2025年11月7日発売
幼い日に実の母と離れ、弦楽器職人の里父のもとで育った中学2年生の時本拓実。10年の委託期間を終え、実母の家へ戻る時間が迫っている。音楽が導く、里親との別れの半年を描いた愛の物語。note主催「創作大賞2023」受賞後第一作!
豪華作家陣、揃い踏み。文芸誌「小説TRIPPER」の”30”周年を祝した、”30”人の作家による、”30”をテーマにした小説アンソロジー。純文学作家からエンタメ作家、新進気鋭の作家からベテラン作家まで、今をときめく豪華作家が揃いました!小説好きはもちろん、ふだん小説を読まない人も、きっとお気に入りの一作が見つかるはず!<<執筆陣>>青山美智子「ストールは赤」朝井リョウ「三十番目」朝比奈秋「ネオン魚群」伊坂幸太郎「30を信じろ/30も信じる」一穂ミチ「プレゼント」江國香織「若月寧音(五歳)の三十日ーー聞き書きにより要点のみ記述」温又柔「きょうの花婿」加藤シゲアキ「サーティー・ストライプス」河崎秋子「こひつじメリー」木爾チレン「うちとあんた」九段理江「30世紀少女」呉勝浩「檸檬と定規」小池真理子「逢瀬」小林早代子「(15)→(30)」佐原ひかり「世界を救ったことがある」鈴木結生「世界文学物尽(ものづくし)」高山羽根子「そこの関節からも曲がるんだ?」田中慎弥「チャーチルと母」月村了衛「三十年前、一瞬の光景」中村文則「これを消してほしい」西加奈子「30の春子」町田そのこ「さよなら、過去」町屋良平「ハンマークラヴィーア、バスキン・ロビンス」三浦しをん「三十秒の永遠」宮内悠介「アメリカの人魚」宮島未奈「紗南ちゃんの便せん」山内マリコ「もう三十代ではないことについて」結城真一郎「やることなすこと」吉田修一「おそらく彼女たちは」米澤穂信「世界を変えた三十人とラストプリンスタンディング」
老境の弁護士、詩人、すれ違い始めた男女が、それでもなお「今ここに在ること」の素晴らしさを歌いあげる。光に満ちた八篇を著者への深い敬愛を込めて編者が選ぶ。生誕100年記念。 「人間の生きる姿」と「地上に存在するよろこび」を訴えていた辻邦生の仕事は、どこか孤立しているようにさえ感じられた。逆に言えば、彼の強さはまさにそのような孤立をものともせず、いついかなるときも、コリン・ウィルソンの言う「〈すべては素晴らしい〉という唐突な感情」のわきでる泉に向かって、探索者のように進んでいく膂力を有していたところにあるだろう。 堀江敏幸「噴水の水滴になることーー『竪琴を忘れた場所』解説にかえて」より
モスクワ音楽院で起きた密室殺人。 国際情勢が音楽家たちの人生を変える。 文化的鎖国状態のロシアで、「他国の音楽は不要」と主張するモスクワ音楽院の学部長が殺された。 海外巡業中の日本人ピアニスト・岬だけが気づいた事件の真相とは。 累計190万部突破! 大人気シリーズ最新刊。
仕事とは? 人生とは? 悩む大人たちに贈る、6つの物語 社会で起こる理不尽な出来事、仕事での悩みや葛藤ーー生きる上で湧き上がる無数の想いは、“世の中”という名の大きな流れに飲み込まれていく。 慌ただしい日常で流されがちな自分を見つめ直すひと時をくれる、珠玉の短編集。 鮎釣りに来た吉富は、川のほとりに遺棄された赤ちゃんを発見する。病気で亡くした子どもの生まれ変わりではないかと考える吉富は、妻と相談してある行動に出る。一方、居眠り運転により母親を轢殺し、赤ちゃんを遺棄した犯人は吉富もよく知る身近な人物だったーー。身寄りのない赤ちゃん、子どもをあきらめきれない吉富、そして、母子の運命を大きく変えてしまった犯人。数奇な縁で交錯していく三人の人生の流れ着く先とは? 「鮎川のほとり」 黒木君 転職 旅人とサソリ 専門家 鮎川のほとり 天職
「あぁ、やっぱ無理」 と思う前に読みたい令和の夫婦ドラマ 子連れ再婚、不妊治療、新婚すれ違い、 中高年「仮面夫婦」、熟年離婚危機……。 『正体』『悪い夏』でベストセラー 社会派ミステリの著者が描く、珠玉の愛の物語! 最近、夫が冷たくなった気がする。妻である自分にではない。子どもにだ。それも六歳の長男にだけーー。佐藤綾子には離婚歴があり、前夫との間にできた子が長男の蓮だった。バツイチの綾子を受け入れてくれた年下の夫健太は、再婚当初は蓮と本当の親子のように仲が良かった。温かな家庭を取り戻したかのように思えたが、次男の楓が生まれてから生活が一変した。健太の蓮に対する愛情が微妙に薄れてきたのだ。それが原因で綾子の怒りが爆発し、夫婦喧嘩に発展することしばしば。さらに蓮の小学校の担任から、発達障害である可能性を示唆され、綾子は憤慨してしまうが……(第一話「おかしいのはどっち」)。 <目次> 長男にだけ冷たい無神経夫の言動に怒りがこみ上げ…………………「おかしいのはどっち」 一回りも年下の妻はなぜ冴えない自分を選んだか?…………………………「なぜ出ない」 妻から離婚を切り出された。だが、プライドが邪魔をして……………… 「プライドは富士山」 四六時中家にいる定年退職後の夫に鬱憤が溜まり…………………………「夫婦の再開」 幸せな新婚生活のはずが、底抜けに明るい妻を疎ましく感じ…………………… 「薄情者」 仕事を辞めて毎日プラモデルを作る夫。せめて家事はやってくれ…………… 「交換日記」 なーんにもしない更年期の妻に夫はある疑念を抱き………「いつまでもあると思うな妻と金」 夫の「終活」に無理やり付き合わされた結果、ある記憶が蘇り…………… 「思い出の抽斗」 独身貴族の作家は、温かい夫婦の物語を書きたいと言い出す…………………「シングル」
BTSのRMも読んだ、詩人ファン・ギョンシンのエッセイ。夜11時の静寂に漂う記憶を描く。秋から冬、春、夏へと続く季節を巡る120篇が読む人の心と時間にそっとまじわり、一日の余韻を優しく映し出す。 一日がすべて過ぎ去り、次の一日がまだ遠くにある──そんな夜の11時という時間。その時間に宿る、記憶のかけらたちを描き出した、詩人ファン・ギョンシンによる深く沈んだ思索のエッセイ。 秋から始まり、冬、春、夏へと続く120の小さな文章たち。移ろう季節の中で、静かなまなざしと共に綴られた言葉は、読む人の心にそっと触れ、まるで誰かの一日を一緒に過ごしているような感覚を呼び起こします。 彼女が綴った言葉は、心の奥をすり抜けて耳もとにそっととどまり、ふと視線を上げたとき、自分の一日を振り返らせてくれます。季節が過ぎ、陽が落ちるその場所に腰をおろし、私たちがかつてほんの少しだけ立ち止まった時間と空間を描き出します。 明日のことさえ見えないような日々でも、それでも、花は咲いてまた散って、風は吹いてまた去っていく、 変わってしまったもの、そしてこれから変わっていくもの。それらをただ見つめながら、そこに静かに立っていれば、それでいいのだと、そんなメッセージを静かに伝えてくれます。
全国紙司法専門記者として長年活動した著者によるセミノンフィクション 裁判官、検察官、弁護士、警察官取材のリアル 序 章 第一章 追っかけ 第二章 逆転 第三章 違憲判決 第四章 拷問 第五章 幻の事件 第六章 修羅場 第七章 情実入試 第八章 体験取材 第九章 自粛の街 第一〇章 迷宮 第一一章 ドイツ 第一二章 調書裁判 第一三章 論説委員 第一四章 社説 最終章