2024年4月18日発売
ジョセフ・ジョースターの〈波紋〉の師・リサリサが、スピードワゴン財団を従えて、中南米のジャングルを舞台に〈スタンド〉の起源をめぐる冒険へと旅立つ! 第二部と第三部の狭間に秘められた〈波紋〉から〈スタンド〉へと至るその神話を、直木賞を受賞した傑作小説『宝島』の著者・真藤順丈が中南米の香りを纏わせた魔術的文体で描くジョジョ外伝! リサリサを軸に展開される波紋バトル、そして新たなる力を持つ敵との遭遇。彼女の旅にはスピードワゴン財団をはじめ縁深い人物も結集し、物語はすべてを圧倒するような驚愕のラストへ! 「JOJO magazine」にて好評連載された内容に著者自ら言葉を繊細に磨いて新たな息吹を注ぎ、リサリサのその勇姿を「エイジャの赤石」のように赤々と輝く豪華装丁で魅せる、ファン必読のノベライズ!! 一九七三年、グアテマラ。街が聖週間の祝祭で大いに沸き立つ中、その陰で〈見えざる銃弾〉による謎めいた連続殺人が恐怖の影を落としていた。この不可解な事態にスピードワゴン財団が調査に乗り出す。老いを重ねながらもその精神は不屈、財団顧問にして無双の〈波紋使い〉エリザベス・ジョースター、通称リサリサは、血気に満ちた若者オクタビオと慈悲深い心を持つ青年ホアキンを伴って未知なる力を追う。そこで彼らが目にしたのは〈波紋〉とは一線を画す〈驚異の力〉だった。中南米のどこかに潜む首謀者が特殊な〈矢〉を使って、この恐ろしい能力を引き出しているというのだ。彼らの旅はペルーからブラジルを経て、ついには神秘に包まれたジャングルの最も深くへと至り、そこでリサリサはある〈奇跡〉と邂逅する…。 【著者略歴】 真藤順丈 (しんどう・じゅんじょう) 1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞。その他の著書に『畦と銃』『墓頭』『われらの世紀』などがある。 荒木飛呂彦 (あらき・ひろひこ) 1960年宮城県生まれ。1980年『武装ポーカー』で第20回手塚賞に準入選し、同作で週刊少年ジャンプにてデビュー。1986年から連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』は世界的な人気を誇る。その他の作品に『岸辺露伴は動かない』シリーズ、『魔少年ビーティー』『バオー来訪者』などがある。
契約結婚からはじまる、幸せな刺繍生活。 無能と誹られ、妹に婚約者を奪われてしまったお針子令嬢のサラ。 失意に沈むサラの前に現れたのは、冷徹と噂される氷の伯爵アレクシスだった。 彼から“白い結婚”を提案されたサラは、心機一転、契約上の新婚生活をスタートすることに。 大好きな刺繍に打ち込み、アレクシスの心根の優しさに包まれて幸せな日々を送るサラ。アレクシスに対する想いは、やがて本物の愛へと変わっていく。 さらに、サラの刺繍に秘められた力が、周囲の人々の運命すら変えていきーー。 全てを失った令嬢が、人々との出会いと刺繍の力で幸せな暮らし手に入れる、辺境ラブファンタジー。 【編集担当からのおすすめ情報】 「小説家になろう」で月間2位を獲得した人気作が待望の書籍化です! ヒロインであるサラのことを愛しすぎるアレクシス様と、刺繍の力で幸せな居場所を手に入れていくサラの幸せな暮らしをご堪能下さい。
チベット発、シスターフッドの物語。ラサのナイトクラブ“ばら”で働く4人の女性たち。花の名前を源氏名として、小さなアパートで共同生活を送る彼女たちは、それぞれが事情を抱えてこの町にやってきた。暴力や搾取、不平等の犠牲となりながらも支え合って生きる彼女たちの心の交流と、やがて訪れる悲痛な運命を、慈悲に満ちた筆致で描き出す。
失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、方向音痴の幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、転送装置が生み出す幽霊…イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた、ふしぎな短編集。
19世紀半ば、南米大陸の調査旅行に同行した画家ルゲンダスは、チリに寄港した折に美しい貴婦人カルメンと邂逅する。お互いに惹かれ合い、一線を越えたふたりの前に現れたのは、ビーグル号で航海中のチャールズ・ダーウィンだった。情熱的な画家と理性的な科学者、対照的な二人の男はアンデスの高みで対峙することとなる…。史実とフィクションを巧みに織り交ぜ、見事な想像力で“愛”を描きだす野心的長編。
父の用明大王は即位して二年足らずで病没。少年の厩戸王は大臣蘇我馬子に庇護されながら政に関心を示さず、仏法の道へと魅かれていく。竹田王の死により推古大王の後継に選ばれた厩戸王だったが次々と起こる悲劇に心を病み、都から離れた斑鳩で生を終えた。この悩める王族が聖徳太子と呼ばれる聖人に作り変えられることになる。古代史の謎を解く長編歴史小説!
【内容紹介】 父は、泣く。父は、彷徨う。父は、怯える。父は、眠らない。父に寄り添う暮らしは、思いがけないことばかりだった。「私」は思う。いったい父の何を知っていたというのだろう。 主人公の「私」は中学生の一人娘を事故で失い、かたくなな心を持て余している孤独な女性作家。高齢の母がソウルの病院に入院したため、故郷に一人暮らしとなった父の世話を兄弟たちに頼まれ、老いた父に向き合うことになる。「アボジ(お父さん)」と呼びかける父は一九三三年生まれ。植民地期、朝鮮戦争、南北分断、軍事独裁、民主化抗争といった朝鮮半島の激動の時代を生きてきた。 「苦難の時代を生きた」人、「もし、いい世の中にめぐりあっていたなら、もっといい人生を生きることができたであろう」人……。そんな「匿名の存在」に押し込めて過ごしてきた父に、あらためて寄り添い、「私」が分け入っていく父の記憶のひだ、父の人生の物語。 「極めて個別の父」を描きながら、読み手の胸を震わせ目頭を熱くする「普遍の父」とは。 〔目次〕 第一章 ひさしぶりだ 第二章 夜を歩きつづけるとき 第三章 木箱の中から 第四章 彼について語る 第五章 すべてが終わった場所でも 作家の言葉 すべての「匿名の人びと」に捧げる物語(趙倫子) 訳者は二度、涙を流す(姜信子)