2024年3月22日発売
文化資本が異なる言語間の翻訳をめぐる葛藤とは? 19世紀初頭の民族再生運動のなかで、チェコ語の復興をめざし、芸術言語たらしめようとした、近代チェコ語の祖ユングマン。ナチスが政権を掌握しようとした時代、多民族と多言語のはざまで共生を目指したユダヤ系翻訳家アイスネル。冷戦下の社会主義時代における亡命作家クンデラ。ボヘミアにおける文芸翻訳の様相を翻訳研究の観点から明らかにする。 ◎目次 はじめに 小言語の翻訳を論じること 第1部 ヨゼフ・ユングマン 第1章 十九世紀初頭のチェコ語 第2章 『言語芸術』 第3章 『アタラ』の翻訳 第4章 辞書 第5章 翻訳の機能 第2部 パウル・アイスナー/パヴェル・アイスネル 第1章 言語のはざまで 第2章 アンソロジー 第3章 「共生」に関する言説 第4章 ユダヤ性について 第5章 翻訳をめぐる言葉 第3部 ミラン・クンデラ 第1章 翻訳者クンデラ 第2章 翻訳されなかった作品 第3章 「小文学」を翻訳する 第4章 「真正版」という概念、あるいは小説の変容 第5章 翻訳される作品、あるいは「大いなる帰還」 参考文献 結びに 索引 はじめに 小言語の翻訳を論じること 第1部 ヨゼフ・ユングマン 第1章 十九世紀初頭のチェコ語 第2章 『言語芸術』 第3章 『アタラ』の翻訳 第4章 辞書 第5章 翻訳の機能 第2部 パウル・アイスナー/パヴェル・アイスネル 第1章 言語のはざまで 第2章 アンソロジー 第3章 「共生」に関する言説 第4章 ユダヤ性について 第5章 翻訳をめぐる言葉 第3部 ミラン・クンデラ 第1章 翻訳者クンデラ 第2章 翻訳されなかった作品 第3章 「小文学」を翻訳する 第4章 「真正版」という概念、あるいは小説の変容 第5章 翻訳される作品、あるいは「大いなる帰還」 参考文献 結びに 索引
2025年 本屋大賞ノミネート! 構想・執筆10年ーー 稀代のストーリーテラーが辿り着いた最高到達点=バレエ小説 「俺は世界を戦慄せしめているか?」 自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。 少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。 同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者ーー それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。 舞踊の「神」を追い求めた一人の天才をめぐる傑作長編小説。 史上初の直木賞&本屋大賞をW受賞した『蜜蜂と遠雷』や演劇主題の『チョコレートコスモス』など、 表現者を描いた作品で多くの読者の心を掴みつづける恩田陸の新たな代表作、誕生! ページをめくるとダンサーが踊りだす「パラパラ漫画」付き(電子版には収録なし)
『芸人雑誌』の太田出版が送る、『おもろい以外いらんねん』大前粟生による世界初“ピン芸人”小説! Aマッソ加納の紹介(『アメトーーク!!』)によって業界の話題をさらった『おもろい以外いらんねん』に続く大前粟生「芸人本」の最新作は、これまで描かれることの少なかった“ピン芸人”にフォーカスをあてる。主人公・高崎犬彦とそのライバル・安西煮転がしの約20年もの人生を追いかけることで、芸人にまとわりつく「売れること」と「消費のされやすさ」の葛藤を描く。 「本気でネタを見てくれてる人って、売れれば売れるほど少なくなっていくんか? 売れるほど芸人らしくなくなっていくんか? せやったら、売れるってなに? 僕は、僕らは、なんのために芸人しとるん?」 ーー本文より
運命、この文学的なるもの 『存在の耐えられない軽さ』などの小説作品で知られ、長年ノーベル文学賞の有力候補に名を連ねながら惜しくも世を去った作家ミラン・クンデラ(1929–2023)。東と西、政治と文学、歴史と現在、偶然と必然のあいだを揺れ動く人間の運命を見つめ続けた作家の仕事を読み解く本格評論。第4回東京大学而立賞を受賞した博士論文を大幅改稿。 序論 運命の星座 第1章 歴史の終わり、運命の終わりーー『冗談』におけるメランコリー 第2章 成熟と小説ーー『生は彼方に』における自己批判 第3章 運命の皮肉、歴史の怪物ーー『ジャックとその主人』におけるアイロニー 第4章 世界と亡命ーー『笑いと忘却の書』における語りの視差(パララックス) 第5章 運命の様相ーー『存在の耐えられない軽さ』における偶然性 第6章 身振りと根拠(グルント)--『不滅』における悲劇の散文化 第7章 「軽さ」を祝うーー『無意味の祝祭』における反出生主義との対峙 結論 スターリンと天使 あとがき 参考文献 索引