2024年5月29日発売
秀吉の逆鱗に触れ、家康には妬まれる。「天下人」たちに恐れられた奥羽の王、政宗。秀吉から家臣にと乞われ、家康にも求められた、奥羽随一の智将、小十郎。なぜ、ふたりは離れなかった?身分の差をのりこえて、己の持つ智と力、すべてを政宗に捧げた男が、最後に辿りついた境地とは。「歴史」を知っているからこそ、この物語は、胸にしみるー。
真っ白な沙に埋もれゆく世界での理想はレールに乗る人生。芸術は機械にお任せ。「クリエイター」という機械が好きなものを創ってくれる。それでも音楽が好きな少女・ロピは第9オアシスでパパと二人で暮らしている。親友のエーナや周りの大人に止められながら、自分の音楽を追い求める。特にやりたいこともない少年・ルウシュは、母と同じ気象予報士になるため日々勉強していた。いっぽうで好きなことに一生懸命な友人への劣等感は強まり、夢中になれるものを探しはじめ…
“これから”の働きかたの物語 大学院を卒業後、新卒で入社した会社を春指みなとは九ヶ月で辞めた。所属していた総務二課は、社員の意識向上と企業風土の改善を標榜していたが、朝礼で発表された社員の「気づき」を文字に起こし、社員の意識調査のアンケートを「正の字」で集計するという日々の仕事は、不要で無意味に感じられた。部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係──あらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。 退職からひと月経っても次の仕事を探せないでいる中、みなとは立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。中には、手紙が一通入っていた。 「この手紙を手に取った人へ」──その手紙に返事を書いたことがきっかけで、みなとと高校2年生の森本飛鳥の「郵便箱」を介した文通が始まった。 無職のみなとと不登校の飛鳥。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦する。 『ブラザーズ・ブラジャー』『人間みたいに生きている』の新鋭が描く“これから”の働きかたの物語! 【編集担当からのおすすめ情報】 著者の佐原ひかりさんは、デビュー作『ブラザーズ・ブラジャー』で注目を集め、3作目の『人間みたいに生きている』で大ブレイク。司書として働きながら多数の連載を抱える、兼業作家の経験も活かして描いた、新しい時代を生きる世代の働き方の物語です。 仕事とはなんなのか、なんのために働くのか、好きなことは仕事にできるのか……仕事観を見つめ直すきっかけになる一冊です。 そして、作品の中に描かれる手紙のやりとりもとても魅力的です! 《便箋、インク、封筒、切手、気持ち、話題、ことば。すみずみまでこだわって、整理して。手紙を書くときに覚えるのは、心の手入れをしているような感覚だ》 読後、誰かに手紙を送りたくなるかもしれません。文通、しませんか? ** 本書は、アクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。 本書巻末よりお申し込みください。 **
明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だ。翌春、巽は硫黄採掘に従事するため大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送される。二年におよぶ苦役で目を悪くした大二郎は、樺戸に帰還後の明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに姿を消す。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。「大二郎さんよ。そこまで言うなら聞かしてくれよ。あんたが今まで会った女の中で、いっちばん印象に残ってる根性悪な女ってのは誰だい」
マッチングアプリで知り合った二人目と別れたばかりの佐野朋香。妻とも娘ともうまくいかず、仕事も行き詰まる片山達児。むかしの大切な仲間を若くして喪った青井千草。後輩の陰口にショックを受けて会社を辞め、半年が過ぎた新川剣矢ー。平凡な暮らしが揺れ始め、岐路に立つ四人。行き違い重なりあう日々が新しく輝き出す物語。
「百万の軍勢を率いさせたい」天下人豊臣秀吉にそう言わしめた勇将、大谷刑部。敦賀五万石の小領主は、なぜ天下分け目の大戦を起こせたのか。いかなる思いで関ヶ原の戦場に立ったのか。生い立ち、病との闘い、父なる主君、友との出会いと訣別、家臣・家族との絆、そして、最強の敵への挑戦。謎につつまれた名将の渾身の生き様を、斬新な切り口で描く。
幕末、江戸幕府が大政奉還をし、旧幕府と薩摩・長州の間で大きな戦が起ころうとしているその時、“元”忍びの里・甲賀は揺れていた。忍びとして戦国では大いに活躍したにもかかわらず、戦がなくなると時の権力者たちは難癖をつけて身分と領地を没収。気づけば忍びの術は失われ、百姓として困窮するまでになっていた。そんな折の大戦。忍びの技を再び世に示し、甲賀忍者ここにありと知らしめれば、武士の身分に返り咲けるのではー。そんな願いのもと、集められた甲賀の里の若者たち。その中でも、鬼っ子・山中了司、宮司見習い・安井金左衛門、箱入り息子・大原伴三郎、誇り高き血筋・鵜飼当作、少々年のくった薬術師・間瀬勘解由の五人組は喧嘩ばかりのはちゃめちゃで!?
王子妃を決める選考会で、女官のアナベルが担当することになったのは、言動がヤバいと評判の男爵令嬢キャロル。「スパダリランス様キタコレー!!転生して良かったぁぁ!!」謎の言語の数々に、冷静沈着な万能女官アナベルもさすがに引き気味。苦労が耐えない日々の中、騎士ランスに支えられ彼との距離も縮まっていくが…。選考会の裏で進行する陰謀からアナベルを守ろうとする筋肉騎士団、腹黒王子ルイスの思惑も交錯して選考会は大波乱!?
王太子妃付きの侍女マリーベルは、実は前国王の隠し子。おまけに、王太子に与えられていると国中が信じる『神の恩寵』の真の所持者という大きすぎる秘密を持っていた。なんとかバレる前に退職したかったのに、ある日『神の恩寵』の力が発動した場面を王太子の右腕である小大公アルフォンに目撃されて絶体絶命!…のはずが、マリーベルの秘密を守るべく、なんと二人で偽の恋人同士を演じることに。あれ?これって本当にお芝居ですよね…?
悪役令嬢なのに、棺の中で眠る姿を聖女として公開して参拝料を頂くー。処刑直前で悪役令嬢に転生したことに気づいたエライザは、助けてくれた神官長アレクシスからそんなお願いをされてしまう。超絶美形なのに腹黒で欲深な彼に反発しながらも従うしかない。しかしアレクシスは小動物が大好き。魔力量を恐れ小動物に逃げられて悲しむ姿に可愛いと思ってしまうエライザ。そんなある日、ゲームヒロインに偽聖女であることがバレてしまって!?