2024年6月10日発売
ロイドたちは、巨大な奴隷市を前に賑わう港町へ到達。腹黒なシスターやロイドの懐かしい付き人と出会うドタバタな日々を送りつつ、国外脱出の計画を練っていた。 そんな中偶然腹ペコの獣人逃亡奴隷と出会ったことから、獣人たちの仲間の奪還作戦を利用しようと企むロイド。彼らに協力するように見せかけて、奴隷市の最中にひと騒ぎ起こして街を混乱させ、その隙に船を奪って出港する計画を立てるがーー?
連合国の各部族との交易に乗り出したルッツ達は、参加を渋る族長に遭遇。そこで、飢えた民の隣で私腹を肥やす族長に代替わりの決闘を申し込むと決めた娘を応援することに。 だが族長は、古に作られたという謎の魔剣を操るらしい。ならば作るべきはーー魔剣を打ち破るための新たな魔剣! 「負けてたまるか、俺たちこそが最高の職人だ」 一方、伯爵領内にはルッツの作った刀剣の所持者を狙った通り魔が出没。その正体は意外な人物で……?
不毛の地だった砂漠の村を快適に暮らせる場所にするため『植樹』の能力をフル活用するウッディ。神獣達の力も借り豊かな緑や水源、鉱山資源の確保もでき、フルーツを使った特産品作りに力を入れたりと領地はますます発展が進む! しかし、ウッディは大量に産出される鉄の有効活用法に頭を悩ませていた。そんなとき、鉄加工を得意とするドワーフをダークエルフに紹介してもらえることに! 早速、彼らが住まう地を訪れるが何故かダンジョンの魔物と戦うはめに!?
日本でホテル勤務をしていた前世の知識を使い、屋敷の没落を食い止めた転生メイドのイーディス。だが、さらなる借金が発覚!屋敷の主・ヴィンセントの婿入りと会社の吸収合併を阻止するため、イーディスと令嬢グレイスの転生者コンビは新たな策を練り始めるが、転生者の知識を上回る敏腕事業家の登場で大ピンチに…!?巻末には、イーディスに恋心を抱くヴィンセント、執着するユーリとの恋愛が進展するかもしれない番外編も収録!
類稀な祈りの力を持つ大聖女アリィは、何者かに毒殺されそうになる。 それならいっそ死んだことにして、憧れのパン屋にジョブチェンジしてやる!! と、正体を隠して弟子入りしたところーー元近衛がパン屋の息子と判明して彼と義兄妹に!? さらに元婚約者の王太子(の側近)が毒殺犯を見つけたいと潜入捜査を依頼してきて……!? なんの因果か大神殿に戻ったアリィは、無自覚に元大聖女の能力を発揮し、不本意な犯人捜しの合間もせっせとおいしいパン作りに励みます!!
ハードボイルド小説から『三国志』、「大水滸」シリーズなど、その偉業は原稿用紙を重ねると3人分の背丈になる(本人談)という言わずもがなの巨匠・北方謙三さん。 昨年、超大作『チンギス紀』を完走されましたが、実は、歴史大長篇の傍らで「原稿用紙15枚ぴったり」の掌篇を書き継いでいました。 2017年の不定期連載開始から足掛け7年。 ついに一冊の本に結実しました。 タイトルは、『黄昏のために』。 *** 画家である「私」は、今日も独り、絵を描いている。 モチーフは人形、薔薇、動物の頭骨、階段…… 裸婦は描くが、風景画は描かない。 物は物らしく、あるべき姿を写し取る。 ふた月に一度アトリエに訪れる画商・吉野に絵を売り、腹が減ったら肉を焼いて食べる。 秋には山で枯れ葉を集め、色を採集する。 対象を見、手指を動かす。 自分がほんとうに描きたいものを見出すまでーー。 *** 「誰もがいいと思うから、絵は売れるのだ。 しかし、ほんとうは誰にもわからない。 そんな絵が、描けないものか」 --「穴の底」より *** “究極の絵”を追い求める一人の画家の“生”を、 一つひとつ選び抜いた言葉で彫琢した、魂の小説集です。 孤高の中年画家が抱える苦悶と愉悦が行間から匂い立つ、濃密な十八篇がここに。 *** ◆著者プロフィール 北方謙三(きたかた・けんぞう) 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』で単行本デビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞、2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼 太郎賞、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』(全15巻)で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。13年に紫綬褒章を受章。16年「大水滸伝」シリーズ(全51巻)で第64回菊池寛賞を受賞。20年に旭日小綬章を受章。24年『チンギス紀』(全17巻)で第65回毎日芸術賞を受賞。『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』(全7巻)ほか、著書多数。
アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワ。彼女といると、人は自分の「無意識」に気づいてしまう。自分の気持ちに、傷ついてしまうー。桜木紫乃の真骨頂、静かに刺してくる大人の物語。近づかずにはいられない。知らずにはいられない。「谷から来た女」二〇二一年。大学教授の滝沢は、番組審議会でミワに出会う。大人の恋愛を楽しむ二人だが…。「ひとり、そしてひとり」二〇〇四年。夜のすすきので、専門学校の同期生だったミワに再会した千紗は、あるお願いをする。「無事に、行きなさい」二〇一五年。ミワと付き合い始めて二年。倫彦は、将来を信じつつもどこか遠さを感じている。他、全六編。
解けない封鎖と拘束 止められない歩み 言葉 爆撃にさらされ、地下室に拘束されたまま、封鎖下の日々や自らの生い立ちを、一本きりの青いペンで見知らぬ「あなた」に宛てて書き綴る少女の物語。 母親と兄とともにダマスカス郊外で暮らすリーマーは、自らの意思とは関係なく足が勝手に歩き出してしまうという奇癖の持ち主。四歳の頃から手首に枷をつけられて育つが、ある日を境に話すこともできなくなってしまう。学校教育を受けられず、母親が掃除婦として働く学校の図書室長の厚意で読み書きを教わり、本に親しむようになる。 学校に行かなくなってからは外部との接触を断たれ、勝手に歩き回らないよう家に閉じ込められて過ごすが、近々シリアを出国するという図書室長の招きで、二年ぶりに外出する。 母親と娘が乗ったバスは、市内にいくつも設置された検問所で止められ、なかなか前に進まない。数時間が経過した頃、ある検問所で悲劇が起こる…… 2013年にシリアで実際に起きた出来事を下敷きに、手記の形をとった異色の長篇小説。数多の制約の中で生きることを強いられる内戦下の不条理な現実を寓話的かつ超現実的に描く、『無の国の門』の作家の新境地。
翌月に結婚式を控えていたタイミングで、婚約を解消されてしまったジョアンナ。傷ついた彼女の元に、「義妹の代わり」として新しい婚約話が舞い込む。相手はリネハン辺境伯家のヴィンセント。 彼は数年前に受けた毒の影響で、醜い姿になっているそうだ。 不安を抱えながらリネハンへ向かうジョアンナだったが、婚約者からも周りからも溺愛され、おまけに何の役にも立たないスキル【ログインボーナス】に大きな変化が起こり…。
「私にもワンパン教えてください!」 王女様も見せしめ、鉄拳、一網打尽!? 無気力鬼畜青年が仲間と行く、のんびりざまぁトラベルファンタジー第二弾! 書き下ろし番外編、巻末収録! コミカライズ企画進行中!
キム・ウォニョン(作家・ダンサー・弁護士)、キム・ソヨン(読書教室運営)、イギル・ボラ(作家・映画監督)、チェ・テギュ(獣医)という、背景も活動分野も異なる4人によるエッセイ集。 コーヒー、靴下、テレビ、本といった身近な存在の言葉をはじめ、ゆらゆら、ひそひそ、ひんやりなどの状態や様子を示す言葉について、それぞれが文章を綴る。 4人の文章に触れることで、新たな気づきや視野の広がりが感じられる1冊。 牧野美加さんのなめらかな日本語訳が心地よいリズムを刻む。
「上質で面白い、短篇小説の商業文芸誌を作りたい! 」と志し、 「もっと活躍したいプロ(自称可)の小説家」ではじめた『吟醸掌篇』の第5号! 今回は女性作家ミステリ号。新作短篇4本に翻訳1本、秀逸な読書案内に作家紹介とコラムも充実しています! ●目次 【表紙】山崎まどか(装幀・装画) 【コラム】 《ミステリと女性作家》 空知たゆたさ「(わたしの愛する短篇作家5)エリサベス・ボウエン─事件と生活の共犯性」 50-53 杉山志保 「銀輪の音 凛々と響かせよ ミステリの妖精(エルフ;)仁木悦子よ!」 54-57 頭木弘樹 「理想のミステリとしたシャーリー・ジャクスン」 58-61 《女性作家のミステリ わたしの短篇ベスト3》79-89 ・寺田和代「凡人の内なる悪や恐怖をあぶり出す不穏な心理劇」(P・ハイスミス、R・レンデル、ローリー・リン・ドラモンド) ・うた「女性がミステリーを語るとき何が起こるか」(アガサ・クリスティ、ミネット・ウォルターズ、ローリー・リン・ドラモンド、カリン・スローター、パトリシア・コーンウェル) ・伊東晶子「変わり続ける女性探偵たち──激辛はイヤ、でも生ぬるいのもちょっとね」(キャサリン・ルイーザ・パーキス、アマンダ・クロス、B・K・スティーブンス) 【翻訳】 レベッカ・ハーディング・デイヴィス/(訳)まえだようこ「船長の話」 (画・八木橋幸子) 62-78 【創作】 小沢真理子「黒の方法」(画・小春あや) 2-25 村木美涼「eフィーバー」(画・とどろきみゆき) 26-49 浅野里沙子「見えざる影」(画・三堂懐古) 90-111 栗林佐知「ばあちゃんは見ている」(画・小春あや) 112-131 【プロフィール】 132-134 【お知らせ】 ・けいこう舎の刊行物 表2(表紙ウラ) ・けいこう舎マガジンの好評連載企画 136 ・「寄稿してもいいな」と思ってくださったみなさまへ 表3(裏表紙ウラ)