1996年5月15日発売
人工授精で授かった赤ん坊が何者かに誘拐されるーシングル・ウーマンを襲った突然の悲劇。ダイビング中の事故責任を問われて窮地に立つ伝説のダイバー。出会うはずのない女と男が、事件の真相をたどるうち、奇跡のように邂逅する。謎の洞窟ブルー・ホールに眠る恐るべき陰謀とは。衝撃のミステリーロマン。
地が滑り、地底に流れる水音が泥沼に誘うが如くに山奥にこだまする、愛と死、生の淵に刻むロマン。真宗王国北陸を舞台に壮大な構想で描く長篇。神隠しではないか-。行方不明になった幼女に、土地のひとの心は騒ぐ。二十五年前の地滑りで離散した山村に、一人残る老人。其処を訪ねる都会育ちの孫娘。その無垢の娘が惹かれる中年男性の思惑は-。日中戦争の傷痕が今なお、深く突きささるこの地に、混沌とした現代社会の歪みを、人間の罪と罰、情念の世界に焙り出す。
行方不明になったローダン一行救出のため、グッキーたちはカピンが支配するレムリア大陸に潜入した。だが、手がかりはイホ・トロトの発する微弱なシグナルのみ。ローダンたちはいったいどこに幽閉されているのか。一方、首都にもどったオヴァロンにも危機が迫っていた。かつての部下タラカンがオヴァロン暗殺をくわだてたのである。からくも首都脱出に成功したオヴァロンは、ローダンに協力する決意をかためたが…。
故郷の惑星が帝国の領地となったために、意に反して、強大なアーヴ星間帝国の貴族となったジントは、宇宙港で帝都へ向かう戦艦を待っていたのだが…そこに現れたのはひとりの少女。彼女の名はラフィールという。同じ戦艦に乗りこむ見習い士官だったが、彼女にはもう一つの身分があった。皇帝の孫娘にして帝国を継ぐ王女だったのだ。-王女とジントの冒険行を、SFマインドたっぷりに描く話題のスペースオペラ第2弾。
隆盛を誇る大唐帝国、花の都長安。陽が西方に傾く頃、長安城から天に向けて霧のような妖気がたちのぼった。それを感じ取った一人の風来坊が格式を誇る妓楼・紅花楼に上り、捜していた人物と対面した。相手は唐朝の重臣、諌議大夫・魏徴であった。長安の坊城に血の飛沫が流れるという面妖な事件を語る魏徴に、事件解決を約したこの漢は、一体何者なのか。華麗なる大武侠小説、待望の文庫化第一弾。
1999年、ロサンジェルス。政府は究極の警官訓練設備を開発させた。人工知能テクノロジーによる最新鋭のバーチャル・リアリティ・シミュレーターで、犯人追跡技術をテストするのだ。その犯人とは、183人の犯罪者の最悪の要素を合成したシド6・7。だがある日、シドは現実空間へ逃亡する。捜査に選ばれた元警官パーカー・バーンズは、シドを形成する人格の一部が自分の妻子を殺した男であることに気がつくー。