2025年3月21日発売
「自閉症者のもどかしさをここまで情緒的に綴る文章は僕には書けない」--『自閉症の僕が跳びはねる理由』著者・東田直樹氏推薦! 自閉スペクトラム症のサンデーは白いものしか口にしない。他人のかかわりは暗記したマナーブックの指南通り。自分のルールを守りながら、娘のドリーと二人ひっそりと暮らしている。しかし、ある夏の日、唐突に現れた自由奔放で謎の魅力をもつ隣人によって、これまでの日常が侵されていく。一方で、ドリーは隣人に惹かれていく。幼い頃から母親にその特性をみとめてもらえなかったサンデー。現在も、唯一の愛する家族である娘との関係に悩み続けている。自身も同じ特性をもつ著者の初めての作品にして、ブッカー賞ノミネート作。 <本書の内容> 火は光と見紛う/輝く魚/冬の蜂/大きな声で話して、普通に話して/辿れない心/精巧に作られたおもちゃ/個人の邸宅/やわらかい羽と鋭い目/この見せびらかすようなキス/猫の眠り/所有欲に似た愛情/際立って違うもの/ある種の告白/イーヴィは水が大好き
「男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。どこで間違った?」 ポリコレ系文化人×弱者男性芸人 自らの傷を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末はーー 【『ぬいしゃべ』著者、入魂の衝撃作!!】 映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。 本作は、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んだ超渾身作。 「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を見出す。」 ー吉田恵里香(脚本家・NHK連続テレビ小説『虎に翼』アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』他) 「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ。」 ー大島育宙(芸人・YouTuber)
ポーランドの炭鉱、チェコの森、ウクライナの麦畑…ロシア・中東欧の厳しくも豊かな自然は、文学や絵画でどのように描かれているのか。国家や民族の問題が影を落とすロシア・中東欧文学を、地政学や文明論を超えたエコクリティシズムの観点から批評し、新たな読解の枠組を提示する。
筆者は、湯布院という名前を挙げて、一冊の本を書こうとしている。この物語の冒頭に登場する三人の青年が、ヨーロッパに出かけ、観光を学び、田舎町湯布院を見事な観光地に育てた実話に感動して、この物語のペンを執った。この実話以降の物語は、全て私の創作である。・・・「プロローグ」より