著者 : ハンス・クナイフェル
“ゴノツァル”とアルマナ級輸送艦10隻はポスビの中央世界、二百の太陽の星近傍で立ち往生していた。中央プラズマから着陸を拒否されたのだ。それだけでなく、テラ駐留部隊が住む太陽都市サンタウンとの連絡もとれない。中央プラズマが窮地に立っていると判断したローダンはアトラン、フェルマー・ロイド、そして新たに発見された女性ミュータント、イルミナ・コチストワとともにみずから二百の太陽の星に潜入した…。
大群にそって飛行をつづける“グッド・ホープ2”はあらたな構造震動にみまわれた。大群がまたしても未知飛行物体“ユニット”を送り出したのだ。ローダンは飛行物体の目標星系を構造アルファと名づけ、偵察コマンドの派遣を決めた。さっそく志願したウルトラ周波エンジニアのダライモク・ロルヴィク大尉やパープル人への復讐を誓うサンダル・トークなど4名のコマンドが惑星テストケース・ロルヴィクに降りたったが…。
銀河系中枢部に貯蔵庫9万体が出現した。タケル侵攻軍を指揮するヴァスカロが最終ブロック回路を使って呼びよせたのだ。この大部隊が太陽系に到達すれば、テラが蹂躙されるのは明らか。太陽系帝国首脳は銀河諸種族に大団結を呼びかけることにする。さっそくエドモンド・ポントナクがガルブレイス・デイトンの命をうけ、三大星間帝国ー銀河連合ノルモン、中央銀河ユニオン、カルスアル同盟を説得するべく出発したが…。
土星の衛星タイタンの軍事司令エドモンド・ポントナクはオヴァロン制御ステーションのコマンド脳に呼ばれた。ポジトロニクスがヴェガ星域でブリー率いる太陽系艦隊と交戦中の貯蔵庫部隊を捕捉、タイタンとグルエルフィン銀河を結ぶペドパイラーを作動させたのだった。待機するポントナクのもとにペドトランスファーしてきたオヴァロンは、侵攻部隊の動向を探るため、貯蔵庫を指揮するヴァスカロを乗っ取ろうとしたが…。
惑星エリスガンの軍事司令官テトマン・タリノを味方に引き入れ、ペルダシスト=ファルログ=テラナー連合はペドパイロットの野望を頓挫させた。しかしオヴァロンが真のガンヨの座につくには“原母”に帰還を認証されることが不可欠。かくして、オヴァロンは原母の司令ステーションを擁する惑星アリバヌムへ急行する。一方、混乱のなかで本来の人格をとりもどしたにせガンヨは、ペドパイロットへの復讐を決意していた…。
謎の怪物フローリーモンスに導かれ、転送機に飛びこんだローダンたちは、いよいよガンヨの帰還を待ち望むガンヤス人世界へと到達した。だが、一行を迎えたのは武装した11人の老人たちだった!かれら、ガンヨ再臨を望んでいるはずのガンヤス指導者は、おのれの権力を護るため、こともあろうにガンヨを亡きものにせんと黒い陰謀をめぐらしていたのだった。期せずして故郷の招かれざる客となったオヴァロンの運命は…。
旧独裁者の死をうけ新タシュカルとなった、秘密警察長官ギンコラシュの恐怖政治がタラケで始まった。不穏分子静粛を進めるギンコラシュは、独裁権力確立の鍵を握る巨大ステーション“貯蔵庫”とタシュカル護衛にあたる“家臣”団の存在を知る。両者わがものにすべく、彼は自ら貯蔵庫に赴くが、そこにはローダンたちが閉じこめられていた。そして混乱の中明かされる貯蔵庫の驚くべき正体とは。
タケル人の統べる異銀河に囚われた旗艦「マルコ・ポーロ」は必死の逃走を続けていた。マシュリーン提督率いる追跡艦隊は反空間ソナーに似た新兵器を投入、安全と思われたリニア空間までも追いすがってくる。さらにグルエルフィン銀河中にテラナーらの指名手配書がまかれるに至り、絶体絶命の窮地に追いこまれたローダンは捨身の作戦に出たー青色巨星ゲルヒャー・ラムダへ突入、「マルコ・ポーロ」の最期を演じるのだ。
モリタトールーすなわちグルエルフィン銀河の語り部をもって任ずる種族。そのひとり、カラバシュが『マルコ・ポーロ』へコンタクトを求めてきた。ローダンは申し出に応じ、相手の本拠惑星モラケシュへ向かう。驚いたことにモラケシュはカピン20万年の膨大な歴史を記録・保存する“文書庫惑星”であり、銀河に君臨するタケル人の干渉も受けつけぬほどの聖域だった。しかし、そこにも密かな陰謀のしのびよる気配が…。
そのテラナーはいっさいの記憶を失ったまま、衛星タイタンの秘密ステーションに幽閉されていた。テラナーのほかにそこにいる生物は、メルコシュと名乗るオプロン人のミュータントだけ。しかもメルコシュは、隙あらばテラナーを殺そうと狙っていたのだ!たがいに牽制しあいながらも、ふたりは共通の目的である自由を求めてステーションを脱出した。だが、地表に出たテラナーたちの前に、謎の巨大宇宙船が出現した…。
行方不明になったローダン一行救出のため、グッキーたちはカピンが支配するレムリア大陸に潜入した。だが、手がかりはイホ・トロトの発する微弱なシグナルのみ。ローダンたちはいったいどこに幽閉されているのか。一方、首都にもどったオヴァロンにも危機が迫っていた。かつての部下タラカンがオヴァロン暗殺をくわだてたのである。からくも首都脱出に成功したオヴァロンは、ローダンに協力する決意をかためたが…。
スーパー・ミュータントは、ついにローダンの旗艦『インターソラー』にその魔手をのばした。太陽系艦隊将校ホイブライン少佐を捕らえるや、その体内に必殺の罠をしかけ、ローダンのもとへと送り帰したのだ。胸さわぎをおぼえたローダンたちは、ホイブラインを惑星シシュターに降ろした。だが追尾していたコレッロの宇宙船も同星域に出現、ここに『インターソラー』とスーパー・ミュータントとの壮絶な死闘が開始された。
3432年、銀河中枢リング部に位置する惑星アンコロートにイワン・イワノヴィッチ・ゴラチンが派遣された。謎のスーパー・ミュータント、リバルド・コレッロの陰謀が進行中との報告がもたらされたのだ。敵の動きを探る双頭のミュータントの前に、やがて正体不明の球型船が出現、コンタクトを求めてくる。だが、呼びかけに応じたゴラチンを迎えたのは、敵戦闘部隊の圧倒的な砲火だった。ゴラチンは必死の反撃を試みるが。
銀河のあちこちで謎のミュータント、リバルド・コレッロの暗躍がはじまっていた。強力な催眠暗示で人々をあやつり、生体フィクティヴ転送機ともいうべき能力をもつコレッロの正体をつきとめるため、ローダンは本格的調査に乗りだす。おりから、惑星アステラで人間があやつり人形のようになる事件が発生した。太陽系秘密情報局の特殊工作員ノーマン・ヨーダーは、自由商人の協力を得て単身アステラへの潜入を試みたが。
ジャングル惑星に不時着したローダンと《クレスト4》の乗員は帰郷の希望を捨てずに苦闘をつづけていた。一方、ヴィヴィアー・ボンテイナー率いる巡洋戦艦《オリノコ》は銀河中枢部を遊弋中だった。時間警察の生体宇宙船ドランを狩りたて、破壊するために。その《オリノコ》がハイパー衝撃前線をキャッチした。衝撃前線はドランの出現に特有の現象である。ボンテイナーはドランを求め、名もない恒星に急行したが…!?
FpF艦を擁する太陽系帝国艦隊は、震動守護者トロ・コンが率いるドランの地球攻撃部隊をようやく撃退した。だが、ローダンの留守をあずかるブリーは警戒をゆるめていなかった。そのブリーのもとに、敗走するドラン部隊から一体が脱落したとの報が入った。旗艦《ワイオミング》で現場に急行したブリーは、タコ・カクタ、ドン・レッドホース、カマロン・オレクを偵察に派遺する。ドラン内に潜入した三人が見たものとは。