2023年7月21日発売
書物に仕えることが僕たちの仕事だ。書き残そう。二度とまちがえないように。アスタリット星国で写本士見習いとして働く十五歳のコボル。写本士の仕事は、数年に一度起きる災害“塵禍”や戦争の被害を受けた土地から本を救出して正確に書き写し、文化をつないでいくことだ。コボルは塵禍に見舞われた隣国・メイトロン龍国へ、仲間たちと初の任務に赴く。龍の伝説が残るメイトロン龍国を調査するうち、アスタリット星国が隠していた真実を知ってしまったコボルたちは、孤独な戦いへと身を投じることになるがー。圧倒的なスケールと文学的モチーフで贈る冒険ファンタジー、開幕!
「最恐の幽霊屋敷」という触れ込みで、貸し出されている一軒家がある。幽霊を信じない探偵・獏田夢久は、屋敷で相次ぐ不審死の調査を頼まれる。滞在した者たちが直面した、想像を絶する恐怖の数々。屋敷における怪異の歴史を綴ったルポ。そのなかに、謎を解く手掛かりはあるのか?幾多の怪異と死の果てで、獏田を待ち受けるものとはー。
日本「国」の礎を築くため、遣唐使に託された密命とは。阿倍仲麻呂と吉備真備。彼らはなぜ後世に名を残したのか。緊迫する東アジアで、日本は古代中国の大帝国にどう対峙したのか。直木賞『等伯』から10年、日経連載から新たな代表作が誕生した!
阿倍仲麻呂はなぜ、日本に帰らなかったのか。玄宗皇帝と楊貴妃に近侍する高級官僚・仲麻呂は、日本の朝廷の密命を帯びていた。唐を揺るがす動乱が、彼の運命を翻弄する。ユーラシアから日本を見る、壮大なスケールで日中関係の淵源に迫る!
神奈川県警のエース・佐伯が挑むのは、警察全体を揺るがす未曾有の組織改変!しかしその裏には、あらゆる思惑が複雑に交錯していたのだったー。巨大組織を舞台に繰り広げられる裏切りの連続から目が離せない、スリリングな警察小説。最後に信じられるのは誰か?
十七歳の鬼島鋼太郎が出会ったのは、白いワンピースのような服に身を包む美青年。「アストラル神威」と名乗るその青年は、『せいしゅん』をするために橋の上から川に飛び込んで溺れそうになるなど、予測不能な行動ばかりをとり、鋼太郎を困惑させる。鋼太郎と友達になりたいと言う神威に対し、面倒に巻き込まれたくない鋼太郎は、悪い奴ではないと感じつつも、そのままその場を後にした。しかし数日後、アストラル神威が鋼太郎の通う高校へ転入してくる。青春を謳歌しようとする神威に巻き込まれながら、鋼太郎もともに高校生活を送るが、そのうちに神威が抱える「恐ろしい秘密」を知りー。
囲碁の世界に魅了され、驚異的なスピードで上達を続ける新人商社マン井山、囲碁の奥義につながる黒い扉の謎、そして会社人生を左右する運命の対抗戦。物語はクライマックスに向けて突き進みます。本書は週刊碁で連載され、多くの棋士や囲碁ファンに絶賛されたファンタジー囲碁小説を書籍化したものです。
将軍・慶喜に従い戊辰戦争で京から敗走した松平定敬は、各地で転戦し、函館五稜郭に向かう。そして主人を失った桑名城では、民百姓の命を優先する若きリーダー・酒井孫八郎が奇抜な説得工作で藩論をまとめ無血開城を果たすー。幕末動乱期の桑名を発した転戦の日々、若者たちの熱情、忠義、葛藤を描く。