小説むすび | 2023年8月30日発売

2023年8月30日発売

伯爵を愛しすぎた家なき家政婦伯爵を愛しすぎた家なき家政婦

愛する人の愛人にはなりたくない。 でも、せめてつかの間だけでも愛されたい。 両親に家を追い出されて以来、イギリス中をさまよったケイトは、 半年前にとうとう無一文になってしまった。 運よく、湖水地方にある主人不在の伯爵邸で家政婦の仕事を得て、 ほかの使用人と屋敷の切り盛りをしながら平和に暮らしていた。 だがある日、主人である伯爵ヘンダーソン卿が突然イタリアから帰国。 2人の妻を妊娠と出産で亡くした過去を持つ彼は、 不幸な思い出の残る屋敷を売り払うために帰ってきたのだ。 ケイトは思いとどまらせるため、伯爵を楽しませようと心を砕くうち、 いつしか密かな恋心を抱くようになっていった。 そうとも知らず、彼はケイトにひとときの愛人契約を持ちかけて……。 伯爵に想いを寄せるケイトは、愛人になるのを一度は断りながら、彼が滞在している間だけでも愛されたいと思い直して応じることにしますが……。それぞれ悲しい過去を背負うヒーローとヒロインの心情を繊細に丁寧に描いた、ローラ・マーティンの日本デビュー作!

裏切られたレディ裏切られたレディ

恋の喜びが一転して、 愛の苦しみになるなんて……。 外科医の娘カサンドラは馬車に乗っていたある朝、不穏な銃声を聞いた。 見ると、整った鼻筋と官能的な唇を持つ優美な男性が倒れていた。 痛みに顔を歪めながらカーロウ伯爵と名乗った彼に、応急処置を施す。 カーロウ伯爵といえば、傲慢で、ロンドン中の美女との噂がある男性だ。 とても魅力的だけれど、私とは住む世界の違う人だわ……。 しかしその後、カサンドラの妹がカーロウ伯爵のいとこと駆け落ちし、 彼女は伯爵と一緒に、いなくなった二人を追いかけることになった。 しだいに惹かれ合い、カサンドラは生まれて初めての恋をしたーー 伯爵が彼女を誘惑できるか友人と賭けをしていると、 偶然立ち聞きしてしまうことになるとも知らずに……。 明るく華やかな英国摂政期を舞台に繰り広げられる恋を描くリージェンシー・ロマンス。なかでも実力派ヘレン・ディクソンが生むヒロインはとてもけなげで好感度が高くて人気です。本作のヒロイン、カサンドラも正義感が強くて賢く、好きになること請け合いです!

惑いのバージンロード惑いのバージンロード

私を人生から追い出した傲慢富豪との再会。 私の息子の父親はあなた、なんて言えない! エンリコの恐ろしい形相に、フレイアは2歳の息子の手を強く握った。 3年前まで彼女はイタリア大富豪エンリコのもとで秘書として働き、 彼の自宅に住み、彼のベッドで眠る関係だった。 だがある日、エンリコのいとこがフレイアのいるベッドに入り込み、 その瞬間を、出張から戻ってきたエンリコに目撃されてしまった。 むりやり迫られただけだったのに、エンリコは話を聞こうともせず、 無情にもフレイアを家から、そして人生から追い払ったのだった! 今、彼女の小さな息子を見たエンリコが言った。「この子は僕の子だ」 フレイアが弱々しくも否定すると、彼は無慈悲な悪魔のように告げた。 「嘘をつくな、冷酷な女め。この報いは必ず受けてもらうからな」 フレイアの勤め先の会社を最近買収したばかりのエンリコ。会社のロビーで偶然再会したかつての秘書兼恋人が小さな男の子を連れているのを見て、我が子だと直観します。けれども、いとこと彼女が浮気したと思い込んでいるため、いとこの子の可能性も考えて……。

長恨歌長恨歌

【内容紹介】 「ミス上海の死」を描いた、中国文学の記念碑的作品、待望の邦訳! 茅盾文学賞受賞 上海の街を舞台に、美しき主人公・王キ瑶(ワン・チーヤオ)の青春から死に至る四十年を描く長編小説。1940年代の虚栄の繁華、50〜60年代の困窮と苦難、そして80 年代のロマン的悲劇まで、恋多き主人公の人生を通して、上海という街の繁栄と虚栄が描かれる傑作。 【作者の言葉】 『長恨歌』は、とてもとても写実的な作品です。 その中で私は、一人の女性の運命を描きましたが、 事実上、この女性は都市の代弁者にすぎません。 私が描いたのは、実のところ、 「上海」という都市の物語なのです。 ーーー 王 安憶 【推薦文】 ずっと読みたかった傑作小説の邦訳がついに! 王安憶のカメラアイが弄堂(ロンタン)を、路地を、旧フランス租界のアパートをくまなく旋回し、 わたしたちは「上海の淑女」の生きた四十年の虜(とりこ)になる  ーーー 中島京子(小説家) 〔目次〕 第一部 第二部 第三部 二十八年を振り返って --- 日本語版後記   王 安憶 『長恨歌』と王安憶について          飯塚 容

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