小説むすび | 2024年11月6日発売

2024年11月6日発売

出版社

NHK出版

発売日

2024年11月6日 発売

今日が、雨でよかったーー時を超え、かたちを変えて巡る、“つながり”と再生の物語。 ビルの取り壊しに伴うリフォームジュエリー会社の廃業を起点に時間をさかのぼりながら、物から物へ、人から人へと、30年の月日のなかで巡る想いと“つながり”、そして新たなはじまりを描く、寺地はるな(2023年本屋大賞9位)の真骨頂が光る、感動長篇。 出会い、卒業、就職、結婚、親子、別れ……。中学の卒業制作づくりで出会った4人がそれぞれ直面する数々の選択と、その先にある転機、人生のままならなさ。不器用に、でもひたむきに向き合う彼らの姿を通して、日常のささいな不安や違和感を丁寧にすくい取って人の弱さにそっと寄り添いながら、いまを生きるあなたにエールを贈る大人の青春小説。 《あらすじ》 1996年冬、中学卒業を控え、卒業制作のレリーフづくりで同じ班になった永瀬珠、高峰能見、森侑、木下しずくはそのモチーフを考えていた。進路に迷う美術部員の永瀬、男女問わず学校中の人気者の高峰、誰に対しても優しくおっとりした森、物静かで周囲と距離を置く転校生のしずく。タイプの異なる4人がモチーフに選んだのは雫型(ティアドロップ)だった。 「古代、雨は神々が流す涙であると考えられていました。雨の雫はあつまって川となり、海へと流れ込み、やがて空にのぼっていく。その繰り返しが『永遠』を意味する、という説があります」 「永遠って、なんですか? 先生。そんなもの、あるんですか?」 美術教師が教えた「永遠」の意味。以来、永瀬や高峰の心に「永遠」が静かに宿り、やがて4人は別々の道を歩み始めたーー。 * 時は流れて2025年春、リフォームジュエリー会社『ジュエリータカミネ』は、入居するビルの取り壊しにあわせて営業を終了した。ビルからの退去当日、デザイナーとして勤めた永瀬は将来への不安を抱えつつも次の仕事を決められずにいた。かたや、信念を持って店を立ち上げた高峰は、妻との離婚や自身の体調を崩して以来すっかり覇気がない。森は誰もが知る企業に勤めたものの上司のパワハラによって心に傷を負った。地金職人として独立したのち離島へ渡ったしずくは、いまも自分の感情を表すのが苦手なままだ。 30年の道のりの過程にある仕事、結婚、親子関係……。人との関わりでつまずきながらも、一方で人とのつながりによって救われてきた不器用な4人は、ままならない人生にもどのようにして前を向こうとするのか。「永遠」は不変で繰り返されるからこそ続くものなのか、それともーー。物から物へ受け継がれるジュエリー、人から人へと受け継がれる想いを通して、つながりの尊さとささやかで慈しみ深い日常を描く珠玉のヒューマンドラマ。 《目次》 2025年 4月 2020年 2月 2015年 12月 2010年 7月 2005年 4月 2000年 8月 1995年 9月 2025年 10月 2025年 4月 2020年 2月 2015年 12月 2010年 7月 2005年 4月 2000年 8月 1995年 9月 2025年 10月

独自商品を目指す群像独自商品を目指す群像

出版社

風詠社

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2024年11月6日 発売

風花良太は、突然の転勤命令に悩み続けていた。所長は、エアコンの売り上げが目標に達していない現状を説明し、製造設計部門の強化が急務であるとし、風花がその適任者だと推薦したというのだ。長年働いてきた研究所に愛着を持つ彼にとって、転勤は受け入れ難いものであったし、家族にとっても大きな問題であった。帰宅後、妻と転勤によって引き起こされる様々な問題について話し合うが解決策が見えないまま夜が更けていく。一方、若い同僚達は、風花の転勤について噂し会社の方針に疑問を抱いていた。風花は、考え抜いた末、転勤について、単身赴任という選択肢を取ることで、家族にとっても最良の生活を見出そうとしていた。風花は、技術者として働いているが、物づくりの技術というのは、この社会で最も重要なことの一つであり、社会にとって役に立つやりがいのある仕事といえる。同時に自分の携わっている仕事で成果を上げて、会社の中で評価され昇進することも大事だ。それは、自分についてきてくれた部下たちの評価を高めることにもつながるからである。しかし、結局は技術者としてベストを尽くすことが大事であり、そのことに信念を持ち、それを目指して生きていけばいいのだと改めて思うのだった。風花良太をはじめ、新たな商品開発に挑む技術者たちを通し、組織の中で生きること、人事を巡る人間模様、そして家族との絆を描く自伝的長編小説。 第1章 転勤/第2章 単身赴任/第3章 試行錯誤/第4章 技術者たちの矜持/第5章 思いがけない転勤打診/第6章 逆風に負けずに/第7章 家族と共に

【POD】バンコクトゥクトゥク事件【POD】バンコクトゥクトゥク事件

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2024年11月6日 発売

[商品について] ーその宝石が、人の本性と愛を暴くー 高校で英語を教える29歳の敬太はある日、マンネリ化した日常から逃れるように、長期休暇を利用してタイへと旅立つ。トゥクトゥクでの移動や、バンコク市内の寺院巡りなど、束の間のひとり旅を楽しむ敬太だったが、帰国後に高値で売れるという現地の店員の甘い言葉に乗せられ、ある宝石店で30万円相当の宝石セットをつかまされてしまう。その夜、ホテルで冷静になった敬太は、騙された金を取り返すことを決意するが、それは後に恋人の亜希子をも巻き込む一大事件へと発展してしまうのだった。--人間に潜む善悪や欺瞞、そして愛の行方を緻密に描いたスリリングな推理&ロマンス小説! [目次] Trip to Thailand タイ旅行 Encounter with seemingly kind guys 親切そうな人たちとの出逢い Visit to temples 寺院巡り Tailor shop 洋服店 Trimuk Palace トリムク宮殿 Another tailor shop 別の洋服店 Wat Bovonniwet ワット・ボウォニウェート Jewelry shop 宝石店 Paying cash 現金払い Back to hotel ホテル到着 Nightmare 悪夢 Consultation with hotel staff ホテルスタッフに相談 Bound for Ayutaya アユタヤへ出発 Ayutaya Remains アユタヤ遺跡 Akiko in Japan 日本にいる亜希子 Go to police with hotel staff ホテルスタッフと警察へ Consider tailor 洋服屋への思い Snake Show スネイクショー Direct talk to tailor 洋服屋との対話 Specific talk to hotel staff ホテルスタッフとの具体的な話 Tourist Police 観光警察 A day before Keita's departure 敬太の出発前日 Leave Bangkok タイ出国 At the Airport of Bangkok バンコクの空港にて Talk to Akiko 亜希子と会話 Talk to Akiko and exchange e-mails with hotel staff 亜希子と会話、ホテルスタッフとメール交換 Keita chats with his colleague about Bangkok 敬太、バンコクについて同僚とおしゃべり Consult with Akiko about the case 事件のことで亜希子に相談 Akiko Talks to her father about the trip 亜希子、父と旅行の話 Travel to Thailand again 再びタイ旅行 Meet hotel staff again ホテルスタッフと再会 Go to jewelry shop with Tourist police 観光警察と宝石店へ Go to police station 警察署へ Consult with the underground organization 闇組織との協議 Posture of hotel side ホテル側の姿勢 Akiko goes to jewelry shop 亜希子、宝石店へ Letter from mafia マフィアから手紙 Phone call from mafia マフィアからの電話 Akiko in a secret room 密室の中の亜希子 Endeavor to solve the case 事件解決への努力 Body massage ボディマッサージ The end of the case 事件の結末 著者略歴 [担当からのコメント] 本書は、異国の地で詐欺事件に巻き込まれてしまった男の冒険ともいえる数日間を描いた小説ですが、その隅々にはタイの風景や社会の様子が鮮やかに綴られています。海外で悪に立ち向かう主人公の姿と、タイという国のリアルな空気感を全身で感じ取っていただける一作です。 [著者プロフィール] 上西 幸治(うえにし こうじ)

降りていこう降りていこう

〈あんたの武器はあんた自身〉母さんは言った。あたしの武器はあたしだ。 奴隷の境遇に生まれた少女は、祖母から、そして母から伝えられた知識と勇気を胸に、自由を目指すーー。40歳の若さで全米図書賞を二度受賞した、アメリカ現代文学最重要の作家が新境地を開く、二度目の受賞後初の長篇小説!  悲しみが霧雨になって降り注ぐ。スカートに指をこすりつけ、しだいに長くなってくる影のなかで地面に膝をつきながら、わが身の境遇につくづく驚かずにはいられない。この天涯孤独ぶりはどうだろう。こんなところで腰の片方には命を、もう片方には死を持ち歩いているなんて。 「どっち?」あたしは宙に向かって問いかける。「どっちを与えるべき?」夕暮れのなかを漂っていく自分の声を聞いて、少しだけ孤独がやわらぐ。  この同じ空のどこかで、あたしのミツバチたちも飛び回っているに違いない。(…)  この同じ空のどこかで、サフィも息を吸って吐いているに違いない。 「サフィ」あたしは尋ねる。「どっち?」(本書より) 第1章 剣と化した母さんの手 第2章 縄に至る道 第3章 一連の喪失 第4章 川は南へ 第5章 嘆きの街 第6章 身を委ねる 第7章 真っ暗闇の驚異 第8章 塩と煙の捧げ物 第9章 燃える男たち 第10章 甘い収穫 第11章 やせ細ったしみ 第12章 渡し守の女たち 第13章 ふたたび星を見た 謝辞 訳者あとがき

【POD】ブレインハッカー 〜世界が闇なら君が光になればいい【POD】ブレインハッカー 〜世界が闇なら君が光になればいい

「老人は死んでください。若者を守るために」 脳の中にある「記憶」をスマホやPCで再生する技術を開発した僕は、出資者にプレゼンするためフロリダを訪れる。そこで20年前にこの世を去った女性と一夜を過ごし次々と不思議な事件に巻き込まれていく・・・・。 あなたはいくつの伏線に気づけますか? どこで謎が解けますか? でも本当の謎には気づかないかもしれない 豊富な人生体験とどん底から這い上がった知恵やノウハウを詰め込んで、人々を勇気づける小説を書きたかった。どんなことがあっても日常生活を前向きに生きることの大切さを伝えたかった。 この物語を読んで泣いたり笑ったりワクワク感動して、あなたの人生がほんの少しでも彩り豊かになれば幸いです。 著者紹介 早稲田大学教育学部卒業、野村證券、クレディリヨネ銀行、プルデンシャルアセットマネジメントなど日米欧の金融機関で勤務。 20代で6億円の借金を抱えるも人生どん底から大逆転し40代でFIRE。50代で会社を起こし同時にボランティア活動で汗を流す。61歳でモデル兼俳優デビュー、64歳で小説家デビュー。サハラ砂漠マラソン人類最高齢での完走を目指し月間200kmランニング3年間継続中。

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