著者 : 田中小実昌
戦争小説短篇名作選戦争小説短篇名作選
忌まわしき戦時の記憶「あまりに碧い空」「虹」「華麗な夕暮」。戦場の残酷と不条理「青春の記憶」「北川はぼくに」「伝令兵」。広島と長崎の消せない傷痕「儀式」「曇り日の行進」。戦争という果てしない狂気「召集令状」「八月の風船」。あの戦時下を、戦地を、原爆投下を、終戦を、作家たちはどう小説に刻んだのかー。いまこそ読み返す、文学だけが伝え得る“戦争のリアル”。
現代小説クロニクル 1975〜1979現代小説クロニクル 1975〜1979
濃密な血の呪縛、中上文学の出発点「岬」(芥川賞)。男と女と日常の不穏な揺らめき「髪の環」。不幸の犠牲で成り立つもの「幸福」。流される僕の挫折と成長「僕って何」(芥川賞)。言葉以前の祈りの異言「ポロポロ」。垢の玉と生死の難問「玉、砕ける」。少年を襲う怪異の空間「遠い座敷」。文学は何を書き試み、如何に表現を切り拓いてきたのか。シリーズ第一巻。
自動巻時計の一日自動巻時計の一日
「どんなに、おれのまわりを見まわしても、見なれたものばかりだ」。米軍基地の化学研究所に勤める男が、朝起きてから夜寝るまでのことを書き出してみようと思い立つ。家での朝食、通勤風景、米兵たちとのやりとり、時間を盗んで翻訳している小説…何のへんてつもない日常の出来事が一体となって、類例のない小説が誕生した。
バンブダンプバンブダンプ
ぼくはいきなりジョージという名前にされてしまった。横田基地での奇妙な日々。朝鮮戦争のさなか横田基地に通訳としてつとめはじめたぼくは、不思議にのんびりした奇態な日日を送る。横浜で港外荷役の募集に応じるといきなり仁川の沖合に連れていかれた友人。牛浜の西部劇風のバラック呑み屋や新宿御苑のそばのドヤでの大騒ぎ。現在と過去を交錯させながら、ユーモア溢れるタッチで軽妙に描く自伝的小説。
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