2024年11月発売
「君を愛することは永遠にないし、 君の愛を受け入れることもない」 「ミーガン、僕の妻になってくれ」 なぜイタリア屈指の大富豪が、下働きの私にプロポーズを? 故郷アメリカでつらい経験をしたミーガンは、 イタリアに渡ってウエイトレスとして働き始めたばかりだった。 驚くほど端整な顔だちをした客の大富豪アレッサンドロに誘われて、 彼の私邸で給仕をしたのをきっかけに急速に惹かれ合った。 だからといって、出会って数日で結婚とは性急すぎる。 ミーガンは思わず、愛してくれているのかアレッサンドロにきくと、 彼は答えた。「いいや。愛のように安っぽい感情に興味はない」 一生愛されない花嫁になれと? 断るべきなのに、彼女の心は揺れ……。 両親すら愛さなかった自分が妻を愛することはないとまで断言するアレッサンドロの求婚に、ミーガンは戸惑うばかり。けれども「僕がほしいのは、君だ」という、聞きたいと思っていた言葉を耳にし、ミーガンは一縷の望みをかけて、彼の花嫁になる決意を固めます。
眠りにつく前に思い浮かんだのは、 魅惑のドクターのすてきな笑顔……。 看護師ジュリアは患者宅で大雪に閉ざされ、宿泊することに。 深夜、道に迷ったので朝まで滞在させてほしいという、 アイヴォと名乗る青い瞳のハンサムな男性が現れた。 彼は偶然にも医師で、高熱を出した患者に手際よく治療する姿に、 ジュリアは胸を高鳴らせた。彼といると、なぜか安心するのだ。 だが今はオランダに帰る途中だと知り、彼女は早くも喪失感に襲われた。 彼はもうすぐイギリスを去り、二度と会うこともないのね……。 肩を落とすジュリアだったが、アイヴォから思わぬ誘いがーー 彼が自宅で面倒をみている患者の専属看護師として、 オランダまでついてきてほしいというのだ! HQマスターピース《ベティ・ニールズ・コレクション》より、クリスマス時季に読みたい心温まる物語をお贈りします。ヒロインが人生で初めて迎えるオランダでのクリスマスは、ヒーローが別の女性と結ばれてしまうかもしれないという切なさがつきまとって……。
リン・グレアム全作品リスト2024年版 巻末に特別掲載! 不動の大スター作家リン・グレアムをはじめ、大人気作家が綴ったクリスマスのシンデレラ物語を3編収めた豪華アンソロジーです。巻末には特別付録として、2024年版リン・グレアム全作品リストを掲載! 今後の新作刊行予定もチェックできるのでお見逃しなく。
英国の大人気作家のクラシック・ロマンス。 愛が煌めくクリスマス・アンソロジー! ハーレクインを黎明期から彩り鮮やかに盛り上げてきた英国の大人気作家ベティ・ニールズとアン・メイザーの豪華なクリスマス・アンソロジー! いずれも1970年代に書かれたクラシックなロマンスです。
ちっぽけな探偵事務所を営む私立探偵・烏間壮吾。 「天使」と「悪魔」を名乗る二人組の手違いにより、壮吾は半ば強引に彼らの仕事である「魂の選別」を代行することに。「魂の選別」は、死亡した人間の魂を天国へ送るか地獄へ送るかを選別するというもので、死者についての数少ない手がかりから判断しなくてはならない。壮吾は探偵業の傍ら、憂鬱な使命を遂行する日々を過ごしていた。 ある日、謎めいた女性から「婚約者の身辺調査をしてほしい」という莫大な報酬が得られる依頼が舞い込んでくる。尾行対象は、清廉潔白を絵に描いたような、ごく平凡な好青年だったが…。 壮吾は調査を進めるうちに、世間を騒がせている「首切りマニア連続殺人事件」にも大きく関わっていく。 阿泉来堂の新境地『逆行探偵』シリーズ第2弾!
なぜ動物を大切にしなくてはいけないの? 目が覚めたジュンちゃんは、真っ白な毛に覆われた犬の姿になっていたのでした。 タローの言葉がわかるようになったジュンちゃんは、人に捨てられた犬たちと不思議な世界を旅します。 ジュンちゃんとタローは一体どうなるのでしょうかー。 この作品はフィクションではあるものの、言葉を話せない動物の立場を疑似体験できる物語。 子どもに是非とも読ませたいファンタジー。 目次なし
短編小説の名手といわれるO・ヘンリーの「最後の一葉」と並び称される傑作。 ニューヨークの片隅でひっそりと暮らす若い夫婦。手元にあるのは、わずか1ドル87セント。妻のデラは愛する夫へのクリスマス・プレゼントに何を送ったらいいのか、考えあぐねていた。そこで彼女が意を決してとった行動とは……。 クリスマス・プレゼントという素晴らしい習慣の始まりは、東方の三人の賢者が飼い葉桶の中で眠るキリストに贈り物を運んできたことに由来するという。お互いを思いやる気持ちが空回りして思わぬ結果を招いてしまった二人の行動は、果たして〈賢者の贈り物〉にふさわしくなかったのだろうか。 グリーナウェイ賞に2度輝いている絵本作家L.J.リンチが「初めてニューヨークを訪れ、O・ヘンリーの時代からほとんど変わっていない街並みを見て以来、ずっと描きたいと思っていた」という作品。全編に描きこまれた水彩画で、名作の魅力をじっくりと味わってみてください。
「或る、バイト体験者の話をインタビューしてきてください」 新作の執筆依頼でバイト体験者たちに取材をしていく一人の作家。 電話をするだけ、差し入れを渡すだけ、映像のチェックをするだけ。 たったそれだけの業務内容なのに何かがおかしい。 アルバイト募集からはじまる恐怖体験を描いた モキュメンタリーホラー登場!
現代社会に警鐘を鳴らす著者初の長編SF 「当社は現代科学の及ぶ範囲の事なら何でも致します。契約が成立しさえすれば、その日からあなたはやり直しの権利を持つのです。今すぐドリーム保険に入りましょう!」 合理主義一辺倒の会社に嫌気がさし、恋人も失ったシロタは、その胡散臭い広告の文句に全財産を賭けることにした。だが、それはエリダヌ人が仕掛けた罠で、彼は人体実験の対象にされてしまう。高度な科学力に圧倒されるシロタだが、やがてエリダヌ星も地球も滅亡の瀬戸際にいることを知り……。 豊かな精神性よりも、合理性や効率、利益を求める現代社会に疑問符を突き付ける、著者初の長編SF。
幕府船初の太平洋往復を成功に導いた男 --咸臨丸は蒸気を焚いて、午後三時三十分、浦賀を出航した。……しばらく木村も勝も甲板に立っていたが、風と揺れに耐えられなくなり、船室に降りていった。……友五郎と浜口が羅針盤をのぞいて針路を確認しあっているところへ、万次郎と福沢諭吉がやってきた。-- 数学や測量に造詣の深い笠間藩士の四男・小野友五郎は、開明的な旗本の子・小栗忠順と出会ったことをきっかけに、幕府の海軍伝習所に入所。やがて遣米使節団を乗せるポーハタン号に咸臨丸が随行することになった際は、その航海長として、幕府船初の太平洋往復を成功に導く。 勝海舟、福沢諭吉などの陰に隠れてスポットライトを浴びることのなかったテクノクラートに光を当てた大作の前編。
志々目春香と藤堂遥。 ふたりのハルカが 日本の闇を撃つ TVドラマ化『密告はうたう』の気鋭が放つ 一気読み必至のシン・警察小説! 外国人殺しの裏に潜む悪の正体とは⁉ 警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係に所属する女性刑事・志々目(ししめ)春香と後輩の男性刑事・藤堂遥の〈ハルカ〉コンビ。2023年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。彼女の足取りを追うため、二人のハルカは四国・松山へ向かうが、そこには外国人技能実習制度の深い闇が…。不法滞在者に労働をあっせんする謎の人物・Q、そして彼女を殺した真犯人は、一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは⁉
名探偵は、いつも遅れて現れるーー!? ユーモアミステリの永久定番〈鯉ケ窪学園〉シリーズに新たなバディ登場! 理事長の娘・朝比奈麗華は大のミステリ好き。密室盗難事件、プールサイド昏倒事件…etc、今日も学園で起きる事件を解決しようと現場に出向く。相棒であるミステリ研究会の石橋くんは、昼行灯のような捜査ぶりだが、あるとき突然推理が冴えわたりはじめ……。 『放課後はミステリーとともに』『君に読ませたいミステリがあるんだ』の〈鯉ケ窪学園〉シリーズが20周年を迎えた東川篤哉の、真骨頂にして新境地! 爆笑必至の本格ユーモアミステリ。 目次 第一話 名探偵、密室に現る 第二話 殺人が未遂だった話 第三話 生徒会役員室の攻防 第四話 天使はプールサイドに浮かぶ 第五話 茶室に消えた少女
本屋大賞4年連続ノミネート! 今最注目の著者が踏み出す、新たなる一歩とはーー。 幸福度最高値の傑作小説! <STORY> ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始めーー。 そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。 銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。 そして「王子」は人魚と再会できるのか。 そもそも人魚はいるのか、いないのか……。
異世界の貴族の三男に転生し、手に入れた植物魔法のスキルでゆるゆる生活を楽しんでいるハク。 貧しかった村も活気づいてきたある日、新たなお客・暁の賢者と呼ばれるエルフのアルじーじが屋敷にやってきた。 アルじーじはハクの植物園に興味津々。庭に離れを建てて住み着いてしまう。 グリちゃんやポコちゃんに加えて、姿を現した管理人・モフモフ黒羊の執事メエメエさんやひねくれ研究員のラビラビさんも加わって、植物園はますますにぎやかにーー。 相変わらずちびっ子のままのハクだけど、植物魔法のスキルは尽きることなし!! あったか家族とかわいい小人精霊さんたちに囲まれ、気ままなハクのほのぼのスローライフは続く。
自分が拓いたキャンプサイトに「ミコトの郷」と命名して、ついに郷長となったソウジロウ。醤油などの調味料を作って日本食を再現したり、新しくやってきた天使族も交えて稲刈りを楽しんだり、郷ではのんびりとした暮らしが続いています。 しかし、近くの町には侯爵令嬢が訪れたり、怪しい諜報員が現れたりと何やら騒動が起きそうで……!? チートな元社畜の、等身大の異世界生活、第四弾!
春から高校生になる予定だった少年・佐久平啓介は、ある日突然異世界に召喚される。 女王に勇者として魔王を討伐するよう告げられた啓介は、ラノベで見たことがある展開にワクワクしながら、自分だけの【聖武具】を召喚する儀式に応じるが……。 「え? なにこれ……【カバン】……?」 啓介に勇者として与えられた神器は、春から通う予定だった高校の通学カバンで!? カバンなんて使えないからという理由で、召喚主である女王から追放処分をうけてしまう啓介。その後、最難関ダンジョンに放り出された彼はそのまま死ぬと思われたが……。 「【モンスターの攻撃】を収納しますか?」「え?」 襲ってきたモンスターを収納!? 地球から何でも取り寄せ放題!? さらには他の勇者の能力まで……!? ダンジョンで出会った食いしん坊な伝説の魔獣・スペルヴィアとともに、魔王討伐という任務から解放された啓介は、チートカバンを手に異世界をのんびり旅することに! カバン一つで異世界を旅するとんでもジャーニー物語、開幕!
「……おかしいだろ、勇者。何が、これからはずっと一緒だ、だ」 ゲーム【アポカリプス】の最推しヒロイン・セルヴィアを幸せにするために何度もプレイするも、勇者のハーレムエンドを構成する一員にしかならないことに憤る俺。そんな俺が転生したのは、その【アポカリプス】の世界、しかも勇者の当て馬とネタキャラにされる悪役貴族「カイン」だった。このままシナリオが進むと3年後に勇者に殺されるという事実に愕然とするのだが、目の前のセルヴィアを見て、決意する。 「俺がこの手で、セルヴィアを幸せにしてやればいいんだ!」 俺は前世のゲーマーとしての知識を駆使しながら自らを鍛えていく、セルヴィアとのハッピーエンドをつかみ取るために! 当て馬でしかない悪役貴族になって、解釈違いなシナリオをぶっ壊す! 最強「当て馬」転生ファンタジー!
古民家の裏山も紅く色づき、豊穣の秋が訪れる。 ダンジョン産のハチミツを使ったジャムや焼き菓子をはじめ、美沙たちは栗拾いや焼き芋など秋の味覚を満喫していた。 さらに、フリーマーケットで手作りのアクセサリーを販売したり、ハロウィンの仮装大会で地域との交流を深めたり、海が広がる新たな階層のダンジョンを探索したりとやりたいことがいっぱいでーー 現実もダンジョンも幸せいっぱいの古民家スローライフ、第3弾! 書き下ろし短編「ノアさんの一日」と「フードフォトグラファー五十嵐の美味しい日々」も収録!! 第一章 豊穣の秋です 第二章 七階層探索 第三章 ハンドメイドイベント 第四章 ブランのドロップ 第五章 八階層探索 第六章 秋の味覚を味わおう 第七章 秋祭り 第八章 回復魔法 第九章 九階層探索 第十章 ハロウィンの夜に 書き下ろし ノアさんの一日 書き下ろし フードフォトグラファー五十嵐の美味しい日々
直木賞作家・千早茜が紡ぐ、10の夜の物語。 人気イラストレーター・西淑による美しい挿絵とともに味わう、「眠れない夜」をテーマにした短編集。 「眠らなくてはと、まぶたを閉じる。けれど、目の奥にすこんとした空洞がある」。家族が寝静まった深夜、ひとり台所に佇む時間──第一夜「空洞」 「夜にあるのは、見えない恐ろしさではなく、見ようとしてしまう恐ろしさ」。美しい刺繡を生業とする「わたし」の暮らす土地に、ある日旅人が訪れて──第八夜「繡(うつく)しい夜」 「夜の底の黄金よ、君の寝顔は本当に変わらないから、こんな静かな晩は永遠に続く夜に閉じ込められてしまったような心持ちになるのだ」。眠り続ける「君」の呼吸に、傍らで耳をすます──第九夜「寝息」 ……ほか、夜の世界へと誘う10篇を所収。 【著者略歴】 千早茜 (ちはや・あかね) 1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神(いおがみ)』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』『グリフィスの傷』『雷と走る』、食エッセイ『わるい食べもの』シリーズなど著書多数。 絵=西淑 (にし・しゅく) 福岡県生まれ。雑誌、広告、パッケージ、書籍の装幀などのイラストレーションを手がける。京都を拠点に活動中。