2023年4月14日発売
董珠蘭は一度見たものは忘れない。その抜群の記憶力を生かして後宮の事件を解決し、不死帝となった兄の助けとなっていた。そんな折、故郷から不漁による減税の嘆願がきたことを知る。贄姫だった自分が逃げ出したせいではないかと気にかかり、不死帝の隠し子である劉帆の視察に同行することに。しかしそこで、珠蘭と劉帆は聚落の者たちに捕らえられてしまう。そこで知ったのは、国に仇なす故郷の闇だった。偽りに満ちた後宮で、珠蘭の人を信じる行動は波紋を広げていきー後宮ミステリー待望の第二巻。
母と姉に虐げられて育った菫。借金返済代わりにヤクザへ売られたけれど、若頭の桐也に見初められ結婚することに。自分を捨てた家族と決別し、菫は新しく幸せを育む居場所と巡り会えたのだった。桐也と共に歩んでいく。溺愛の日々を送る中で、菫は自分に出来ることを探す。そこで桐也や彼を慕う子分たちに振る舞うお菓子作りに挑戦!けれど桐也はそれを見て、顔を赤らめて言った。「っ、そんなもん、食えるわけねえだろ!」-早合点に気落ちする菫。そんな折、菫は桐也の秘密の取引から、隠されていた彼の裏の顔を知り!?
汪国の妃、玲秋は敬愛する幼い公主、珠玉と共に確かに死んだ。女として皇帝に愛される事もなく、突如国で謀反を起こした第三皇子、紫釉により生き埋めにされたのだ。-けれど、玲秋は生きていた。なんと二年も時の戻った状態で。舞い戻った後宮で未来を変える方法を探ろうとした矢先、玲秋は後宮前でそこにいないはずの人物ー紫釉と出会ってしまう。未来を思い出し警戒する玲秋をよそに、紫釉は珠玉の世話をする玲秋に対して好意的に接してきて…?愛憎渦巻く後宮で数々の想いが交錯する、中華後宮輪廻恋物語!
当代随一の退魔師“聖女”エマには秘密がある。それは、魔を祓う身でありながら、強力な魔物・クロエと「契約」していること。幼い頃魔物に襲われたエマは、クロエを召喚し生き延びた。以来、自分を「姫さま」と呼んで嬉々として世話を焼くクロエと、いびつな主従関係を築いてきた。孤独なエマにとって、クロエの重く深い愛は、時に魅惑的な毒のようだ。人々を襲う黒い魔獣、死を呼ぶ葬送のワルツ、母の腹に宿ったまま生まれない赤子。エマは今日もクロエを従えて退魔に向かうー消えた妹を捜し求めて。
NYの高校に通う心優しいナード少年オリバー。ある日不可解な事件に巻き込まれ母親が重症。自身は奇跡的に回復したが、体の様子がおかしい。やがて訪れた教会で、オリバーは自分が吸血鬼になってしまったのだと告げられるー。戸惑いながらも、母親を救う手立てを求めたオリバーは、怪しげな私立探偵ヤンに預けられる。だがヤンは、暴力折檻も厭わない吸血鬼専門の事件解決請負人だった!半人前の吸血鬼として躾けを受け、時には命の危険を感じながらも、オリバーはヤンと共に怪物絡みの事件を追うことになり…?
嫁入りは保留のまま、鬼灯組の仮組長に狛夜と漆季を指名した華。翠晶を失った代わりに組の役に立つべく仕事を探すと、紹介された店でいきなり指名されー「迎えにきたよ、私の花嫁」彼は幼い華にあやかしの婚姻痣をつけた妖怪・鱗。そして漆季の宿敵でもあった。複雑な再会の中、裏切られたと激怒する鱗は痣を解消せず鬼灯組と華を地獄に堕とすと言う。次々と起こる事件、拡大していく華の痣。迫るタイムリミットの中、衝撃的な鱗の秘密に辿り着いた狛夜と漆季は、華を守るために危険な賭けに出て…?
ついに結婚式を迎えたウィリアム殿下と私、リリアーナ。しかし式の途中ー「ちょっと待ったー!」と謎の女性が乱入!?式はなんとか終えたけれど、証拠品を提示し王族だと主張する女性に王宮は大混乱。調査のため新婚旅行も延期に!すると大事な日を台無しにされ激怒したウィリアムが、彼女の正体を突き止めるために大奔走し…!?
王弟殿下のテオフィルスに真っ直ぐな想いを寄せられ絆されそうになるも、持ち前の冷静さで立て直した聖女セルマ。しかしテオの求愛は天井知らずでー!そんななか、テオの兄ティグニス陛下が神殿を訪れる。一目で二人の関係を見抜いたティグニスは「あの女はやめておけ」とテオに釘を刺すのだが、一方でテオとセルマに王都に来るよう命じ…!?
家族から虐げられる伯爵令嬢マルグリットは、王命で敵対する公爵家の次期当主ルシアンと政略結婚することに。「お前を愛するつもりはない」「わたしも愛する気はありませんので、どうぞご心配なく!」「…」冷遇されても明るく振る舞うマルグリットにルシアンは次第に心を開き、妻を愛するようになるがー不器用な二人のすれ違いは続いていき!?
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定、テロを専門に扱う公安部に捜査の主導権を奪われてしまう。捜査の本筋から外された内藤には、無数にある防犯カメラ捜査が割り当てられたが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もし反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破されるー。
アネリーズはパリにある会社に就職し、忙しい日々を送っていた。1度しか会っていないCEOのニコラと彼女が交際中だという、根も葉もない新聞記事のせいでパパラッチが押し寄せてくるまでは。彼はヨーロッパじゅうの王族が結婚相手に望むほどの大富豪だ。このままでは私の存在が迷惑になる。会社を辞めて田舎に引っこもう。ところがニコラはアネリーズを呼び出し、驚くべき提案をしてきた。記事を書かせた者をさがすため、彼の婚約者を演じてほしいというのだ。もちろん自分では分不相応だからと、アネリーズは断ろうとした。けれどニコラに手を握られ、黒い瞳で情熱的に見つめられるうち、唇はいつの間にか「はい」と言っていて…。
目が覚めると、彼女は記憶をなくしていた。列車事故が起き、偶然現場にいた医師スチュアートに命を救われたが、彼女は意識を失う前、赤ん坊を大事に抱えていたという。その子は彼の姪で、彼女は亡き兄の妻デザレイだと聞かされる。彼は兄と長く疎遠だったため、その妻である彼女とは初対面らしい。わたしに夫がいたなんて、まったく身に覚えがないけれど…。これまでの人生を失った不安に押しつぶされそうななか、親身に支えてくれるスチュアートに、いつしか心を許していた。そこから、彼女のデザレイとしての人生が始まるかに見えたーだが、やがて驚きの真実が判明する。彼女はデザレイではなかった!
看護師のハリエットは、休暇でオランダの友人宅を訪ねた。色鮮やかな花々にあふれる早春のオランダは世界一美しい。胸を高鳴らせて町を闊歩する彼女の前に、信号待ちの車が停まった。端整な顔立ちの運転手と目が合い、ハリエットは思わずほほえんだ。なぜか、ずっと昔に会ったことがあるような気がして…。ところがその男性は冷ややかなまなざしのまま走り去り、ハリエットは恥ずかしさに、一瞬でも浮かれた心をたしなめた。翌日、診療所を経営する友人の父親を、医師のフリソが訪ねてきた。まあ!あの車の男性だわ!驚くハリエットに、彼は詰問した。「昨日、君はなぜほほえんだ?僕のことなど知らないはずなのに」
「あの夜のことは、なかったことにしよう」秘書として働き始めたペイジに、社長のジェイリッドが告げた。先日の大停電の夜、エレベーターに閉じこめられたペイジは、見知らぬ男性に慰められるうち、一線を越えてしまった。自分らしからぬ行動を恥じ、逃げるようにその場を去ったが、新しいボスのジェイリッドこそ、あのときの男性だったのだ!ボスの言うとおり、あのすてきな思い出はもう忘れてしまおう…。だが4カ月後、ペイジは彼の子供を妊娠していることに気づく。身の縮む思いで、正直にジェイリッドに打ち明けたーまさか、金欲しさに彼を罠にはめたと疑われるとも知らず。
「君との間に子供を作るようなまねはしなかったはずだ」イタリア富豪ラファの言葉に、アイヴィーはひどく傷ついた。最後の蓄えを使ってローマまでの格安航空券を買ったのは、亡き姉が育てていた子の父親に会いに行くためだった。しかし、父親のはずのラファはアイヴィーを赤ん坊の母親と誤解して事実無根だと否定し、彼女は追い払われてしまう。十代で白血病になってから、私は恋愛も出産もあきらめた。女らしさはなくしたと思ったのに、なぜあんな人に胸がときめいたの?ところがその後ラファは再び現れ、アイヴィーに結婚を迫ってきた。そしてとまどう彼女に熱い視線を向け、無垢な唇を奪って勝ち誇った。
ちょっとだけ。今夜だけよ。公務で訪れたニューヨークで王女シャーロットは、迫る政略結婚をひととき忘れたくて、こっそり会場を抜け出した。おそるおそる足を踏み入れたバーで、たくましくセクシーなイタリア人男性ロッコに声をかけられる。金融関係の仕事をしていると言う彼と、身分を隠して話すうちすっかり心奪われ、彼のペントハウスで熱い一夜を過ごした。だがシャーロットがバージンと知るや、ロッコは激怒する。「知っていたら誘わなかった!」と。そして立ち去ったー。やがて妊娠に気づいた彼女はやむなくニューヨークへ向かう。王女という身分を明かし、お腹の子は自分で育てると言うために。
レイラは母亡き後、横暴な義父に虐げられ続けてきた。ついにはビジネスの道具として、多額の金と引き替えに、見知らぬ男性との結婚を決められても、彼女は逆らえなかった。結婚すれば義父から逃げられる。相手は誰でもかまわない…。強欲で好色な老人を想像していたレイラは、現れた相手を見て、目が釘付けになった。たくましくてセクシーで、なんて魅力的。大富豪ジョス・カーモディーわたしはこの人の妻になるの?思わず胸がときめいたが、彼はレイラを蔑んだ目で睨みつけた。“金のためなら、誰にでも身を委ねる女だ”とでも言いたげに。
砂漠の王国を長期の仕事で訪れたサマンサは、宿泊先で大柄な男性と衝突し、弾みで抱擁とキスを交わした。以来、エメラルドのような瞳の男性の面影が心から離れなくなる。数カ月後、オアシスのほとりでの再会にサマンサの心は躍った。彼が私を捜しだし、会いに来てくれたんだわ!だが彼は、以前とは別人のように厳しい表情で立ち去ってしまう。ほどなく公式な謁見の場で、その理由が明らかになる。彼こそサマンサを呼び寄せた国王ビアハムだったのだ。あの熱いキスは戯れだったのよ…。傷心の癒えぬ彼女は、予期もしなかった。王に誘惑され、愛人の地位を用意されるとは!