著者 : エルンスト・ヴルチェク
スタルセンは深淵作用と呼ばれる謎の影響により孤立していた。時空エンジニアはプシオン性のヴァイタル・エネルギーを流しこんでそれを阻止しようとしたが失敗、変節してグレイの領主となっている。そんなときにあらわれたのが“鋼の支配者”だ。その正体がケスドシャン・ドームの守護者テングリ・レトス=テラクドシャンらしいと知ったアトランとジェン・サリクは、なんとかして鋼の支配者のもとへ行こうとするのだが!?
ペリー・ローダンと無限アルマダが銀河イーストサイドの次に通過すべきポイントは、二百の太陽の星だ。ところが、そこにもエレメントの十戒による危機が迫っていた。ハンザ・スペシャリストやGAV¨OK要員はポスビの協力を得て対策を練るが、指揮エレメントのカッツェンカットがプラズマを操作したため、ポスビたちは有機生命体に憎悪をいだきはじめる。さらにカッツェンカットは中央プラズマの母星にも手を伸ばした!
二番めに襲ってきたエレメントの十戒は、寄生した者を怒りと攻撃欲の虜にしてしまう戦争エレメントだった。タウレクが発見した手段により絶滅できたかに見えたのだが、一体だけ生きのこった戦争エレメントが分裂増殖したせいで銀河イーストサイドの惑星カルルジョンに住むブルー族は全員、とりつかれてしまう。そこへ、十戒の司令官と呼ぶべき“指揮エレメント”がやってきた。またの名を夢見者カッツェンカットという!
“アインシュタインの涙”と呼ばれるミニ地球に閉じこめられた百五億のテラ住民たちは、ヴィシュナのもくろみどおりヴィールス・インペリウムの一部となり、巨大コンピュータの情報処理作業に没頭していた。難をのがれたエルンスト・エラートと四次元性の影チュトンも、ヴィシュナの基地にあるクリスタル建造物“時間塔”の底に監禁されてしまう。この時間塔を管理しているのは、修道士を名乗る謎めいた存在の者だった!
未来から来たマークス原理主義者グレク336により、ヴィシュナの脅威から地球を守る時間ダムが崩壊してしまった。再構築はうまくいかない。その直後、地球と月の各所で人々の言葉が通じず、会話が成り立たなくなりはじめる。“バベル・シンドローム”と呼ばれたこの現象は、コンピュータをも混乱させ、大事故が多発する。そこに“四次元性の影”と名乗る異生命体チュトンが地球にあらわれて、地球滅亡の危機を訴えた!
マークスの原理主義者であるグレク336は、テラナーが精神世界にのめりこむことを阻止するのが自分の使命と思いこんでいる。マークス種族を分裂させる原因となった“非物質化・精神化”のすべてを憎んでいるためだ。そこでテラ政府はグレク336に対処するには影マークスへの進化のきっかけを探る必要があると考え、マークスが556年前に住んでいた使節惑星マーコラにガルブレイス・デイトンひきいる調査隊を送った!
異人キウープは、ローダンの支援をうけて、惑星ロクヴォルトでヴィールス・インペリウムを再建する実験をつづけていた。ロクヴォルトにはサルガ・エーケシュひきいる科学調査団も駐在していたのだが、独立独歩のキウープはだれにも手伝わせようとしないので、ただ見守っているしかなかった。だが、サルガを突然訪ねてきたキウープが、惑星の周回軌道に行く必要があり、その支援のため宇宙船四隻が必要だと要求してきた!
“ゴノツァル”とアルマナ級輸送艦10隻はポスビの中央世界、二百の太陽の星近傍で立ち往生していた。中央プラズマから着陸を拒否されたのだ。それだけでなく、テラ駐留部隊が住む太陽都市サンタウンとの連絡もとれない。中央プラズマが窮地に立っていると判断したローダンはアトラン、フェルマー・ロイド、そして新たに発見された女性ミュータント、イルミナ・コチストワとともにみずから二百の太陽の星に潜入した…。
痴呆化し、盗賊と化した人類が掠奪と破壊をつくし、荒廃したテラニア。アーロンは免疫者だったがゆえに、痴呆者からなる盗賊団の頭目となった。だがかれは心に直接呼びかける声に操られており、その声の命ずるまま破壊をくりひろげ、人類最後の砦である地下ブンカーの都市群へと忍び寄る。一方、デイトンに呼び寄せられた銀河通訳、セルカノ・ステーマーは盗賊団の黒幕の発見と排除という捨て身の任務を命じられるが。