度の結婚、薬物依存ーートーヴェは自滅へと向かってゆく(『結婚/毒』)。 自らの経験の全てを題材として、女性のアイデンティティをめぐる葛藤をオートフィクション/回想記として世に出したトーヴェ。自分に正直にあろうとする人間の生きるむずかしさを、文学と人生で表した。 ナチス・ドイツの影が迫り来る時代のコペンハーゲンを舞台に描かれる、記念碑的三部作を一巻にして贈る。 子ども時代 Barndom 青春時代 Ungdom 結婚/毒 Gift 訳者あとがき
シリーズ累計40万部突破!(紙+電子) 「さぁ、この村から脱出しますわよ?」 元娼婦の令嬢が「悪」で正義を貫く、痛快ラブファンタジー第5巻! 書き下ろし特別番外編&コミカライズ試し読み収録!
シリーズ続々大重版! コミックス1巻同月刊行! 「オレだけを見ててよ?」 番犬婚約者との学院生活開幕! 無垢な王女と腹黒アサシンの年の差・偏愛ファンタジー第4弾!
引き籠り薬師・ソフィアは『恥知らず』と義母たちに虐げられてきたーはずが、目覚めると、重罪で幽閉された悪徳令嬢・ヴァイオレットと体が入れ替わっていた!?牢獄とは思えない、ふかふかベッドに豪華食、薬草の研究三昧…一生ここで過ごしたい。そう願う彼女に“自分”の体が社交界デビューするという信じがたい噂が届く。自分を操る“彼女”の目的が掴めない中、裏で蠢く王族暗殺計画が動き始める!「ヴァ、ヴァイオレット様、これはどういうことですか!?」「お前、思ったよりも有能ね?」立場が逆転した令嬢コンビが共に隠された国の巨悪へと挑む!稀代の悪女×薬師令嬢の痛快・倍返しファンタジー!
「どこにいても 君のお兄様だからね!」 兄が妹の破滅回避に挑む、フルラブ・ファンタジー第6巻! シリーズ累計20万部突破! (紙+電子) 秋田書店よりコミックス第3巻同日発売!
麻生史緒は、幼馴染・周川幹彦と同居を始めた。お互い、女性トラブルで疲れきった心を癒す平穏な日常を求めていたのだが…自宅地下に空洞を発見?子犬のチビを拾ったその不思議な地下室は、世界中に突如出没し始めたダンジョンの一つだった!知らぬ間に“最初の踏破者”として前代未聞のチート能力を手にした二人はー踊る枝豆を家庭菜園で育て上げ、異世界では持ち込んだグッズで快適夜キャンプ。周囲の混乱もどこ吹く風で、剣と魔法の世界を自由気ままに楽しんでいく!「晩飯は何がいいかな?」「この魔獣焼こうぜ!」「ワン!(焼き肉のたれで食おう)」ペットの神獣をお供に進む、仲良し若隠居コンビのまったり冒険譚!
第7回東奥文学賞の大賞に輝いた作品。日野洋三さんが執筆した「漆花に捧ぐ」は、江戸時代中期の弘前藩で津軽塗につながる技法を築いた塗師・池田源太郎の物語です。数々の困難に直面しながら、家族の献身的な愛に支えられ独創的な塗りの技法にたどり着くまでを描いています。 最終選考委員の文芸評論家・三浦雅士さんは「視点を世界から日本、登場人物へと迫っていく作品の骨格は司馬遼太郎が開拓した手法に通じる」とたたえました。同じく委員を務めた芥川賞作家・川上未映子さんは「塗りの成立自体が作品構造にダイレクトに響いてくる」とし「文体もテーマも単独的で刺激的」と評価しました。
「これは、わたしが小学校の、高学年だった頃の話です」--少女が雑誌に投稿した、ある家族を襲った不気味な怪異の記録。悪化していく一方の父の怪我、何者かに乗っ取られ不気味な笑い声をあげる妹。そして親類たちの死。霊能者“マツシタサヤ”によって怪異は鎮められ、記録は締めくくられる。だが、この投稿を皮切りに、マツシタサヤを巡る不可解な記録が世に溢れはじめ……(澤村伊智「サヤさん」)。 同窓会をきっかけに、故郷の実家に泊まることになった「私」。すでに実家には誰も住んでおらず、何も無い家に過ぎないはずなのに、「私」以外の何者かの気配が段々と濃くなっていく。鳥籠の中で邪悪な笑みをたたえた阿弥陀如来像、座敷の蒲団の中で蠢くモノ、そしてーー。忌まわしい記憶とともに、何かが迫ってくる(三津田信三「何も無い家」)。 ホラー界の巨星、三津田信三が、屈指のホラー小説の名手六人それぞれに相応しいテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を」と依頼して編まれた戦慄のアンソロジー。 澤村伊智「サヤさん」 加門七海「貝田川」 名梁和泉「燃頭のいた町」 菊地秀行「旅の武士」 霜島ケイ「魔々」 福澤徹三「会社奇譚」 三津田信三「何も無い家」
韓国発ベストセラー、傑作Kヒーリング小説 【2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位】 【韓国で100万部超、シリーズ累計150万部超】 【ソウルで舞台版ロングラン上演。ENAにてドラマ化進行中】 ソウルの下町。亡き夫の遺産で建てたコンビニ「Always」を細々と営む元教師のヨムさんは、駅で無くした財布を拾ってくれたホームレスの男「独孤(トッコ)」と知り合う。記憶を失い言葉はたどたどしいが、誠実そうな独孤を見込んだヨムさんは、彼を深夜シフトの店員として雇う。近隣のコンビニに押され気味で品揃えが悪く、近所住人からは「不便なコンビニ」と呼ばれている「Always」の店員や客たちは、謎だらけで怪しげな独孤を警戒しつつ、一方でそれぞれに問題を抱えていた。 韓国でシリーズ累計150万部(2023年6月現在)、世界各国で出版され、舞台化、ドラマ化も進行中の大ベストセラー。誰もが生きづらさを抱えて生きるコロナ前夜のソウルを舞台に、人と人との関わり、罪と赦しを優しくユーモラスに描いた、8篇からなるKヒーリング小説の傑作。 【編集担当からのおすすめ情報】 本書は2021年春に韓国で刊行された小説の邦訳版です。著者は2013年の『望遠洞ブラザーズ』で世界文学賞を受賞しながらも、その後はずっとヒット作に恵まれませんでした。そんな中で細々と発表された本作は、電子書籍プラットフォームから火がつき、またたくまに大ベストセラーとなり、2022年には大型チェーン書店「教保文庫」と大型電子書籍店「YES24」でもっとも売れた「今年の一冊」に選ばれました。2022年夏に刊行された続編『不便なコンビニ2』と合わせて150万部(2023年6月現在)を売り上げ、本書に似せた装画の本が次々と刊行され、「Kヒーリング小説」という新たなジャンルを生むなど、社会現象となっています。 そのような華々しい道を辿っている作品ですが、描かれるのはむしろ普通の人々のささやかな営みと、痛みや優しさ、人との関わりから生まれる何かです。それぞれに小さな生きづらさを抱えている登場人物にも、どこかしら共感していただけるのではないかと思います。本書を読むことで、ひとときの癒しや救いを感じていただければ幸いです。