2025年発売
江戸出版界の黎明期に、浮世絵師、ベストセラー作家、経営者、商品デザイナーと、今でいうマルチクリエイターとして活躍した山東京伝には、ふたりの妻がいた。前妻とは死別。後妻とは十七歳差。ふたりとも吉原の出身だった。後妻のゆりは、少々浮世離れした夫との暮らしに戸惑い、「出来た前妻」の影に嫉妬を覚えながらも、完璧な妻を目指して奮闘していく。京伝とふたりの妻にまつわる感動的な場面や、スカッとして笑える悪者退治の騒動など、読み応え満載の物語。大河ドラマの視聴と併せて、是非お楽しみください!!
本書は明治期になしえた日本の奇蹟の物語であり、騎兵たちの胸躍るドラマである。 日露戦争真っ只中の明治38年1月、中国の東北部にある沙河の凍土で、騎兵旅団長の秋山好古が三つの挺進隊を戦線に送り出した。目的は情報収集と敵陣攪乱。彼らの活躍が日本の勝利に大きく貢献することになる。 100年余の時を経た今、若き騎兵らの奮闘を丹念に追った書。 第一章 沙河の滞陣と児玉の迷い 第二章 永沼挺進隊、挺進作戦開始 第三章 ミシチェンコの八日間と黒溝台会戦 第四章 山内挺進斥候隊と建川挺進斥候隊 第五章 永沼挺進隊、鉄橋爆破と月下の騎兵戦
旧ソ連製の超小型核爆弾、通称“レベジの核”が、新潟の原発付近に持ち込まれた。突如、核テロの脅威にさらされた日本政府は、国際謀略のエキスパートにして伝説のスパイマスター・冴木治郎に対処を依頼。その矢先、“ロスト7”を名乗る正体不明の人物から総理官邸に犯行声明が届く。それを皮切りに、国を揺るがす事件が次々に起こり、事態は混迷を深めていく。冴木は、核の行方と“ロスト7”の正体をつきとめることができるのか。そして、“ロスト7”の目的とは? 未曾有の危機を描く本格謀略小説。 プロローグ 第一章 亡霊の目覚め 第二章 挑発の波紋 第三章 混乱と不信 第四章 ロシアの影 第五章 蒼き狼 第六章 亡霊 第七章 挑発 第八章 攻撃 第九章 反撃 第十章 切り札 エピローグ
ジャワ南部の港町に生まれた娼婦デウィ・アユとその一族を襲った悲劇。植民地統治、占領、独立、政変と弾圧といった暴力の歴史を軸に、伝説、神話、寓話などが渦巻く奇想天外な大河小説。世界35カ国以上で刊行されたマジックリアリズム文学の傑作。
急死した伯父の部屋には人懐っこい隣人たちと「幽霊」が付いてきた! 長い内廊下でつながるアパートメゾン・ド・ミルでは、「ふつう」を外れた人が寄り添い生きる。文芸界最注目の著者・王谷晶が描く現代版長屋噺!
悪女セラフィナの手により過去へと回帰した魔法使いアーヴェル。 その記憶を活かし、幼いセラフィナを真っ当に育て上げて彼女の運命を変えようとしたものの、どうしても兄ショウの死を回避することはできなかった。 三度目となる過去への回帰で、アーヴェルはついに中央の皇帝一家に反旗を翻す。 全員が幸せになる唯一の道ーーショウを皇帝にすることを目指して。 反乱が進むにつれ、それぞれの思惑やセラフィナの生家であるシャドウストーン家の呪いなどが次第に明らかになり……? 魔法と呪い、愛と憎しみ、そして過去と現在。 すべてのものが交わる中で、何度も時を繰り返したアーヴェルたちが最後にたどりついた未来とはーー? 第一章 アーヴェル・フェニクス 幕間 ジェイド・ストーンの悔恨 第二章 セラフィナ・シャドウストーン 最終章 嘘みたいに幸せな話
侯爵家子息ジェイのお屋敷へ招かれたルビナは、異国の元王子でもあるジェイの旧友・レオナルドから結婚式へ招待される。初めての国外旅行もジェイと一緒に満喫し、心を通わせるふたり。式の晩、ついにジェイから婚約を前提にした交際の申し出が!? 晴れてお付き合いを始めたふたり。ジェイの家族と交流したり、彼の店の宣伝に一躍買ったり、学園祭の準備に奔走したりとルビナは大忙し。だけれどそれは、前婚約者との間では決して得られなかった幸福な日々で…… 試練を乗り越えた二人の、幸せあふれる甘々ピュアラブストーリー! 第一章 ジェイ様のおうち 第二章 何かありそうな予感 第三章 交際します 第四章 学園祭 第五章 旅行に誘われました 第六章 卒業式 第七章 甘やかしたい 第八章 ソフィアさんの結婚式 第九章 嫁ぎます 第十章 最終話
みんなが寝静まったなか、拠点を抜け出したゆり&れんげが夜の街をこっそり冒険! 「冒険! 夜の街」 さざんか&あやめはアパレルショップで、お互いが相手に似合うと思う服を着てもらい……!?「マジいずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた) 」 お客さんの途絶えたゲーセンでは、ひなげし&えりかがハイスコア更新に挑戦!! 「昭和レトロマッチング」 ほか、本編全9章+エピローグ+プロローグを収録。 いつも仲良しな定番ペアから、アニメ本編では見られなかったちょっと意外な(!?)組み合わせまで、6人が織りなす日常風景をお届け! “かけがえのない、みんなとの時間”をドンドンドーンっと詰め込んだ短編連作集!! プロローグ 第一章 冒険! 夜の街 第二章 マジいずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた) 第三章 昭和レトロマッチング 第四章 マジで草 第五章 コミュ強になろう! 第六章 陰陽タクティクス 第七章 劇場版みにもん〜みにおに島のダークみにおに〜 第八章 プレスオブファイナルクエストソードクリムゾン 第九章 大切な人たちへ エピローグ
義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本の元には、一風変わった経営再建の話が持ち込まれる。 今度は神社と寺!? 除夜の鐘にクレームをつけられた住職は「この国は滅びるぞ」と怒り心頭で、阿岐本組も警察に通報されたり、追放運動をされたり大ピンチ! 大人気「任侠」シリーズ第7弾。
仙界の太白金星に住む李長庚は、観音菩薩の奸計によって天竺へと向かう三蔵法師に八十一の試練を与えることになった。だがそこには、仙界の大物たちが企てる隠された目的が見え隠れしていた。人間界も巻き込んだ壮大な計画の鍵は、孫悟空にあるというが……。
17歳のキアラは、兄と二人暮らし。父は病死、母は獄中。ラッパーを夢見る兄のため、隣家の孤独な少年のため、彼女は職を探す。ある夜、思わぬことから、売春を始める。愛する者を心の支えとして働くキアラだったが、やがて街を揺るがす騒動に巻き込まれ……
「どうしても、直木賞が欲しい」 賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める作家・天羽カインの破壊的な情熱が迸る衝撃作! ♦あらすじ 天羽カインは憤怒の炎に燃えていた。本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の、何が駄目なの? ……何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に。
200年の間、固く閉ざされていた扉。 それはフェノロサと岡倉天心の手によって開かれたーー 飛鳥時代に聖徳太子の姿を模して造られたと言われる、 法隆寺夢殿・救世観音像。 その厨子は鎌倉時代以降、固く閉ざされ、 扉を開けば直ちに仏罰が下ると信じられていた。 「金のために秘仏を見せるというのか」 「支援がなければ、法隆寺はもう保てません」 国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、 しかし、欧米では東洋美術が評価され始めている。 近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、 秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの思いとは。 直木賞作家が描き出す歴史群像劇の傑作。