小説むすび | 著者 : 三田誠広

親鸞の嫡嗣にして義絶された宗門の異端者！造悪無礙など非道に奔る東国の門徒を鎮めるため親鸞の命で下向した嫡嗣善鸞。性信・真仏ら親鸞面授の門弟との確執、忍性・日蓮ら鎌倉仏教の名僧たちとの諍論を経て独自の道を辿る。

『源氏物語』に託された宿望！幼くして安倍晴明の弟子となり卓抜な能力を身に着けた香子＝紫式部。皇后彰子と呼応して親政の回復と荘園整理を目指し、四人の娘を四代の天皇の中宮とし皇子を天皇に据えて権勢を極める藤原道長と繰り広げられる宿縁の確執。

東の大国・今川の脅威にさらされつつ、西の新興勢力・織田の人質となって成長した少年時代。秀吉の命によって関八州に移封されながら、関ヶ原の戦いを経て征夷大将軍の座に就いた苦労人の天下人。その生涯と権謀術数を、名手たちの作品で明らかにする。

徳川三代（家康・秀忠・家光）を支え、江戸の繁栄を基礎づけた謎多き僧形の大軍師！比叡山焼き討ちから、三方ヶ原の戦い、本能寺の変、小牧長久手の戦い、関ヶ原の戦いと続く戦国乱世の只中を一〇八歳まで巧妙に生き抜き、江戸二六〇年の太平を構築した無双の傑物が辿る壮大な戦国絵巻。

承久の乱に勝利し、治天の君と称された後鳥羽院らを流罪とした「逆臣」でありながら、たった一枚の肖像画さえ存在しない「顔のない権力者」。謎に包まれた鎌倉幕府二代執権の姿と彼の生きた動乱の時代を、超豪華作家陣が描き出す。

書き下ろし長篇歴史小説。２０２２年ＮＨＫ大河ドラマ『鎌倉殿の１３人』を差配した影の主役、北条政子！

「僕って何だろう？」ぼくの作家としての出発点はロシアの少年の独白にある。

帝国の水軍に不慣れな海戦を挑み、大敗を喫したこの戦、何のための戦争だったのか？古代史の謎に迫る暉身の書き下ろし。

煩悩具足の凡夫・悪人に極楽往生を約束した日本仏教の革命児！書き下ろし長編歴史小説。

類い稀な才能を持ち、太子となる宿命を負って生まれた皇子の理想と苦悩ー仏教学者として傑出した見識と、純粋な理想を胸に秘めながら、不安定な政治の世界に翻弄された激動の生涯。

濃密な血の呪縛、中上文学の出発点「岬」（芥川賞）。男と女と日常の不穏な揺らめき「髪の環」。不幸の犠牲で成り立つもの「幸福」。流される僕の挫折と成長「僕って何」（芥川賞）。言葉以前の祈りの異言「ポロポロ」。垢の玉と生死の難問「玉、砕ける」。少年を襲う怪異の空間「遠い座敷」。文学は何を書き試み、如何に表現を切り拓いてきたのか。シリーズ第一巻。

抜きんでた才覚を見込まれ、儒者でありながら右大臣まで上りつめた道真。貴族たちのうごめく野心と、業平と高子らの恋の傍らで、政治家として奔走した劇的な生涯を描く本格歴史小説。

激動の平安末期を生きた僧侶・西行と平家・源氏たちの諸行無常。出家後の西行の歩んだ道を大胆な解釈と宗教観をおりまぜて展開する西行の生涯。渾身の書き下ろし。

流鏑馬の達人で蹴鞠もこなす、和歌の天才、西行。平安末期のドラマチックな時代の中で、武士として僧侶として歴史の現場に立会い奔走した姿と、待賢門院璋子との恋を描く、待望の歴史小説。

伊豆挙兵、心のより所は…？文覚・西行・大江広元・北条一族・梶原景時と織り成す頼朝の「天下草創」を描く書下ろし長編。

王朝時代の幕を閉じた武家政権開祖の実像！「出生の謎」を秘めた一人の武士が、平家の棟梁として時代の変革者に成長していく姿を描いた書下ろし長編。

遮那王とは…！？鬼若とは…！？源平の合戦を背景に描く、物の怪と神通力の物語。

聡明で、魅力的な表情の女性だー十七歳の直樹が年上の早苗に抱いた第一印象である。高校生のバイオリニストの直樹は、音楽を愛しながらも、ピアニストの父と同じ道を進むことをためらう。そんなある時、美貌の早苗に出会った。その時から彼の生活に明らかな変化が起きる。高校生の愛と自立、人生の試練を流麗に描く青春小説。

巨大な洋館に住む、謎の美少女…その館を訪れた大物たちが次々に行方不明になってゆく。いったい何が行われているのか-青春サスペンス・ロマン。