2023年9月6日発売
オイサメサンオイサメサン
小学生の夏休みに霊が「視える」ようになった鈴。初めて視たのは、赤い服を着た爪のない不気味な女の霊。怖い、怖い、怖いー。怯える鈴を救ったのは、祖母がくれた「オイサメサン」の指輪だった。だが9年後のある日、バイト先のファミレスで「祓える」男に出会う。彼はオイサメサンは詐欺師だと吐き捨てた。オイサメサンは、詐欺師なんかじゃない。しかし、赤い女は9年経った今でも鈴のことを追いかけていた。鈴はある殺人事件に巻き込まれ、予想もしない運命に呑まれていく。
櫻の艦 上櫻の艦 上
あなたは、戦艦「大和」を知っていますか?太平洋戦争の開戦間際に出現した巨大戦艦とは?昭和12年日本の命運をかけた戦艦が起工する。4年後その艦は真珠湾攻撃と共に誕生したが、時代はすでに変革を始めていた。史上最強の戦艦が挑む太平洋の戦いとは?苦難の建艦から非劇の特攻まで、その数奇な生涯を新たな視点で描く慟哭の長編。
すべて失われる者たちすべて失われる者たち
偶然の出会いから結婚に至ったものの、お互いに絶対に明かせない秘密を抱えている夫婦。救いを求める声を聞き流した男のもとに、かつての恋人から届いた手紙。生まれ育った島にやむなく帰った男が言葉を失ってしまう思わぬ告白。赤々とした炎のように燃え立つ心をぶつけ合って、たちまち離ればなれになった恋を思い出すウェールズ生まれの女性。田舎でくすぶる初恋の人を無念に思うイギリス人編集者の揺れるような記憶。海外文学の影響を受けた筆致で紡がれる短編はいずれも「生きることのミステリー」を突きつけていく。やるせない人生たち。そこに音楽は流れている。「生きることのミステリー」を描いた32の短編小説たち。
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